2008年9月心理室より

音楽とリラクゼーション

人はストレスを感じると呼吸が乱れたり、心拍数が上がったり、筋肉が緊張するなどの症状が現れます。これらの症状は人間が自らを危険から守る為に起こす自然な反応ですが、ストレスを慢性的にうけると免疫力が下がり病気を引き起こす可能性が高くなることもあります。さまざまな事がストレスの原因になりますが、人はストレスを回避して生活することはできません。そのため、ストレスの原因を取り除くことも必要ですが、どう捉え対処するかがより大切になってきます。
                
 ストレスへの対処法の1つとして、音楽を聴いたり演奏したりする事が有効であるといわれています。音楽の好みは人それぞれですが、一般的にいえば、テンポが速い曲よりも、適度にゆっくりとして、アクセントが少なく、一定のテンポを保っている曲が適しているといえます。リラックスするためには、深く呼吸する事が大切なので、テンポが急に変わる曲よりも、安定しているものを選ぶことがポイントになります。

 また楽器にも好みがありますが、一般的には、ヴァイオリン、チェロ、ハープ、アコースティック・ギターなどの弦楽器、オーボエ、クラリネットなどの木管楽器はリラクゼーション効果の高い楽器といわれています。逆に、トランペットなどの金管楽器、打楽器は刺激的であることが多いため、リラクゼーション向きではないかもしれません。

 もちろん、個人差がありますから、すべての人にあてはまるわけではありません。ハードロックを聴くと心が落ち着く人もいるでしょうし、ヒーリング音楽を聴く事で癒される人もいると思います。大切なことは、自分がリラックスできる曲を見つけ日頃からその音楽を聴いておく事です。この音楽が自分を落ち着けてくれるんだという事を知っている事が、苛々した時に気持ちを落ち着けられる秘訣です。また、照明を少し暗くしたり、体をしめつけないゆったりとした服装で聴くなど環境を整えることも、リラックスの効果を高めてくれます。 

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2008年9月

暑中見舞いと残暑見舞い
 暦の上では、秋ですが、残暑が厳しいですね。夏の疲れを持ち越さないように、夏バテの解消法と暑中と残暑についてお話ししたいと思います。

 ○○○暑中って、いつまで使って良いの!?残暑はいつから?○○○    

【暑中】  
二十四節気の「小暑(しょうしょ)」と「大暑(たいしょ)」にあたる期間です。暑中に出すお見舞いの書状なので「暑中見舞い」となります。梅雨が明けた後、夏の土用(立秋前の18または19日間)の期間に送る慣わしがあります。

☆暑中見舞いは 8月7日までに出すものです

【残暑】  
二十四節気の「大暑」の次の節気は「立秋(りっしゅう)」です。立秋からは暦の上で秋になり、秋になっても残っている暑さなので「残暑」となります。実際には猛暑が続いていても、立秋以降は暑さの度合いにかかわりなく「残暑見舞い」とします。
 ☆残暑見舞いは8月8日から9月の初旬までが出してよい時期です

★ ちなみに・・・寒中見舞いは、二十四節気の小寒(1月5日頃)から立春(2月4日頃)までの寒中に見舞うものです

○○○夏の疲れは残っていませんか??○○○
夏はどうして体調を崩しやすいのでしょうか?
 暑くなると、体は汗を出すことで、体温調節をおこないます。湿度が高いと汗の蒸発が妨げらてしまいます。そのため、熱が体内にこもって、疲れやすくなってしまうのです。夏の暑さによって、だるい、食欲がない、むくみ、風邪のような状態など、人によってさまざまな症状が出てきます。夏ばての原因は、以下の事が考えられます。

・体の冷え
・食欲減退
・夜更かし(睡眠不足)
・水分摂取量の過不足
・食事の摂取量
・汗をかきすぎて体内の水分やミネラルの減少

夏ばて解消法
・睡眠を十分にとる
・適度な運動
・入浴             
・バランスの取れた食事

 【疲労回復に効果のある食材】
○豚肉、ごま
→ビタミンB1が豊富に含まれ、疲労回復を早める作用があります
○梅、酢
→有機酸を多く含み疲労物質を分解する効果があります
○味噌、豆腐
→脂質、ビタミンB2、鉄、リン、カルシウムなどを含み、冷え性にも効果ありがあります
○卵、アシタバ
→滋養強壮に適した栄養食品です。※卵黄にはコレステロールが多いので一日1~2個までが適量です
○落花生・アボガド・かぼちゃ・アーモンド・たらこ
→血行を良くし、疲労物質の蓄積を防ぎます    

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2008年7月院長より

まだまだ蒸し暑いかと思ったら、夜間冷え込むという不安定な日々が続いております。寒暖の差が自律神経を乱してしまうので、自律神経失調症状が出やすくなります。くれぐれもご自愛くださいますようお願いいたします。
 6月下旬、政府は「骨太の方針2008」を閣議決定しました。多くの国会議員が医療費を含む社会保障費削減は限界で、日本の医療は崩壊寸前であるとの認識を持っているにもかかわらず、政府は更なる削減を計画しています。政府はわが国をどのような国にしたいのでしょう。国際的に見れば、安い医療費で、気軽に医療機関を受診でき、健康で幸せに暮らすことのできた国を壊し、いったいどこに向かっているのでしょう。以前にも報告しましたが、英国はサッチャー首相当時、先進七カ国中、対GDP比の医療費水準が日本と同程度で最低ランクの国だったのを、これではダメだとその後の首相は医療費を増加させる政策に転換したのです。では、どんなところがダメだと評価されたのでしょうか。
 一つは待ち時間が長すぎるという問題点です。日本では「3時間待ちの3分診療」と言われていましたが、英国では「3日待ち」の状態でした。また給料が少なく、労働が過重なので、医療職の人々がどんどん他の国に逃げ出してしまうため、深刻な人手不足になってしまったとも言われています。日本でも、診療科を閉鎖するところも出てきておりますので、同じ道をたどっていることは明らかです。このような失敗事例が世界にあるのにまだわが国は誤った道を正すことなく、突き進んでいますが、私たちにはこれを正すための方法があります。選挙を通じて、一人ひとりが思いを伝えることで政治は変わります。次の国政選挙はまだいつかはわかりませんが、そのときがチャンスです。ぜひ誤った政策を変えるように選挙に参加してくださいますようお願いいたします。この国を住み心地の良い国にするため。

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2008年7月心理室より

色の話
 あなたは何色が好きですか? たとえば“青”と聞いて何をイメージしますか?ある一つの色に対しても、好きな色、嫌いな色、明るい色、暗い色など見る人によって様々な印象をいだきます。色彩には自分の行動や気分だけでなく、相手の気持ちも変化させてしまう不思議な魅力があります。
今回はそんな不思議な色のお話です。

 色彩の不思議

<部屋の色と時間>
 色は時間感覚を左右します。赤系統の部屋と青系統の部屋に1時間いた場合,赤や橙に囲まれた環境では,時間の経過は約2倍に感じられ,逆に水色や白色,青色に囲まれた環境では時間の経過は約1/2に感じられると言われています。これは人間の時間感覚に通じる呼吸や脈拍数,筋肉弛緩などに色彩が影響することをも表しています。応接間や会議室,そして自分の部屋など,その正確に応じた色とともにあれば,より一層その場所が使いやすく,心地よい空間になります。自分をとりまく環境に少し視線を向けることで,その場がかけがえのない空間に生まれ変わるからこそ,部屋を彩る専門家は,色と形を熱心に考えるのでしょう。

<虹の色は7色?それとも6色?>
 虹の色については日本では7色あると言われています。アメリカでは虹の色は,日本の7色から“藍”を抜いた6色だといわれているところもあるそうです。虹の色の覚え方について,日本では「赤,橙,黄,緑,青,藍,紫」(せきとうおうりょくせいらんし)とリズムで覚えたりしますが,アメリカでは「Read OutYour Good Book in Verse」(Red Orange Yellow Green Blue Violet)と頭文字をあてて覚えているそうです。
 虹は光の色として,グラデーションをもって出現します。すなわち,赤から紫までの連続した波長のものが虹であり,色は無数に存在しています。そんな無数の色の中から,日本では7つ,アメリカでは6つ,代表的な色の名前を呼んだ結果,7色か6色かの違いが生じました。いくつ色を取り上げて表現するかは,日本とアメリカの一宇に違いがあるように,個人個人でも違いがあるかもしれません。見えている虹が同じでも,捉え方は様々なのですね。昔から藍染めなどの染色法があるように,藍色と緑が深く,藍色を敏感に識別できることは日本人の特色のひとつと言えます。

<ブルーマンデー症候群とは?>

 青や海や空のように壮大で雄大な大自然のイメージを持ち合わせていますが,一方で,顔から血の気が引くと,青白い顔になることを「顔が青ざめる」と言い,「元気が無い,落胆した」という意味合いでも青い色が用いられています。そういった意味合いを持った,“2ブルーマンデー症候群”という言葉があります。
 楽しかった休日(日曜日)が終わり,月曜日の朝に「会社に行きたくないな」と思ったことは誰にでもあるかもしれません。その憂鬱な思いから,心身にまで不調が現れることがあり,目覚めが悪くなったり動悸や頭痛,吐き気などが症状として現れることがあるそうです。これを“ブルーマンデー症候群(月曜病)”と呼びます。どの色にも対極の性質が存在しますが,青色の一極の性質がこの“ブルーマンデー”には現れています。

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