2008年9月院長より

暑い夏が終わろうとしておりますが、日中と夜間との寒暖の差が激しくなっており、心身のバランスが乱れやすい時期となっております。皆様くれぐれもご自愛ください。

 8月末には記録的な豪雨があり、岡崎市ではお亡くなりになった方もいらっしゃるようですし、床上、床下浸水などの被害があった世帯は数千戸にものぼるそうですから、心からお悔やみを申し上げるとともに、一刻も早い復旧を願っております。また、今の気象学ではどこでこのような集中豪雨が起こるかまでは予測できないそうですが、更なる学問の進歩が望まれます。
 8月末には気象だけではなく、政界でも不安定な風が吹き荒れ、次の政権がねらえるのではと期待された民主党でお家騒動があり、新党が結成されました。なぜ、今との思いですが、やむを得ない事情があったのでしょうね。

 もう一つ、医学会では8月末に大きな変化が見られました。新聞報道等で、事件の概略はご存知かと思いますので、割愛いたしますが、8月20日、福島県の大野病院事件に無罪の判決が出たのです。亡くなられた方は本当にお気の毒ですし、ご冥福をお祈りいたしますが、全国の医師が、固唾を呑んで見守っていた事件の判決内容が明快であったことに安堵していています。この事件が社会に及ぼした影響は余りにも大きく、「医療現場からの医師の立ち去り」という社会現象まで作ってしまいました。ひと昔前は、家族と医師が手を取り合って手術の成功を喜んだものですが、今は違い、上手くいって当た
り前、結果が悪ければ訴えられ、時に逮捕されるという事態に震撼させられました。今回の判決理由にある「医療行為が患者の生命や身体に対する危険性があることは自明だし、そもそも医療行為の結果を正確に予測することは困難だ」という医療者からみて、当たり前の理屈を証明するために、2年6ヶ月も費やしたのです。不可抗力による不幸な結果をいちいち犯罪にされたら医療は成り立たないという医療者の思いを分かってもらえたようで、意義のある裁判だったと思います。手術だけでなく、あらゆる医療行為を我々大部分の医療者は善意をもって、最大限努力、配慮し、行っているつもりですが、それでも防ぎきれない副作用があり、事故が起こる場合があることを改めて皆様にもご理解いただきたいと思います。

より良い患者・医師関係を構築するためによろしくお願いいたします。

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2008年9月心理室より

音楽とリラクゼーション

人はストレスを感じると呼吸が乱れたり、心拍数が上がったり、筋肉が緊張するなどの症状が現れます。これらの症状は人間が自らを危険から守る為に起こす自然な反応ですが、ストレスを慢性的にうけると免疫力が下がり病気を引き起こす可能性が高くなることもあります。さまざまな事がストレスの原因になりますが、人はストレスを回避して生活することはできません。そのため、ストレスの原因を取り除くことも必要ですが、どう捉え対処するかがより大切になってきます。
                
 ストレスへの対処法の1つとして、音楽を聴いたり演奏したりする事が有効であるといわれています。音楽の好みは人それぞれですが、一般的にいえば、テンポが速い曲よりも、適度にゆっくりとして、アクセントが少なく、一定のテンポを保っている曲が適しているといえます。リラックスするためには、深く呼吸する事が大切なので、テンポが急に変わる曲よりも、安定しているものを選ぶことがポイントになります。

 また楽器にも好みがありますが、一般的には、ヴァイオリン、チェロ、ハープ、アコースティック・ギターなどの弦楽器、オーボエ、クラリネットなどの木管楽器はリラクゼーション効果の高い楽器といわれています。逆に、トランペットなどの金管楽器、打楽器は刺激的であることが多いため、リラクゼーション向きではないかもしれません。

 もちろん、個人差がありますから、すべての人にあてはまるわけではありません。ハードロックを聴くと心が落ち着く人もいるでしょうし、ヒーリング音楽を聴く事で癒される人もいると思います。大切なことは、自分がリラックスできる曲を見つけ日頃からその音楽を聴いておく事です。この音楽が自分を落ち着けてくれるんだという事を知っている事が、苛々した時に気持ちを落ち着けられる秘訣です。また、照明を少し暗くしたり、体をしめつけないゆったりとした服装で聴くなど環境を整えることも、リラックスの効果を高めてくれます。 

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2008年9月

暑中見舞いと残暑見舞い
 暦の上では、秋ですが、残暑が厳しいですね。夏の疲れを持ち越さないように、夏バテの解消法と暑中と残暑についてお話ししたいと思います。

 ○○○暑中って、いつまで使って良いの!?残暑はいつから?○○○    

【暑中】  
二十四節気の「小暑(しょうしょ)」と「大暑(たいしょ)」にあたる期間です。暑中に出すお見舞いの書状なので「暑中見舞い」となります。梅雨が明けた後、夏の土用(立秋前の18または19日間)の期間に送る慣わしがあります。

☆暑中見舞いは 8月7日までに出すものです

【残暑】  
二十四節気の「大暑」の次の節気は「立秋(りっしゅう)」です。立秋からは暦の上で秋になり、秋になっても残っている暑さなので「残暑」となります。実際には猛暑が続いていても、立秋以降は暑さの度合いにかかわりなく「残暑見舞い」とします。
 ☆残暑見舞いは8月8日から9月の初旬までが出してよい時期です

★ ちなみに・・・寒中見舞いは、二十四節気の小寒(1月5日頃)から立春(2月4日頃)までの寒中に見舞うものです

○○○夏の疲れは残っていませんか??○○○
夏はどうして体調を崩しやすいのでしょうか?
 暑くなると、体は汗を出すことで、体温調節をおこないます。湿度が高いと汗の蒸発が妨げらてしまいます。そのため、熱が体内にこもって、疲れやすくなってしまうのです。夏の暑さによって、だるい、食欲がない、むくみ、風邪のような状態など、人によってさまざまな症状が出てきます。夏ばての原因は、以下の事が考えられます。

・体の冷え
・食欲減退
・夜更かし(睡眠不足)
・水分摂取量の過不足
・食事の摂取量
・汗をかきすぎて体内の水分やミネラルの減少

夏ばて解消法
・睡眠を十分にとる
・適度な運動
・入浴             
・バランスの取れた食事

 【疲労回復に効果のある食材】
○豚肉、ごま
→ビタミンB1が豊富に含まれ、疲労回復を早める作用があります
○梅、酢
→有機酸を多く含み疲労物質を分解する効果があります
○味噌、豆腐
→脂質、ビタミンB2、鉄、リン、カルシウムなどを含み、冷え性にも効果ありがあります
○卵、アシタバ
→滋養強壮に適した栄養食品です。※卵黄にはコレステロールが多いので一日1~2個までが適量です
○落花生・アボガド・かぼちゃ・アーモンド・たらこ
→血行を良くし、疲労物質の蓄積を防ぎます    

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2008年7月院長より

まだまだ蒸し暑いかと思ったら、夜間冷え込むという不安定な日々が続いております。寒暖の差が自律神経を乱してしまうので、自律神経失調症状が出やすくなります。くれぐれもご自愛くださいますようお願いいたします。
 6月下旬、政府は「骨太の方針2008」を閣議決定しました。多くの国会議員が医療費を含む社会保障費削減は限界で、日本の医療は崩壊寸前であるとの認識を持っているにもかかわらず、政府は更なる削減を計画しています。政府はわが国をどのような国にしたいのでしょう。国際的に見れば、安い医療費で、気軽に医療機関を受診でき、健康で幸せに暮らすことのできた国を壊し、いったいどこに向かっているのでしょう。以前にも報告しましたが、英国はサッチャー首相当時、先進七カ国中、対GDP比の医療費水準が日本と同程度で最低ランクの国だったのを、これではダメだとその後の首相は医療費を増加させる政策に転換したのです。では、どんなところがダメだと評価されたのでしょうか。
 一つは待ち時間が長すぎるという問題点です。日本では「3時間待ちの3分診療」と言われていましたが、英国では「3日待ち」の状態でした。また給料が少なく、労働が過重なので、医療職の人々がどんどん他の国に逃げ出してしまうため、深刻な人手不足になってしまったとも言われています。日本でも、診療科を閉鎖するところも出てきておりますので、同じ道をたどっていることは明らかです。このような失敗事例が世界にあるのにまだわが国は誤った道を正すことなく、突き進んでいますが、私たちにはこれを正すための方法があります。選挙を通じて、一人ひとりが思いを伝えることで政治は変わります。次の国政選挙はまだいつかはわかりませんが、そのときがチャンスです。ぜひ誤った政策を変えるように選挙に参加してくださいますようお願いいたします。この国を住み心地の良い国にするため。

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