院長より

今年も、もうすぐ年末を迎えます。月日の遷り変わりの早さに戸惑ってしまいます。今年も10月中旬ごろまで暑い日が続いていましたが、あっという間に寒くなりました。ただ朝夕は冷え込みますが、まだ日中は暖かく、このような寒暖の差が激しくなる時期は自律神経に過剰な負荷がかかります。そのため、動悸やめまい、立ちくらみなど自律神経失調症状が悪化しやすい時期でもあります。症状でお困りの際はご相談ください。

7回目のコロナワクチン接種はもうお済みでしょうか。次々と変異株が出てきて、発症予防効果には疑問があっても重症化予防には確実に効果があるそうなので、可能な限り接種していただいた方が良いかと思います。現在、コロナ感染はやや落ち着いているようですが、かわりにインフルエンザが猛威をふるっています。ですからコロナワクチンだけでなく、インフルエンザワクチン接種も強くおすすめします。皆様はもう接種あるいは予約をされましたでしょうか。接種後に免疫が作られるのには一ヶ月ほどかかりますから、まだの方はなるべく早く接種しておいたほうがいいと思います。ご検討ください。そしてコロナワクチンについてですが、無料なのは今年度限りで来年からは有料になると言われています。当院ではできる限り地域の皆様方の役に立つようにとワクチン接種も積極的に行ってきましたが、業務量が増え、このまま漫然と続けていると接種間違いなどの事故を起こしかねない状態になってきました。そこでやむを得ず、現在残っているコロナワクチンがなくなり次第、当院でのコロナワクチン接種は中止いたします。申し訳ありませんが、ご理解くださりますようお願いいたします。

先日精神保健福祉の向上に寄与したとの功績で厚生労働大臣表彰をいただきました。推薦してくださった愛知県精神科診療所協会や関係各位の皆様に感謝いたします。2017年には公衆衛生の向上に寄与したとの功績で厚生労働大臣表彰をいただきましたから、異なった功績での二度目の大臣表彰です。大変嬉しく思うとともに、この名誉を汚すことのないよう更に精進するつもりです。これからもよろしくお願いいたします。

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趣味と健康

空が澄み、清々しい秋を感じる頃となりました。みなさんは秋と言えば・・・なんでしょうか。芸術の秋、食の秋、スポーツの秋などたくさんありますね。1年のうちで秋は一番趣味を見つけやすい時期かもしれませんね。東京医科歯科大学などが行った研究では、“多趣味の高齢者ほど死亡リスクが低くなる”という結果が出ています。趣味の数が0個の人に比べて、趣味が2個の人では10%、5個の人では31%死亡リスクが低くなったようです。また、趣味のタイプ別に見てみると、「体を動かす趣味」と「誰かと一緒に行う趣味」が死亡リスクの軽減に特に効果があることが示されたそうです。

 趣味の効果については以下のようなものがあります。

1.リラックス効果

 イギリスの大学の研究によると、6分の読書でストレスの3分の2以上が軽減されるそうです。趣味に没頭することで副交感神経が優位となり、リラックス状態になることができます。逆に趣味がなくストレスを発散できずにいると交感神経が優位となり、緊張状態が続いてしまう可能性が高くあります。

2.孤立を防ぐ

 特に定年退職をした後に急に自分の時間ができた人など、会社中心の生活をしてきた人は、外出頻度が減って人と話す機会が減ってしまいます。退職という大きな環境の変化に加えて、精神的・肉体的な衰えも生じやすくなります。東京都健康長寿医療センター研究所の研究では、日常生活に問題のない健康な高齢者であっても、社会的孤立と閉じこもり傾向が重積している人は、どちらにも該当しない人に比べて、6年後の死亡率が2.2倍高まるという結果が出ているそうです。

3.健康寿命を延ばす

 趣味や生きがいを持つことが健康に良い影響を与えることは多くの研究によって証明されています。趣味を持っていると、身体的活動量が多くなり、ADL(日常生活動作:食事、トイレ、入浴などの日常生活を送るために必要な動作)やIADL(手段的日常生活動作:買い物、炊事洗濯、金銭管理などのADLより複雑な動作)の低下を防ぎ、健康寿命を延ばすという研究結果も出ています。

 現代人は多くのストレスを抱えていると言われています。この秋、心身の健康の為にも自分に合った趣味を見つけてみてはいかがでしょうか。

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院長より

 今年も例年同様に不安定な天気が続いています。全国各地で台風やゲリラ豪雨など様々な天災が発生していますが、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。また、不安定な気候の影響を受け、自律神経も乱れやすい時期です。不調を感じたら早めの受診をお勧めいたします。

 新型コロナウイルス感染症の第9波は、じわじわと増加したかと思えば減少に転じたりして、なかなかはっきりはしませんが、まだまだ入院治療が必要になる方も多く、油断できない状況です。そして新たな変異型も確認され、まだまだ収束には程遠いようです。5類相当となったために各種制限が解除されはしましたが、まだまだ駆逐できてしまった感染症ではありません。一気にコロナ前の生活様式に戻すのではなく、ウィズコロナとして新しい生活様式を作っていくつもりで、個人個人が警戒を保ってください。

 この秋に始まるコロナのワクチンですが、ほとんどの方が対象にはなっていても、受けたい人が受診券発行を依頼するよう促すハガキが届くのみで、今までのように受診券が黙っていても送られてくるわけではないと言われています。ご注意ください。

 またインフルエンザワクチン接種の時期が近づいてきましたが、まだ詳細は未定です。おそらく例年同様の時期になりますが、確定した情報は随時お知らせしますので、お気軽に職員までお問い合わせください。コロナワクチン接種も引続き行っていきますので、まだ未接種の方は副反応の怖さより、感染したときの怖さを考え、デマに惑わされることなく接種していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 しばらく休止していたキャッシュレス決済ですが、また開始いたします。まずはペイペイとVISAとマスターカードのクレジット決済のみですが、順次許可が得られ次第対応できる種類が増えていきますので、よろしくお願いいたします。

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「ほどほど」の大切さ

 やらなければならないこと、あるいはやろうと決意したことに対して、あなたはどの程度真剣に取り組もうと思いますか?真面目に取り組むこと、努力することは自分にとってプラスになることがたくさんあります。しかし、手を抜くことがプラスに働くこともあります。

 勿論、物事に対して思い切り手を抜いてしまうことは良くないです。仕事をさぼると自分の能力向上に繋がらなかったり、周囲を困らせたり、ということに繋がりますし、日頃の食生活を全く自己管理していなければ、肥満や病気のリスクが高まります。しかし、すべての業務を完璧に熟そうとして1つの業務に時間を掛けすぎてしまったり、ダイエットのために毎日徹底的に食事管理をすることで、かえって心身に過度なストレスがかかってしまったりすることも考えられます。「真面目さ」は決して悪いことではありませんが、それが過度になると劣等感や気分の落ち込みに繋がることがあります。

 過度に真面目になることの理由は様々ですが、その中の1つとして、高すぎる目標を設定している、ということが挙げられます。しかし、実際の現状設定した目標から遠く離れていると、落胆してしまうと考えられます。例えば、世の中の多くの試験は6割から7割程度の得点を取れば合格できますが、コンスタントに6割5分程度を取れるようにしたい、と思う人もいれば、他の人と差をつけるためにより満点に近い点を取り続けたい、と思う人もいるでしょう。そのような場合、後者の方がより目標は高くなりますが、うまくいかなかった場合周囲と比較してひどく落ち込んでしまったり自分には到底無理だ、と思ってかえってやる気が起きなくってしまい諦める、という可能性も高くなります。

 先ずは設定している目標が高すぎないかどうか、見直すことから始めると良いでしょう。周囲の人が目標設定をどのようにしているか、尋ねて参考にしてみることが良いと思われます。その人たちの「高い目標」と照らし合わせ、自分の「高い目標は」が実現可能な範囲かどうか検討し修正していきます。

 その後は目標をより細かく設定し、小さな目標を少しずつ達成していく、ということも有効な方法です。その際達成するたびに自分を褒めてあげることも大事です。目標に少しでも近づいたら自分自身に積極的に肯定的な言葉掛けをしてあげましょう。修正前の目標と比較すると小さな目標になることで手を抜いているような感覚になるかもしれませんが、自分自身に肯定的な言葉がけを繰り返すことで自己肯定感が向上し、たとえ小さな目標に向かってでも、よりポジティブに物事に取り組めるようになるでしょう。

 物事に対しては「良い意味で」手を抜いて、程よく頑張ることをお勧めします。

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