2008年7月

『日射病』と『熱射病』

『日射病』と『熱射病』どこが違うか知っていますか?
よく似ている名前なので同じ病気だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの日射病と熱射病はまったく別の病気です。熱中症という大きな分類の中には含まれますが、その症状、対処法共に異なるものなので注意が必要です。

<日射病とは…>
 いわゆる、脱水状態のことを指します。炎天下に運動やスポーツなど汗をたくさんかいたりした時に、体中の水分が足りなくなってしまい、心臓へ戻ってくる血液が少なくなって心臓が空打ちをしてしまう状態のことです。夏になるとわりと良く耳にする病気の一つです。
 **症状**
 顔が赤くなって息遣いが荒く、皮膚は暑くてさらさらと乾いた状態で汗が出ない。
 目眩、頭痛、吐き気等。酷いと失神することもある。
                             

<熱射病とは…>
 体の中の熱を十分に外へ発散することができず、熱が体の中にこもってしまった状態や、大量の汗をかいたことにより、体内の塩分や水分が著しく不足している状態のことで、高温多湿の下、長時間作業等をした際に起こりやすい病気です。日差しの全く無い室内や炎天下の車内等でも起こるので
注意が必要です。
 **症状**
 顔は青白く大量の汗が出て、皮膚はじっとりとした感じで冷たく、体温は普通かやや低めで脈は弱くて早い状態。虚脱感と、目眩、吐き気が併発する。

 それぞれの対処法と予防法
<日射病>
 **対処法**
涼しい場所に連れて行き、頭を少し高くして寝かせ、上着のボタンなどをはずし呼吸を楽にできるようにする。
頭や体に水をかけ冷やしたり、塩分を含んだ飲み物(スポーツドリンク等が良い)で水分を摂る。
 **予防法**   
つばの大きめの帽子を被る。
首周りにタオルなどをいれて、後頭部と首に直射日光が当たらないようにする。
長時間野外にいる場合は、なるべく日陰で風通しの良い場所を選ぶようにすると良い。

<熱射病>                            
 **対処法**
涼しい木陰に頭を低く足を高くして寝かせ、体温が低いようなら体を暖める。
こまめに(15分おき程度)水や塩分の摂取をする。                                      
 **予防法**
高温多湿の所での作業などは長時間に及ばないようにする。
こまめに水分や塩分を補給することが大切。

 これからどんどん日差しも強くなり暑い日が続きます。正しい予防法、対処法で元気に夏を乗り切りましょう。         

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2008年5月院長より

4月から診療報酬の制度が改訂され、その心ない変更に憤りを感じ、心には冷たい風が吹き荒れているのに、実際の天気は良く、暖かい日が続いています。突然の様々な変更にとまどい、皆様にもご迷惑をかけていますが、よく言われるように悪法でも法は法ですから、違反するわけにはいきません。よりよい方法を模索しつつ、適切な医療を提供していきますので、ご支援のほどお願いします。
 ちょうど一年前の号にて、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の問題点について触れましたが、残念ながらそのまま決まってしまいました。しかし実際始まってから反対意見がわき上がり、一部凍結されている点や、再度見直そうとする機運が野党や与党の一部から出てきていることに望みをかけたいと思っております。いわゆる団塊の世代の方々が75歳を迎え始めるとその人数が多いため、現在のように若い世代の保険料で全体を支える医療保険制度は崩壊する危険性があったため、医師会は後期高齢者医療制度の創設を提案しましたが、それは公費で9割をまかなう保障制度にすべきという案でした。ところが現在始まろうとしているものは公費が5割で、残りを自己負担と若い世代の保険からの拠出金という保険制度で、従来の制度のもっていた危険性はそのままで、受けられる医療だけ制限を受けるというとんでもない制度です。絶対に廃止すべきものとなっている点をご理解ください。
 先日知人のご子息の結婚披露宴に招待され、出席してきました。奇をてらった派手な趣向は何もない落ち着いた披露宴でしたが、祝辞から新郎、新婦やご両家の謝辞に至るまで、慈愛と感謝に満ちた言葉の繰り返しであり、その場に居合わせた幸せに感謝しつつ、帰路につくことが出来ました。幸せかどうかは自分の心が決めることですが、その気持ちが伝染することを改めて感じました。そして今、この原稿を書きながら、院長として、この地で地域医療の一端を担えていることに喜びと幸せを感じ、生きる意義を与えられていることに改めて感謝しております。ありがとうございます。

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2008年5月心理室より

子どものうつ
今回がシリーズでお伝えしていた子どものうつ病の最終回になります。
最終回は予防するために家庭でできることについて考えたいと思います。

 子どものうつを予防するためには、家庭での親子のコミュニケーションがポイントになってきます。その際、どういった性格かによって親の働きかけ方が変わってきます。

 依存性の強い子には…
①一歩ひいた対応を心がけるようにする
②子どもが自分でやろうとする気持ちを大切にし、温かく見守り応援するようにする
③親に忠実であることが子どもに愛情を与えるバロメーターとなっていないか、親自身の対応を振り返る

 強迫性の強い子には…
①子ども本人のがんばり(結果よりもプロセス)に対して、その頑張りを心から誉め、自信を育てる
②もっともっとがんばる事のみを要求しない
③あなたが失敗しても、親にとってかけがえのない大切な子であるというメッセージを子どもに繰り返し伝える
④「ま、いっか」といった、ほどよいいいかげんさを、ユーモアを交えて日常会話に組み入れる

 過度の干渉や期待は、子ども達の心のバランスを崩してしまう事が少なくありません。「ほどほど」が親子の心の健康を保つ秘訣かもしれないですね。

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2008年5月

食事バランスガイド

「食事バランスガイド」をご存知ですか?あなたの食生活 見直しましょう!

H20年スタートの特定健診ではメタボリックシンドローム予防の目的で腹囲を測ることが義務付けられました。肥満の指標としてもうひとつBMIがありますが、健康診断を受ける前に腹囲とBMIをチェックしてみてはいかがでしょう。
腹囲  男性:85cm 女性:90cm
BMI   25    BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
あなたはこの数値より上?下? 気になる方は、食生活から見なおしてみましょう。
(当院では毎月の計測の際、BMIを測定しています。職員にお尋ね下さい。)

「食事バランスガイド」
現代の日本人は、果物・野菜の摂取不足、食塩・脂肪のとり過ぎ等の食生活上の問題が指摘され、肥満者が増えています。そこで、一人一人が食事をする際に「何を」「どれだけ」食べればよいのかをわかりやすく示すことが必要となり、厚生労働省・農林水産省決定により「食事バランスガイド」が作成され、公表されました。
食事バランスガイドは、コマをイメージした逆三角形のイラストで、主食(ごはんやパンなど)、主菜(肉や魚など)、副菜(野菜、きのこ、海藻、いもなど)、牛乳・乳製品、果物の5区分の食品をバランス良く食べる目安を示しています。成人が1日に食べる目安量を、1つ、2つなどの単位(またはSV:サービングの略)で提示しています。果物の主材料の重量がおおよそ100gなので、この量を「1つ(SV)」に設定しています。副菜(野菜など)は、おおよそ70gを「1つ(SV)」としています。
(厚生労働省・農林水産省)

出典:第一出版「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル

【主食(ごはん・パン・麺など)】<5~7つ(SV)>
1つ(SV)分:ごはん小盛り1杯・おにぎり1個・食パン1枚・ロールパン2~3個
2つ(SV)分:うどん1杯・もりそば1杯・スパゲッティ(乾100g)
【副菜(野菜・いも・豆・海藻など)】<5~6つ(SV)>
1つ(SV)分:野菜サラダ(大皿)・具たくさん味噌汁・ほうれん草のお浸し・ひじきの煮物(小鉢)
煮豆(うずら豆、小鉢)
2つ(SV)分:野菜の煮物(中皿)・野菜炒め(中皿)・芋の煮っころがし(中皿)
【主菜(肉・魚・卵料理・大豆食品など)】<3~5つ(SV)>
1つ(SV)分:冷奴(100g)・納豆(40g)・目玉焼き一皿(卵50g)
2つ(SV)分:焼き魚(魚の塩焼き1匹分)・魚の天ぷら(キス2匹、えび1匹分)
まぐろとイカの刺身(まぐろ40g、イカ20g)
3つ(SV)分:ハンバーグステーキ(肉重量100g程度)・豚肉のしょうが焼き(肉重量90~100g程度)
鶏肉のから揚げ(肉重量90~100g程度)
【牛乳・乳製品】<2つ(SV)> 牛乳ビン1本分(180ml)
【果物】<2つ(SV)> みかん1個、りんご半分

コマの形を見てわかるように、ご飯などの穀類をしっかりと取り、たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。また、食塩や脂肪は控えめに調理することも大切です。自分の適正な体重を知り、「食事バランスガイド」を毎日の食生活に活かし、食事を見直してみましょう。
「食事バランスガイド」の詳細は厚生労働省のホームページに見ることができます。また、興味のある方、なかなか痩せられないと思っている方、どうしたら良いのか分からないと思っている方、職員に声をかけてください。一緒に食事のバランスを考えてみましょう。

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