院長より

 最近不安定な天気が続いています。ゲリラ豪雨や8月末の迷走台風が東日本に上陸し猛威を振るうなど、全国各地で様々な天災が発生していますが、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
また、不安定な気候の影響を受け、自律神経も乱れやすい時期です。皆様の体調はいかがでしょうか。ご自愛の程、よろしくお願いいたします。

 まもなくがんや認知症、糖尿病や高血圧ほか各種の遺伝子検査を始める予定です。まだ保険適応されていないので、自費による検査となりますが、わずかな血液や唾液だけでできる検査なので、身体への負担はほとんどありません。遺伝子検査と言っても、将来リスクつまり素因を持っているかどうかだけでなく、現在がんを発育させる遺伝子が発現しているか、発育を阻止する遺伝子が壊れていないかなどを調べますので、超早期診断も可能で、予防医療が可能になることが期待されます。未来の医療を経験してみませんか。詳細は医師までお問い合わせください。

 今年もインフルエンザワクチンの接種時期が近づいてきました。今年度も特に大きな変更はなく、ワクチンも順調に入荷する予定と聞いておりますが、詳細は職員までお問い合わせください。また、現在愛知県内では市町村の枠を超えて、各種ワクチン接種が可能となっており、当院もその主旨に賛同し、名古屋市外に在住の方への接種が可能となっております。ご希望の方は遠慮なく職員までお問い合わせください。

カテゴリー: 201609, 院長より | 院長より はコメントを受け付けていません。

児童虐待と代理ミュンヒハウゼン症候群

 近年、テレビで児童虐待に関するニュースを多く見かけますね。先日、名古屋市北区でも児童虐待による死亡事故があったのをご存知でしょうか。近年全国的に児童虐待は増加傾向にあり、平成24年度では児童虐待相談件数が66701件、児童虐待による死亡事例が85件にもなりました。虐待というと、暴力や育児放棄を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。虐待は大きく以下の4つに分類することができます。
身体的虐待:殴る、蹴る激しく揺さぶる、やけどを負わせる、縄などにより一室に拘束するなど
性的虐待:子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触るまたは触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなど
ネグレクト(育児放棄):家に閉じ込める、食事を与えない、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
心理的虐待:言葉による脅し、無視、兄弟間での差別的扱い、子供の目の前で家族に対して暴力をふるうなど

 次に「ケイ事件」という虐待に関する事例を紹介したいと思います。
 ケイは生後8ヶ月の時、母親がおむつに膿がついていたと訴えて以降、細菌性尿路感染症の診断で複数の医師から他種類の抗生物質を繰り返し処方されていましたが、症状は改善せず、逆に副作用で発疹、発熱等を併発してしまいました。6歳になった頃も原因不明の血尿は改善してもしばらくすると再発するということを繰り返していました。原因究明のため、レントゲン検査、バリウム浣腸等、ケイにとって苦痛や恐怖を感じる検査がおこなれましたが、異常は見つかりませんでした。ケイの母親は子どもの病気を心配して熱心に看病し、医師や看護師、他の母親と楽しげに話し、治療に対しても拒否せず積極的に求めていました。
 一見すると、この母親は「子ども思いの熱心なお母さん」というイメージが湧きますよね。実は、この中にも虐待が隠れていたんです。なんと、この病気はこの熱心な母親が作り出していたんです。母親がケイの尿として提出した血尿の赤血球と母親の赤血球が一致していました。つまり、ケイの尿に自分の血液を入れて、病気を作り出していたということです。
 信じられない様なことですが、実は珍しいことではなく、子どもに病気を作り、かいがいしく面倒を見ることにより自らの心の安定を測る虐待で、「代理ミュンヒハウゼン症候群(以降、MSBP)」といいます。
 
 MSBPは、現段階ではまだ未解明な部分が多く、はっきりとした原因は分かっていませんが、幼少期におけるトラウマや家庭環境が関係するものと考えられています。MSBPの患者は、過去にミュンヒハウゼン症候群(周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、自らの体を傷付けたりするといった行動 )を患っていることが多いそうです。ミュンヒハウゼン症候群になる原因もはっきりとは分かっていませんが、幼少期から満足な愛情を与えられずに育ってきて、たまたま病気や怪我になった時に親から優しくされたり、周りから同情や注目を浴びた経験が快感や癖となってしまうことが多いようです。ミュンヒハウゼン症候群の患者が親となると、今度は自分の代わりに子供を利用して悲劇のヒロインを演じたり、称賛や評価を得ようとするのです。医療や看護経験者の場合は、豊富な医学的知識を用いて病気を捏造したり、自らが第一発見者となって適切な処置をし、手柄や社会的地位を得る場合もあります。どれも目的は自分自身や子供を傷付けることではなく、歪んだ承認欲求を満たそうとするものです。

 MSBPの患者は、一見すると子どもを献身的に看護する親に見える上に、医学的知識も豊富で多くの医師も騙されてしまうため、周囲が見抜くのは非常に難しいです。幼い子どもは訴えることが出来なかったり、家庭にどこまで踏み込むのかの判断も難しいため、周りからは状況が把握しにくいです。しかし、子どもの病気が治っても同じような受診を繰り返したり、複数の病院を転々とするといった特徴にいち早く気づいて、注意していくことで発覚しやすくなります。MSBPは不審な点を追求されると病院を転々と変える傾向がある為、他機関で協力して経緯を追っていくことが重要になります。また、母親本人が自身のMSBPの為に相談機関へ赴くということは珍しい為、周囲の気付きが必要になります。周りに原因不明の病気や怪我を繰り返す子どもがいたり、何か不自然な点があれば、病院や児童相談所などに連絡してください。

カテゴリー: 201609, 心理室より | 児童虐待と代理ミュンヒハウゼン症候群 はコメントを受け付けていません。

院長より

 沖縄はすでに梅雨明けとなりましたが、名古屋はまだ梅雨の真っ最中です。急に発達した積乱雲によって、局所的な大雨となり、大きな被害をもたらす場合もあり、今年も注意が必要です。特に今年はまだ台風が発生しておらず、このような年は複数の台風が同時期に発生する傾向があるそうで、こちらも注意が必要です。そしてこの時期は寒暖の差が大きいので、自律神経のバランスが乱れやすく、精神的にも不安定になりやすいので、ご注意ください。もし身体や心の不調をお感じになった際には当院にてご相談ください。

 まもなく参議院選挙です。今回の選挙から18歳以上に選挙権が与えられ、すでに一部の若者が「自分たちの未来を大人が勝手に決めるな」と期日前投票を行ったとの報道もありました。政治家は選挙に参加する人たちの方を見て仕事をします。社員をまとめて参加しようとする企業、同じく参加者をまとめる様々な組合やそのことを知っていて投票に行く高齢者などです。自分たちの未来を自分たちで決めるために、積極的に投票に行って欲しいと思います。
 イギリスがEUから脱退するとの国民投票結果が世界中を震撼させました。日本でも株価の急落、日本円の高騰など経済の先行きに暗雲が立ちこめています。しかし、脱退に賛成票をいれた人たちが後悔し始めているとの報道や、結局脱退しないのではとの意見も出てきており、まだまだ目が離せません。脱退したらこうなると描かれた世界がバラ色ではなさそうだと気付き、再投票を要求している国民がかなりいるそうです。なにも変わらない小さなものかもと思っていた自分たちの1票が世の中を変えることにつながると世界中の人が実感した出来事でした。この経験を踏まえ、これからもしっかりと目を見開いて正しい選択をして投票に行こうと思いますし、皆様もぜひそうしてください。

 この6月から電子カルテを変更いたしました。操作になれないため、ご不便をおかけしているかと思いますが、使いこなせれば有益な情報を提供できるカルテとなりますので、しばらくの間ご容赦ください。
 
 また2年前から予約診療優先システムを取り入れさせていただきましたが、最近では7、8割の方が予約してくださっています。そのため待ち時間はかなり短縮しましたので、おおむね好評をいただいておりますが、もし不具合があればその度に見直していきますので、遠慮なくご指摘ください。よろしくお願いいたします。

カテゴリー: 201607, 院長より | 院長より はコメントを受け付けていません。

レジリエンス

 みなさんはストレスというとどんなイメージをもつでしょうか?悪いものというイメージをもっている方も多いと思います。確かに、強いストレスがかかると、気分の落ち込みや不眠など、心身に不調がでることもあります。しかし、ストレスがかかった時、心身に不調が出て落ち込んでしまう方もいれば、心身に不調が出てもそこから立ち直り、そのストレスを糧として成長していく方もいます。
 ストレスのない人生はありません。また、ストレスがあるから人は成長していけるのです。今回は、ストレスを減らすのではなく、ストレスの持つ力に着目し、成長の糧とする考え方を紹介します。

レジリエンスとは

 レジリエンスとは、「逆境や困難、強いストレスに直面した時に、うまく適応する過程や能力、その結果」と定義されています。レジリエンスが強い人は、不測の事態や環境変化にも対応する力が強いと言われています。レジリエンスを高めることで、自信が高まり、必要以上に不安にならなくなります。また、積極的に物事に取り組めるようになり、より自分らしく生き生きとした生活を送ることが出来るようになります。
 では、レジリエンスの高い人はどんな人で、高めるためにはどのようなことが有効でしょうか。

レジリエンスの高い人の特徴

1. 前向きに希望をもっている
 自分の未来に良いことがあるという前向きな気持ちを持ち、目標のために自分は頑張っていると思える、など、前向きな気持ちをもつことができる。

では、このような前向きな気持ちをもつためにはどのようにしたらよいでしょう。
(1)自分ならやれるという感覚をもつこと
 「自分ならできる」という思いを持ち、苦手なことにも取り組んだり、得意なことにさらに取り組むことで、「うまくできたという体験(成功体験)」を積み重ね、自信をつける。
(2)サポーターを作る
 積極的に他者と交流し、助けてくれる人を作っておく。助けてしてくれる人は誰なのかすぐに思い出せるようにしておく。

2. 感情をコントロールできている
 動揺しても気持ちを落ち着かせることができる。気持ちが落ち着かない時に、自分なりの方法でで気持ちを切り替えることができる。

では、感情をコントロールするにはどのようにすればよいでしょう。
(1)気分の動揺やマイナスの感情も、それは自然に起こることだと受け止める
 生きていれば、動揺したり、気持ちが沈み込んだりすることは誰にでもあります。それが自然なことだと受け止めるようにしましょう。
(2)マイナスのことを何度も考えることで、悪いスパイラルに入りこんでしまう流れを止める
 悪いことを何度も考え続けると、さらに落ち込んでしまいます。「適度な運動」や、「趣味(音楽を聞く、旅行に出かけるなど)」、「呼吸法などのリラクゼーション」、「誰かに相談をする、話しをする」、「思ったことを紙に書いて表面に出す」、など、気分を切り替える方法を身につける。

3. 色々なものに興味関心をもっている
ものごとへの興味関心が強く、好奇心をもって色々なことにチャレンジしたいという気持ちをもっている。大変な出来事もそれに価値があるという考え方をできる。

では、このような気持ちをもつためには、どのようなことをするとよいでしょう
(1)興味関心の幅を広げてみる
 自分が興味関心をもったものに積極的にチャレンジしてみる。
(2)これまで苦手、無理だと思っていたことにも、まずは挑戦してみる
 苦手だ、出来ないと思ってやらずにいたことに、挑戦してみるとよいでしょう。無理はしなくてもよいですが、上手く出来ないと思っていたことでもやってみると意外と楽しく、価値を見いだせることもあります。
(3)これまで頑張ってきた出来事を振り返り、プラス(よい)意味を考えてみる
 これまでに、頑張って続けてきたこともあると思います。その出来事を振り返り、その中からどんなよいことがあったのか、プラスになる意味を考えることで自分の考えの幅も広がります。

以上のように、レジリエンスの強い人の特徴と、そのような行動を取るための方法をいくつかご紹介しました。とはいえ、これはいくつもある方法の中の一部に過ぎません。
あなた自身が、「自分なりに生き生きと生活できる何か」を見つけていくことが重要です。
生活の中で、これをやったら「気持ちが楽になった」「気持ちを切り替えられた」「不調から脱出できた」という出来事を見つけて、実践してみましょう。

カテゴリー: 201607, 心理室より | レジリエンス はコメントを受け付けていません。