院長より

今年もまもなく年末を迎えようとしております。あっという間の一年でした。10月下旬はかなり暑い日があったかと思うとその夜や翌日は冷え込みました。このような寒暖の差が激しい時期は自律神経に過剰な負荷をかけますので、動機やめまい、立ちくらみなど自律神経失調症状が悪化しやすい時期でもあります。症状でお困りの際はご相談ください。

 今年もインフルエンザワクチンの予防接種が始まっています。もう接種あるいは予約をされましたでしょうか。今年は安定供給されそうですが、例年の10%減との情報もありますので、なるべく早めに接種、あるいは予約されることをお勧めします。また、接種後に免疫が作られるのには一ヶ月ほどかかりますから、そのことからもなるべく早く接種しておいたほうがいいと思います。まだの方は早急にご検討ください。

前回ご案内した遺伝子の検査を試しに受けてみました。
消化器癌ができていると増える血液中の白血球の中にある特定のRNA量を調べる検査、
身体が癌ができやすい状態になっているかどうかを細胞外遊離DNAの濃度で調べる検査、
認知症の前段階、軽度認知障害(MCI)の時低下する蛋白質の量を調べる検査、
脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを調べる検査、
様々な加齢遺伝子の発現量を調べることで免疫年齢を求める検査、
体質に影響を与える複数の遺伝子を調べることで様々な遺伝的なリスクを調べる検査
などです。いずれも特に問題はありませんでしたから、当分の間、皆様の健康を守る手伝いはできそうで一安心です。現在の身体の状態をチェックする従来の人間ドックと比べ、癌の超早期診断や各種疾病の将来リスクも含め知ることができる遺伝子検査は疾病予防にもつながる有用な検査と考えますので、ご検討ください。なお詳細は院長までお問い合わせください。

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マインドフルネス

日常生活の中で、ついつい嫌なことを考えてしまうこと、ありませんか?
「なんであの時、あんなことを言ってしまったんだろう」
「もっとこうすれば良かった」
「仕事でやってしまったミスが気になって眠れない」
「来週の会議のことが不安で、頭から離れない」
上記の例は、過去の失言や失敗、それに対する後悔、未来の出来事への不安です。どれも全て、“過去の出来事”や“未来の出来事”に心が囚われてしまっている状態です。このような状態から現在に意識を向けることによって、心の苦しみを断ち切る方法の1つに、マインドフルネスがあります。

 「マインドフルネス」は、認知行動療法の一つとして発展した心理学的技法ですが、元々は仏教の座禅からヒントを得ています。心理学や脳科学、医学といった観点から、マインドフルネスの方法・効果は科学的に検証されており、うつ病や不安障害、精神心理的なストレスに対する有効性が示されています。

 「マインドフルネス」とは、「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」「なお、“観る”は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である」と定義されています。(日本マインドフルネス学会による定義)
この定義を簡単にまとめると以下のようになります。
1.今この瞬間の出来事に
2.積極的に・意識的に
3.評価をしないでありのままに
この3つを押さえつつ、体験に注意を向ける事が重要なポイントになります。

マインドフルネスの実践―レーズンエクササイズ―

「マインドフルネス」の方法の1つである「レーズンエクササイズ」をご紹介します。
レーズンエクササイズを行う際に必要な物は、“レーズン1粒“と“静かに集中できる環境”です。
※レーズンが苦手な方は、クランベリーなどの乾燥果物、ナッツやくるみといった手でつまんで食べられるようなもので代用できます。
手順
1.まずはゆったりとした姿勢で座る
 椅子や床などに、ゆったりとリラックスできる姿勢で腰掛けます。
2.まずはじっくり観察してみましょう
 レーズンを一粒手のひらに載せます。そのレーズンを生まれて初めてみるもののように、意識を集中してよく観察します。
「どんな色でしょうか?」「形はどのように見えますか?」
十分に目で観察したら、次は指で触って感触を探ってみましょう。
「かたいでしょうか?柔らかいでしょうか?」「ベトベト?ザラザラ?」
次に、臭いを嗅いでみましょう。
「どんな臭いがしますか?」
3.レーズンを食べてみましょう
 はじめは口の中に入れるだけです。その後コロコロと舌の上で転がします。
「どんな食感がしますか?」「もしかしたら唾液がでてきているのを感じ取れるかもしれませんね」
次に、ゆっくりと噛んで味わってみてください。
「どんな味がしますか?」

 以上が、レーズンエクササイズの手順になります。初めは、10~15分くらいかけて、ゆっくりと行ってください。「今、ここで、体験している感覚(五感)」に意識を向け、気づくことができるようになることを目標としています。このエクササイズをしている間は、過去・未来に囚われることなく今に意識が向いていることと思います。このように、徐々に今に意識を高めていきましょう。
 レーズンエクササイズは非日常的なことかもしれませんが、日常の中でも、「マインドフルネス」につながるきっかけや手がかりを作っておくのも良いと思います。どうしてもぼんやりしてしまう日でも自分に意識を向けれるように、例えば、食事中であれば、箸を休める度に一噛み一噛み味わって食べるという目標を思い出すようにしたり、職場で1時間毎に意識的に休憩を挟んだりといったことです。

ぜひ、「今この瞬間に感じる感覚に意識を集中」してみてください。

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院長より

 最近不安定な天気が続いています。ゲリラ豪雨や8月末の迷走台風が東日本に上陸し猛威を振るうなど、全国各地で様々な天災が発生していますが、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
また、不安定な気候の影響を受け、自律神経も乱れやすい時期です。皆様の体調はいかがでしょうか。ご自愛の程、よろしくお願いいたします。

 まもなくがんや認知症、糖尿病や高血圧ほか各種の遺伝子検査を始める予定です。まだ保険適応されていないので、自費による検査となりますが、わずかな血液や唾液だけでできる検査なので、身体への負担はほとんどありません。遺伝子検査と言っても、将来リスクつまり素因を持っているかどうかだけでなく、現在がんを発育させる遺伝子が発現しているか、発育を阻止する遺伝子が壊れていないかなどを調べますので、超早期診断も可能で、予防医療が可能になることが期待されます。未来の医療を経験してみませんか。詳細は医師までお問い合わせください。

 今年もインフルエンザワクチンの接種時期が近づいてきました。今年度も特に大きな変更はなく、ワクチンも順調に入荷する予定と聞いておりますが、詳細は職員までお問い合わせください。また、現在愛知県内では市町村の枠を超えて、各種ワクチン接種が可能となっており、当院もその主旨に賛同し、名古屋市外に在住の方への接種が可能となっております。ご希望の方は遠慮なく職員までお問い合わせください。

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児童虐待と代理ミュンヒハウゼン症候群

 近年、テレビで児童虐待に関するニュースを多く見かけますね。先日、名古屋市北区でも児童虐待による死亡事故があったのをご存知でしょうか。近年全国的に児童虐待は増加傾向にあり、平成24年度では児童虐待相談件数が66701件、児童虐待による死亡事例が85件にもなりました。虐待というと、暴力や育児放棄を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。虐待は大きく以下の4つに分類することができます。
身体的虐待:殴る、蹴る激しく揺さぶる、やけどを負わせる、縄などにより一室に拘束するなど
性的虐待:子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触るまたは触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなど
ネグレクト(育児放棄):家に閉じ込める、食事を与えない、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
心理的虐待:言葉による脅し、無視、兄弟間での差別的扱い、子供の目の前で家族に対して暴力をふるうなど

 次に「ケイ事件」という虐待に関する事例を紹介したいと思います。
 ケイは生後8ヶ月の時、母親がおむつに膿がついていたと訴えて以降、細菌性尿路感染症の診断で複数の医師から他種類の抗生物質を繰り返し処方されていましたが、症状は改善せず、逆に副作用で発疹、発熱等を併発してしまいました。6歳になった頃も原因不明の血尿は改善してもしばらくすると再発するということを繰り返していました。原因究明のため、レントゲン検査、バリウム浣腸等、ケイにとって苦痛や恐怖を感じる検査がおこなれましたが、異常は見つかりませんでした。ケイの母親は子どもの病気を心配して熱心に看病し、医師や看護師、他の母親と楽しげに話し、治療に対しても拒否せず積極的に求めていました。
 一見すると、この母親は「子ども思いの熱心なお母さん」というイメージが湧きますよね。実は、この中にも虐待が隠れていたんです。なんと、この病気はこの熱心な母親が作り出していたんです。母親がケイの尿として提出した血尿の赤血球と母親の赤血球が一致していました。つまり、ケイの尿に自分の血液を入れて、病気を作り出していたということです。
 信じられない様なことですが、実は珍しいことではなく、子どもに病気を作り、かいがいしく面倒を見ることにより自らの心の安定を測る虐待で、「代理ミュンヒハウゼン症候群(以降、MSBP)」といいます。
 
 MSBPは、現段階ではまだ未解明な部分が多く、はっきりとした原因は分かっていませんが、幼少期におけるトラウマや家庭環境が関係するものと考えられています。MSBPの患者は、過去にミュンヒハウゼン症候群(周囲の関心や同情を引くために病気を装ったり、自らの体を傷付けたりするといった行動 )を患っていることが多いそうです。ミュンヒハウゼン症候群になる原因もはっきりとは分かっていませんが、幼少期から満足な愛情を与えられずに育ってきて、たまたま病気や怪我になった時に親から優しくされたり、周りから同情や注目を浴びた経験が快感や癖となってしまうことが多いようです。ミュンヒハウゼン症候群の患者が親となると、今度は自分の代わりに子供を利用して悲劇のヒロインを演じたり、称賛や評価を得ようとするのです。医療や看護経験者の場合は、豊富な医学的知識を用いて病気を捏造したり、自らが第一発見者となって適切な処置をし、手柄や社会的地位を得る場合もあります。どれも目的は自分自身や子供を傷付けることではなく、歪んだ承認欲求を満たそうとするものです。

 MSBPの患者は、一見すると子どもを献身的に看護する親に見える上に、医学的知識も豊富で多くの医師も騙されてしまうため、周囲が見抜くのは非常に難しいです。幼い子どもは訴えることが出来なかったり、家庭にどこまで踏み込むのかの判断も難しいため、周りからは状況が把握しにくいです。しかし、子どもの病気が治っても同じような受診を繰り返したり、複数の病院を転々とするといった特徴にいち早く気づいて、注意していくことで発覚しやすくなります。MSBPは不審な点を追求されると病院を転々と変える傾向がある為、他機関で協力して経緯を追っていくことが重要になります。また、母親本人が自身のMSBPの為に相談機関へ赴くということは珍しい為、周囲の気付きが必要になります。周りに原因不明の病気や怪我を繰り返す子どもがいたり、何か不自然な点があれば、病院や児童相談所などに連絡してください。

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