院長より

例年であれば7月初旬はまだまだ梅雨の真っ最中ですが、今年の名古屋は雨が少なく、今にも梅雨明け宣言が出そうです。関東地方は史上初らしいですが、6月29日に梅雨明け宣言がでた模様です。しかし、全国的にはあちらこちらで大雨警報や雷警報がでています。急に発達した積乱雲によって、局所的に大雨をもたらし、大きな被害をもたらすことがあり、注意が必要です。そしてこの時期は寒暖の差が大きく、自律神経のバランスが乱れ、精神的にも不安定になりやすいので、身体や心の不調をお感じになった際にはご相談ください。
この原稿を作成中、新聞紙面の大見出しの多くはサッカーワールドカップについてです。私自身スポーツ観戦にはあまり興味がありませんが、これだけ大騒ぎだと目に入ってきます。監督交代や若手とベテランどちらを中心に采配するのかが、今回は勝敗と共に話題になっているようですね。
昨年の7月号でも話題に出した首相のお友達問題ですが、1年経っても決着はついておらず、それに加えて朝鮮半島の和平ムードの高まりからか支持率が上がり、総裁選に勝利しそうな雰囲気になっているようです。これでいいのでしょうか。さらに来年には愛知県知事選挙、春には統一地方選挙、そして参議院選挙が予定されています。ムードや雰囲気ではなく、この国の将来を見据えて行動してくれるリーダーや代弁者を選びたいものです。そのためには選挙における我々の行動が必要だということを皆が理解し、投票率を上げることが重要になってきます。選挙にはぜひ行きましょう。

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震災時の心理と行動

 H30年6月18日に大阪府北部を震源とする、最大震度6弱の大きな地震が発生しました。また、東海地方でも、東海地震や南海トラフ大地震が30年以内にかなりの確率で発生すると言われています。日頃から地震への備えが大切ですが、災害が発生したとき、人はどのような心理状態に陥り、とっさにどんな行動を取るのでしょうか。
 イギリスの心理学者ジョン・リーチ氏の研究によると、災害の際にとる行動は、3つの行動パターンに分けることができます。
1.落ち着いて行動できる人(10~15%)
2.パニックに陥り、我を失って泣き叫ぶ人(15%以下)
3.呆然として何もできない状態になってしまう人(70~75%)
大多数の人が発災時にショック状態に陥り、呆然として何もできない状態に陥っていまします。これを「凍りつき症候群」と言います。突発的に災害や事故の直撃を受けたとき、脱出や避難できるチャンスが十分にあるにもかかわらず、避難が遅れて犠牲になる主な要因は、目の前で経験したことのない事象が急激に変化・展開することについていけず、脳の認知的情報処理機能のプロセスが混乱し、自己コントロールを失ってっしまうことになるもので、脳の空転状態のため、思考は停止または反対にとりとめなく拡散して焦点が定まらない状態になってしまいます。その結果、心、身体、行動が凍りついた状態になって凝結してしまいます。

避難を遅らせる心理状態
 大震災のような危機的状況に陥ると、以下のような行動心理が働きます。
1.正常性バイアス
2.愛他行動
3.同調バイアス
1.正常性バイアス・・・「自分は大丈夫」と考えてしまう
 社会心理学や災害心理学で用いられる用語で、人間が予期しない事態に対峙した時に、「ありえない」という先入観や偏見が働き、物事を正常の範囲内だと自動的に認識する心の働きのことです。何かが起こるたびに反応していると精神的に疲れてしまう為、人間にはそのようなストレスを回避するために自然と脳が働き、心の平安を守る作用が備わっています。しかし、この働きの度が過ぎてしまうと、本当に危険な場合でも、それを異常と認識せず、避難などの対応が遅れてしまうことになりかねません。
2.愛他行動・・・他人を助けたいという気持ち
 他者に利益をもたらす自発的な行動で、外的報酬を期待せずに、他者の利益や福祉の為に、自発的意図によって行う行動のことをいいます。特に災害時には、危険な状況にある人を助けようとする心理が強くなります。「今この人を助けないと、この人は死んでしまうかもしれない」と思うと、自分の身の危険を考えなくなってしまい、助けるという行動に集中してしまいます。実際に、東日本大震災では、愛他行動によって津波に飲まれ、命を落とした犠牲者がたくさんいたそうです。
3.同調バイアス・・・周りに合わせようとする心理
 他人と違う行動をとっていると、間違ったことをしているのではないかと不安になることがあります。そこで、周りの人と同じ行動をとることで安心を得ようとします。このような心理状態が同調バイアスです。東日本大震災でも、「避難していない人が大勢いるから、自分も非難しなくて大丈夫だ」と思い、津波にのまれた人も多くいたそうです。

 このような心理状況があるということを知っておくことも、災害時の避難に役立つのではないでしょうか。また、災害時の避難の対策として、避難3原則というものがあります。
1.想定にとらわれるな
2.その状況下において最善を尽くせ
3.率先避難者たれ
 率先避難者とは、身近に危険の兆しが迫っているとき、あるいは危険情報に接したときに、その危険をイメージし、「自ら率先して危険を避ける行動を起こす人」、そして、その行動によって「周囲の人にも同様の行動を促し、危険回避行動を起こさせる人」と言います。自らが率先避難者となることで、自分自身の安全を守り、同時に周囲の人を危険から逃れさせることが出来ます。
 最初に述べたように、この地方でもいつ大地震が起きてもおかしくない状態です。震災に向けて物理的な備えはもちろんですが、今回の大阪の自信を機に、自分は震災が起きた時にはどんな心理状況になり、どんな行動をとるか考え、もしもの時に想定にとらわれずに自らが率先避難者になれるように心がけてみてはいかがでしょうか。

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院長より

 2年に一度の診療報酬改定がこの4月に行われました。今回もいろいろと複雑化したこともあり、疑義解釈が4月になってから出されるなど、その運用に混乱が生じています。頭でっかちの役人が現場を知らずに、どの点数をどうするとどれくらい医療費がかかるかとか節約できるとか、けっして医療現場や患者さんの合理性、利便性を向上させるものではなく、経済面のみから考えたのではと噂されるほど理解しづらい変更もあります。走りながら考え、修正すると言う介護保険導入時に言われたことが医療の世界でそのまま続いているようです。国の大事な施策を結果がどうなるのかをきちんと検証しないままはじめてしまっていいのでしょうか。また結果がどうなったかの検証も行われていないのです。始める前と結果とをきちんと検証し、次の改定に役立てて欲しいものです。
 政府と官僚の不祥事が続いています。国民の信頼をこれでもかと裏切り続けていますが、どう解決されるのでしょうか。私たちが再度国を信用することができるようになるのでしょうか。現政府は社会保障費を抑制するために、軽い症状での受診では定額の負担追加を求めるとか、薬剤の自己負担増とか様々な負担増を検討していますし、何度か延期はされましたが、来年秋には消費税増税も予定されています。国民第一の仕事を政府や官僚がしてくれていると思えば負担増もやむを得ないと受け入れられますが、今のような自分たちの方しか見ていなさそうな政府や官僚の施策を支持できますでしょうか。信頼を取り戻す努力を強く求めたいと思います。

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梅雨時期の憂うつ気分の原因と対策

温かい気候になりここ数日は夏日も多いですね。もう少ししたら梅雨の時期に突入します。梅雨時期は雨が多くて気分も落ち込みやすいですよね。憂うつになるのには原因があったんです。

1.自律神経の乱れ
梅雨の時期は天気が不安定で雨が降ったり晴れたりと気圧が急激に上がったり下がったりを繰り返します。気圧によって私たちの身体の自律神経は変化します。
高気圧→交感神経が活発化
低血圧→副交換神経が活発化

このように高気圧と低気圧では「交換神経」と「副交感神経」という全く違う自律神経が活性化し、身体に真逆の変化が起こります。気圧がめまぐるしく変化しやすい梅雨の時期はこのように自律神経の「交感神経」と「副交換神経」がぐるぐると変化するため、身体に負担がかかり体調を崩しやすいのです。また、自律神経は「体温を調整する働き」もあります。梅雨の時期は暑いと思って半袖でいると、急な雨や室内の冷房で逆に寒くなることがありますよね。自律神経にとっても「暑いの?寒いの?どっちなの???」と非常にストレスフルな環境になりやすいです。このような状態が長く続くと自律神経も混乱して疲れてしまい、上手く機能しなくなってしまいます。

2.日光不足
梅雨の時期は雨が多く、太陽の光を浴びる時間が短くなります。人は太陽の光に当たることで「セロトニン」という脳内物質を作り出します。「セロトニン」は人に安らぎを与え、心身を安定させる力があります。ぽかぽかの天気の日に日光浴をすると幸せな気分になりますよね。梅雨の時期は太陽があまり出ないため、セロトニンが不足し、憂うつな気分になりやすいです。

では、梅雨時期をどう乗り切ったらいいのか?対策を紹介します。

1.衣類の調整を行う
自律神経は暑さと寒さが急激に変化することで狂いやすくなります。暑い時は半袖、寒い時には長袖と暑さに合わせた服装を心掛けましょう。

2.身体を温める
梅雨時期には雨や冷房で身体が冷えやすいので、身体を温める対策が有効です。
・お風呂はシャワーだけではなく、湯船にしっかりと浸かる。
・エアコンの温度を低くし過ぎない。
・身体を動かし適度な運動を行う。
・冷たいジュースやアイスを食べ過ぎない。
・毎朝、温かいお茶やスープを飲む。

3.日光浴を行う
梅雨の時期は雨が多く、太陽が出ている時間が少ないです。雨が上がり、晴れている間は積極的に外に出て日光を浴びるようにしましょう。日光を浴びて幸福感を感じる「セロトニン」をいっぱい作りだしましょう。

心もからだも季節の変化と上手く付き合っていくことが大切になります。対策をしても憂うつな気分が続いたら、「これくらい大丈夫」と思わず早めにご相談下さい。

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