2010年11月

今年もいよいよ年末を迎えようとしております。今年は例年より暑い日が続いていましたが、あっという間に寒くなり、例年よりも早く木枯らしが吹いたようで、過ごしやすい季節があっという間に終わってしまった気がします。
 今年もインフルエンザの予防接種が始まっていますが、もう接種は終わりましたでしょうか。新型と季節型が一緒になったワクチンで、今年は一回ですみますし、接種後に免疫が作られるのに一ヶ月ほどかかりますので、11月中には接種しておいたほうがいいと思いますので、まだの方はお早めにご検討ください。
 名古屋市長と市議会との対立はまだ続き、集めた署名の疑義照会のため、かなりの費用と期間をかけるという状況になってしまいました。大事な署名ですからきちんと確認することも必要ですが、チェックされるほうとしては気に入らないでしょうね。実際私の周りにも何度も署名したとか、回覧板のように署名用紙が回ってきたとかのルール違反が疑われるような集め方をしている話はありました。リコール運動に若者の半数が賛成しているとの報道がありましたが、これこそ市会議員の活動が見えないというイメージだけで判断している結果なのでしょう。これは年金問題でも言えることで、払い損になるとのイメージが先行し、不払い問題が起こりましたが、払った保険料以上の年金が受け取れるよう設計されていることはご存知でしょうか。このようなイメージだけで物事を判断しようとすれば判断ミスを起こします。これがなくても、来年春には市会議員選挙がありますし、その先にも各種選挙があるわけで、その度に皆様にはイメージだけで判断せず、いろいろと情報を集め、冷静な判断のうえで、投票行動に望んでいただきたいと思います。

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2010年11月

モラル・ハラスメント
 最近、企業の「新卒切り」という言葉をテレビなどでよく耳にするようになりました。4月の入社時期の前後、内定している学生や新入社員がパワハラまたは理不尽な要求をされ、退職を迫られることをいいます。
そこで、職場におけるハラスメントについてお伝えしたいと思います。職場におけるハラスメントに、「パワー・ハラスメント」、「セクシャル・ハラスメント」、「モラル・ハラスメント」があります。その中の「モラル・ハラスメント」について、今回は取り上げます。職場のモラル・ハラスメントは、「言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることである」と言われています。
具体的には、居づらい雰囲気にさせるなどの精神的ないじめ・嫌がらせ等を指します。周りからは些細なことのようにみえる行為でも、繰り返し行われることで、想像以上の精神的苦痛をもたらします。「無視をする」「理不尽な扱いをする」「見下す」「否定する」など、ひとつの行為自体は他人から見たら些細なことであるため、周りの人に理解してもらえないと感じたり、または「自らの性格の問題」とされてしまうこともあります。何を言っても、加害者から否定されることが続くと、いつのまにか自分の感覚に自信が持てなくなり、「自分自身の感覚が信じられなくなる」ということも起こるかもしれません。何をしても、居づらい雰囲気に追い込まれてしまうモラル・ハラスメントの場合、それがハラスメントであるということに気がつかずに、いつのまにか自分の感覚がおかしくなってしまっています。
長期にわたるモラル・ハラスメントのストレスによって、多くの被害者の方が、徐々に、自律神経の乱れをきたし、心身のバランスを崩してしまい「不眠症」「胃痛」「生理不順」「過食」「食欲不振」「髪が抜ける」といった心身症、そして、「うつ病」や「神経症」の精神疾患を経験しています。その結果として、休職や退職に追い込まれてしまうこともあります。
思い当たることがある方は、一人で抱え込まずに医療機関にかかるなどされてみてはいかがでしょうか。

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2010年11月

肺炎球菌ワクチンの助成制度がはじまりました
前年度までは完全自費での接種となっていた肺炎球菌ワクチンですが、平成22年10月1日より、65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの助成制度が始まりました。肺炎球菌にはたくさんの種類があり、今回接種が進められているワクチンで全ての肺炎を予防することはできませんが、肺炎の原因になりやすいとされる23種類について有効とされています。現在、日本人の死因のうち第4位に位置づける肺炎は、65歳以上の方では年間では約10万人が亡くなっています。死因別死亡確率(主要死因):厚生労働省HPより記載

予防接種の効果の持続については個人差がありますが、通常5年間は有効であると考えられています。副反応としては、接種部位の疼痛、発赤、腫脹や発熱、頭痛等が報告されていますが、これらの症状は軽く、通常数日中に消失します。また、重大な副反応として、アナフィラキシー様症状や血小板減少、急性神経根障害などが稀に現れることがあります。
助成の対象者は以下の方です。
(1)名古屋市に住民登録または外国人登録のある方
(2)65歳以上の方
(3)過去5年以内に肺炎球菌の予防接種を受けていない方

接種の自己負担額は¥4000ですが、生活保護世帯の方や市民税非課税世帯に属する方は自己負担の免除制度もあります。免除を受ける為には、生活保護世帯の方は区役所民生こども課で生活保護受給証明書の取得を、非課税世帯の方は保健所で市民税非課税確認書を取得して接種を受ける医療機関の窓口に提出してください。

肺炎は、糖尿病や腎臓病等、他の持病などによって免疫力が低下している人がかかると重症化したりするケースも少なくありません。感染症の予防に関して、予防接種が果たす役割は極めて大きいものです。予防接種を受けるということは、自分自身が病気に罹らず健康でいられるようにするのと同時に、 家族や友人等周囲の人々の健康を守ることにもつながります。
風邪に罹からない為にうがい手洗いをするように、予防接種も身近な病気の予防の一つとして考えてみてくださいね。

【補足】
高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種に先駆け、任意接種ではありますが平成22年2月より小児用の肺炎球菌ワクチンの接種はすでに始まっています。
対象年齢は生後2ヶ月以上~9歳以下の小児で、接種時期は生後2~3か月ころから、4週間以上の間隔で3回。1歳を過ぎたら(12~15か月)4回目を接種するとされています。任意の予防接種の為、高齢者の接種のように半額の助成制度があるわけではありませんが、肺炎球菌は赤ちゃんの命に関わる感染症の原因菌のひとつの為、世界各国ではすでに約100カ国で接種され、大きな効果をあげている予防接種です。

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2010年9月

 昨年は真夏日が少ない比較的過ごしやすい夏と言われておりましたが、今年は10月まで暑い日が続く年となるそうで、熱中症で救急搬送される方も多くなりそうです。汗をかいたら水分補給や塩分補給を忘れないでください。

 日本学術会議会長、金澤氏が、「ホメオパシーを「科学の無視」「荒唐無稽」と指摘し、「ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、時には命にかかわる事態も起こりかねない」「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されており、それを『治療効果がある』として治療に使用することは厳に慎むべき行為」である」との会長談話を公表し、日本医師会会長・日本医学会会長もこれに賛成するとの見解を出しました。長妻大臣もこれを含めたいわゆるホリスティック医療を検証するとの発言をしており、本当に効果のある治療なのかが科学的に検証され、怪しげな民間療法が淘汰される良い機会になりそうです。

 さて現在、市議会を思うがままにコントロールし、独裁体制を作ろうとしている市長が呼びかけている署名運動の真っ最中です。予算を削減しないで、減税をすれば収入が足りなくなるので、未来の子供たちの借金となる市債を発行することになります。それを続ければ将来その借金を返すために増税をすることになり、結局皆が苦しむことになります。自分の思いつきを実現するために子孫に借金を負わせていいのでしょうか。予算を削減するにも無駄の排除だけではたいして削減できないのは国の事業仕分けで明らかです。事業を減らせば市民サービスの質や量が低下します。サービスを維持しながら借金を減らす方法を市議会に提示し、話し合っていくことこそ大事なことではないでしょうか。
名古屋市の将来をよくお考えください。

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