2011年3月

表皮剥離を起こす高齢者が増えています
<表皮剥離とは?>
 年をとると、どうしても皮膚が薄くなってしまいます。表皮剥離とは、高齢者のような皮膚の弱い方に多く見られる症状です。本人の記憶にないほどの衝撃でぶつけたり、こすれたりしただけで皮下出血が出たり、皮膚がめくれてきたりします。桃の皮がぺろっと剥けてしまうようなイメージです。 実際には、寝返りを打った時に腕が布団にこすれて表皮剥離を起こしたり、転倒時に体が地面に擦れて起こすこともあるようです。
 最近では、介護の現場でもよくみらています。車椅子からベットへの移乗援助の際に皮膚が擦れてしまい、表皮剥離ができる場合もあれば、着替えの際に手首をだそうとして袖口を引っ張った際に袖口のゴムとの摩擦程度で生じることもあります。原因としては皮膚の弾力性が失われたこと、皮下脂肪が薄くなった為クッションの役割になるものが失われてしまっていること、皮下を走る毛細血管が弱くなるなどの要因が重なり、発生します。

<表皮剥離になってしまった場合>
 皮下出血だけの場合は患部にガーゼをあて、その上から包帯を軽く巻いて保護しておきましょう。もしも皮膚が破けてしまったら、めくれた皮膚を無理に引っ張って取ったり、血液を拭くために強くこすったりせず、めくれた皮膚をなるべく元の位置に戻し、そのまま濡れたガーゼで覆って病院を受診してください。もしすぐに受診できなければ、濡らしたガーゼかハンカチを固く絞り患部にあてて、めくれた皮膚が乾燥しないようにしましょう。なるべく長く放置しないで病院に受診してください。感染さえ起こさなければ、問題なく治ります。
 
<予防>
 表皮剥離は、移乗、移動時などに体をぶつけたりこすったりしてしまい、起こっていることが多いようです。剥離が何度も同じ箇所にある方は、原因は何なのか知ることも大切です。例えば、トイレや入浴時などに角に体をぶつけてしまうという場合にはクッションになるような物(スポンジ等)を取り付けて衝撃を少なくすると良いかと思います。

<気をつけましょう!>
 市販の傷用の軟膏やパウダーは付けないようにしましょう。軟膏やパウダーのついた部分はテープが貼れなくなるので傷の固定が難しくなってしまいます。表皮剥離が起こった際には慌てずに対処しましょう。

カテゴリー: 201103, 病気・治療 | 2011年3月 はコメントを受け付けていません

2011年1月

あけましておめでとうございます。
 さて、今年はどんな年になるのでしょう。2月に愛知県知事選挙、4月に市会議員選挙になるはずでしたが、名古屋市長が突然辞任し、住民投票を求める署名が規定数を超えたために、愛知県知事と名古屋市長のダブル選挙に名古屋市会議員リコールを求める住民投票とが重なったトリプル投票になりそうですし、続いて市会議員選挙となる予定です。また、税収が減っている中、予算規模の拡大が続いている国政も先が見えない状況です。県知事、市長、議員ともどのような政治を行うのかで選ばれるべきで、決して人気投票ではありません。誰が首長になれば、自分たちの生活が改善するのか、町が栄えるのかで選ばれるべきであり、おもしろいから、何かしてくれそうだからで選ばれるべきではないと思います。「試しに一度ぐらいは」はやむを得ないでしょう。しかし二度目はいかがでしょうか。議会と話し合いを目指すのではなく、自分の政策を否定されたからと議会の解散を目指し、議会を自分の思うままに操ろうとは何という傲慢な姿勢なのでしょう。独裁者のように見える所業が支持される理由がわかりませんが、このようなことが続かないよう皆様の冷静な判断と対応をお願いしたいと思います。
 昨年はいろいろとワクチン接種が増えましたが、皆様もう接種はお済みでしょうか。今年はまた若干制度が変更になりました。国が制度を変えたことに名古屋市が速やかに対応したからですが、コロコロと変わってしまうのは困りものです。接種年齢も変更になっておりますので、不明な点は職員にお聞きください。

カテゴリー: 201101, 院長より | 2011年1月 はコメントを受け付けていません

2011年1月

仮面うつ病
「仮面うつ病」という言葉はしばしばマスコミによって取り上げられていますので、ご存知の方も多いかと思います。「仮面うつ病」という言葉は、950年代頃から使われ始めました。身体症状が精神症状を隠している(masked:仮面)という意味です。また、「抑うつのないうつ病」とも言われています。

うつ病の症状には、精神症状と身体症状があります。精神症状としては、睡眠障害、興味関心・意欲の減退、抑うつ気分、不安感、焦燥感などがあります。身体症状としては、食思不振、倦怠感、頭痛、肩こりなどがあります。うつ病では、精神症状と身体症状の両方が現れますが、その現れ方は人によって異なり、中には身体症状が強く出て、精神症状はあまり見られない人もいます。そのような状態のことを、うつ病の精神症状が身体症状という仮面を被っているようであることから、仮面うつ病と呼ばれています。仮面うつ病の人は身体症状により、内科を受診し、検査をするが異常がないということで治療ができない、または気休め程度の薬を処方されるということがあるようです。身体症状が気になり病院に通院しているが、特に異常がなく、症状に改善がない場合には、うつ病が潜んでいる、仮面うつ病の可能性があります。中には、「身体の病気だから精神科を受診する必要はない」と思われる方もいるかもしれません。仮面うつ病は、うつ病の形態の一つであり、その対処や治療法もうつ病と同じで、服薬と休養が必要となってきます。
うつ病になる人の特性として、真面目で頑張り屋な人が多く、精神的に疲れているということに気づかない人も多いようです。ですから、周りの方が変化や異変に気づいたり、無理をし過ぎているのではないかと感じられた際には、声をかけ休養を促したり、病院を受診するように勧めるようにしましょう。

カテゴリー: 201101, 心理室より, 病気・治療 | 2011年1月 はコメントを受け付けていません

2011年1月

生姜
 冬至も過ぎ、日に日に寒さも厳しくなってきました。そこで今回は、寒さに負けないように体を温める方法をご紹介したいと思います。
 今や女性に限らず、冷え性というのは日本人全体の悩みになってきていると感じます。冷え性の方というのは寒い外から帰ってきて暖かい部屋に入っても手足の指先が温まらないものです。全身を温めても手や足が冷えたままになりますので、体の他の部分は温まっているのに対して手足などが一向に温まらず、冷たく感じる状態です。寒い冬はもちろんですが、夏でも冷えが解消されません。また、夜なかなか寝付けなかったり、目が覚めてしまったりなどの症状が出ることもあり、さらに身体が冷えていることで腰痛などが起こることもあります。一口に冷え性と言っても、末端の冷えや足の冷えなど、人によって冷えを感じる部分や症状は異なってきます。そこで、体を温める方法のなかでも今回は、いま女性に大人気の「生姜」をご紹介します。生姜がブームになっているのはご存知でしょうか。生姜紅茶が一番有名ですが、生姜せんべい、生姜ココア、生姜青汁などもあるそうです。 生姜は、和食、洋食、中華など何にでも合い、お料理にも使いやすいので、ぜひお試しください。

 生姜を使った簡単レシピのご紹介
<はちみつ生姜紅茶>
 【材料】 ( 1人分 )
 生姜…一片
 紅茶ティーパック…1パック
 はちみつ…おおさじ1杯(お好みで)
 熱湯…180cc

 【作り方】
1.生姜をすりおろし、マグカップに入れる。(生姜は冷凍保存しておくと便利。1回分ずつすりおろしてラップで冷凍しても可。)
2.レシピ1のマグカップに紅茶ティーパックを入れて、熱湯を注ぐ。
3.お好みでハチミツを入れて、ティースプーンでかき混ぜる。
※ティースプーンでかき混ぜながら飲まないと、生姜がマグカップの底に沈殿してしまいます!

<はちみつジャム>
 【材料】
 生姜…2パック
 グレープフルーツの果肉…1個分
 グラニュー糖…250g
 水…500cc
 はちみつ…お好みの量

 【作り方】
1.生姜は、皮を剥きすりおろし、グレープフルーツも皮を剥き、果肉だけを使う。
2.はちみつ以外の材料を鍋に入れ、煮詰める。
3.水分が1/2位に煮詰まれば、甘さをみながらハチミツをお好み量加えて出来上がり。

 先ほどのはちみつ生姜紅茶も、このジャムを作っておけば簡単に飲むことができます。その他、調味料として豚の生姜焼きなどにも使えます。寒い冬を身体の中から温めましょう!!

カテゴリー: 201101, その他, 病気・治療 | 2011年1月 はコメントを受け付けていません