2010年11月

肺炎球菌ワクチンの助成制度がはじまりました
前年度までは完全自費での接種となっていた肺炎球菌ワクチンですが、平成22年10月1日より、65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの助成制度が始まりました。肺炎球菌にはたくさんの種類があり、今回接種が進められているワクチンで全ての肺炎を予防することはできませんが、肺炎の原因になりやすいとされる23種類について有効とされています。現在、日本人の死因のうち第4位に位置づける肺炎は、65歳以上の方では年間では約10万人が亡くなっています。死因別死亡確率(主要死因):厚生労働省HPより記載

予防接種の効果の持続については個人差がありますが、通常5年間は有効であると考えられています。副反応としては、接種部位の疼痛、発赤、腫脹や発熱、頭痛等が報告されていますが、これらの症状は軽く、通常数日中に消失します。また、重大な副反応として、アナフィラキシー様症状や血小板減少、急性神経根障害などが稀に現れることがあります。
助成の対象者は以下の方です。
(1)名古屋市に住民登録または外国人登録のある方
(2)65歳以上の方
(3)過去5年以内に肺炎球菌の予防接種を受けていない方

接種の自己負担額は¥4000ですが、生活保護世帯の方や市民税非課税世帯に属する方は自己負担の免除制度もあります。免除を受ける為には、生活保護世帯の方は区役所民生こども課で生活保護受給証明書の取得を、非課税世帯の方は保健所で市民税非課税確認書を取得して接種を受ける医療機関の窓口に提出してください。

肺炎は、糖尿病や腎臓病等、他の持病などによって免疫力が低下している人がかかると重症化したりするケースも少なくありません。感染症の予防に関して、予防接種が果たす役割は極めて大きいものです。予防接種を受けるということは、自分自身が病気に罹らず健康でいられるようにするのと同時に、 家族や友人等周囲の人々の健康を守ることにもつながります。
風邪に罹からない為にうがい手洗いをするように、予防接種も身近な病気の予防の一つとして考えてみてくださいね。

【補足】
高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種に先駆け、任意接種ではありますが平成22年2月より小児用の肺炎球菌ワクチンの接種はすでに始まっています。
対象年齢は生後2ヶ月以上~9歳以下の小児で、接種時期は生後2~3か月ころから、4週間以上の間隔で3回。1歳を過ぎたら(12~15か月)4回目を接種するとされています。任意の予防接種の為、高齢者の接種のように半額の助成制度があるわけではありませんが、肺炎球菌は赤ちゃんの命に関わる感染症の原因菌のひとつの為、世界各国ではすでに約100カ国で接種され、大きな効果をあげている予防接種です。

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