2003年9月院長より

先回お話ししたSARSやインフルエンザの予防に役立つ手洗いの実施は皆様続けていらっしゃいますでしょうか。幸いなことにまだ日本ではSARS患者は出ておりませんが、今年の冬に世界中でもう一度SARS騒動が起こることを心配する声があちこちであがっており、同時期に流行するインフルエンザと初期の段階で区別することは不可能とさえ言われています。その中で必要なことは手洗い等予防の励行であり、もう一つはインフルエンザの予防接種を行うことです。厚労省も例年より多くの予防接種を行う方が増えることを予想し、対策をしていてくれます。今まで見送っていた方も是非今年からはインフルエンザの予防接種を受けましょう。

 従来より当院は電子カルテを導入したりして、IT化を積極的に行ってきましたが、今回さらに貴重なデータをより効率的に利用するために新たにデータベースを構築しています。一定の間隔を開けて、繰り返し行った方が良い検査などを管理し、皆様にご案内できるようにしていきたいと思っております。これらの効果はなかなかすぐ分かるものではありませんが、皆様にとって有益なものとなることは間違いありません。楽しみにしていてください。

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2003年9月

健康な心の状態

 ストレスが多いと言われている現代、こころのケアという事に関心が向けられ、情報もたくさんあふれていますが、心が健康であるというのはどのような状態をいうのでしょうか。今回は健康な心の状態についてお話ししたいと思います。

 心が十分に解明されていないため、厳密に定義することは難しいことですが、心の健康を示すものとして以下のことが考えられるのではないでしょうか。

☆ 環境に順応し、そして、その環境をより良いものへ変えていこうとしている。
☆ 自分が自分自身をコントロールしている。   
☆ 自分らしい生き方を目指している。
☆ 自立を目指している。
☆ 心の中にあるものがまとまっている。
☆ 心の成長を感じられる。
 
自分自身を知るということは簡単なようでとても難しい事なのかもしれません。しかし、自分が感じている気持ちや考え方、こだわり、期待、行動パターンなど、自分自身を知るということが健康的な心へ向かう第一歩なのではないでしょうか。
時々考えてみてはどうでしょう。

☆ 必要以上に相手や自分を責めていませんか?
☆ 視野が狭くなり、悲観的になりすぎていませんか?
☆ 行動をコントロールし、相手や自分を傷つけることを制御できますか
☆ 自分が望んでいることは何ですか?
☆ 自分のペースを保てていますか?
☆ 自分と相手の関係を冷静に見、両立しようとしていますか?
☆ 相手に頼るばかりではなく 自分に頼れますか?
☆ プラス面、マイナス面を含め自分自身を受け入れられていますか?
☆ 外界の試練や心の中の葛藤と対決することができますか?
☆ 笑い、喜び、感動、満足感・・・心の栄養はありますか?

 相手を変えることは困難であり、過去を変えることはできないでしょう。しかし、とらえ方は変えることができるかもしれません。失敗があなたを豊かにしてくれることもあるかもしれません。現実をどう捉え、どう対処するかが心の健康につながるのではないでしょうか。

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2003年9月

活性酸素
【あなたの体、サビていませんか? 】

「体がサビる」という言葉を耳にしたことがありますか?私たちの身体の細胞を活性酸素が変質させ老化させることを鉄がサビることに例えたものです。鉄クギは半年、1年するとしだいに赤く錆びついてきます。また、りんごを半分に切ってしばらく放っておくと、切り口が赤茶色に変色します。つまり、こういう状態が我々の体内で起こっているということです。

「活性酸素」に関しては、最近テレビや新聞、雑誌等で頻繁に取り上げられているので多くの人が既にご存じかもしれません。活性酸素とは、人間が呼吸することにより体内にできる不安定な酸素で、他の物質とすぐに反応し、体外から侵入してきた細菌やウイルスを消去します。しかし、過剰の活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけたり、癌の一因にもなります。また、血液中では脂質と反応し、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の引き金にもなります。それに対し、体内で活性酸素による酸化を防ぐ作用が抗酸化作用です。抗酸化力とはその酸化を防ぐ力のことで、強ければ、活性酸素の酸化を防ぎ生活習慣病
予防につながります。

【食べてサビない体になろう!】
活性酸素は、私たちの身体の中で日常的に発生しています。それにもかかわらず私たちがすぐに具合が悪くならないのは、活性酸素を消去してくれる抗酸化物質が体内にあるおかげです。私たちの身体の中では絶えず活性酸素と抗酸化物質が戦っているのです。したがって、抗酸化物質を上手に取り入れればサビない体が手に入ります。 抗酸化物質を多く含む栄養素は緑黄色野菜、植物油、ナッツ類などの食材です。また、お茶や赤ワインのポリフェノールなどにも多くの抗酸化物質が含まれていることが知られています

【あなたのサビ度チェック】
あなたの日々の生活習慣が活性酸素を生んでいるかもしれません。
早速チェックしてみましょう。あてはまるものに○を付けてください。
1.外食が多く野菜や果物を食べない。
2.睡眠不足だと感じることが多い。
3.日差しの強い所や屋外で過ごすことが多い。
4.運動部に所属している、または激しいスポーツをしている。
5.住んでいる所は交通量が多く空気が悪い。
6.お酒が好きで飲酒量が多い。
7.タバコを吸う。
8.ストレスを溜め込みやすい。
9.ダイエット中だ。
10.毎日パソコンやOA機器と向かい合っている。
11.生活のリズムが不規則だ。           合計(  )個

いくつ○が付きましたか?さっそく結果を見てみましょう! 
9個以上→サビやすい生活です。急いで抗酸化パワーを取り入れましょう。
4~8個→活性酸素の影響はもう目の前。生活習慣を変え健康な生活を手に入れましょう。
3個以下→これからも身体をサビさせないために今の調子で頑張りましょう!

【サビない生活のための5つの提案】
①お酒はほどほどに
お酒はアルコール分解時に活性酸素を大量に発生させます。また肝臓はビタミンCを消費します。つまり、お酒を飲むとビタミン不足になり活性酸素を処理できなくなります。お酒は適量でやめるようにしましょう。
②タバコもほどほどに
タバコに煙には有害物質と活性酸素が含まれています。吸い込んだ活性酸素は血液にのって全身に運ばれます。もし可能ならば禁煙にチャレンジしてみましょう。
③自分なりのリラックス方法を探す
ストレスは脳に大きな負担をかけてしまいます。ストレスを感じたら好きな音楽を聴く、好きな場所に出かけてみるなどリラックスする習慣を身につけましょう。
④紫外線を避ける
紫外線は活性酸素を生じさせ、皮膚の表面だけでなく深い部分にも影響を及ぼし、皮膚を老化させます。日差しが強い時の外出には日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶったり、日傘をさすなどの一手間を忘れずに。
⑤無理なダイエットはやめよう
痩せるために油を使った食事を減らすと脂溶性のベータ・カロチン、ビタミンEなどが不足します。さらに、空腹状態はストレスを招いて活性酸素を増やす原因にもなります。バランスのよい食生活を心がけましょう。

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2003年9月

循環器疾患【虚血性心疾患】
【心筋梗塞症】
 心筋梗塞とは、冠状動脈が完全につまってしまい、心臓の筋肉に酸素と栄養がいかなくなり、その部分の壁の動きが悪くなってしまう病気です。心臓の壁の動きが悪くなるとポンプとしての力が落ちてしまいます。激しい胸痛、呼吸困難、冷汗、嘔気、嘔吐などの症状があります。危険因子として、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙、精神的ストレスなどがあります。
心筋梗塞になるとどうなるの…?

 心筋梗塞症を起こした直後は心臓の筋肉がもろくなっています。このもろくなった部分は、日が経つにつれて少しずつ硬くなり、1ヶ月ほどして固まっていきます。完全に固まるまでに3ヶ月程かかり、心筋梗塞症になった後の約一週間は、このもろい部分が破れないように安静にしていることが大切です。
また、心臓のもろくなってしまった部分の筋肉は動かなくなります。動かなくなった部分の大きさにもよりますが、健康な時に比べると心臓の動きは弱くなっています。そのためにも心筋梗塞症になった直後は、できるだけ安静にして、心臓に負担をかけないようにすることが大切です。

【心筋梗塞症の合併症】 

●不整脈…脈が飛んだり、乱れたり、一時的に遅くなります。

●心不全…心臓のポンプの働きが弱くなり、必要なだけの血液を送り出せなくなります。血圧低下、息苦しさ、むくみなどが出たりします。
 
●狭心症…胸が締め付けられるように痛くなります。しかし、心筋梗塞症の時の症状よりは軽く、持続時間もごく短いものです。

【狭心症】
 動脈硬化や血栓などで心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなると、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養がいきわたりにくくなります。急に激しい運動をしたり、強いストレスがかかると、心臓の筋肉は一時的に血液不足となり、主に前胸部、特に左腕や背中に痛み、圧迫感を生じます。これが狭心症です。 ニトログリセリンを舌下すると血液不足が改善され痛みがとれます。痛みの持続時間は数分から15分前後でニトログリセリンがよく効きます。

 狭心症の発作が起きた時は安静にするのが第一です。できれば静かに横になり、衣服を緩めて保温に気をつけます。いつ、どんな時に痛くなるかわかりません。外出する時は、常に舌下錠を携帯しておきましょう。

ただし、次のような時にはすぐに受診しましょう。
・今までにないひどい痛みの時

・薬を舌下しても30分以上痛みが続く時

・安静時にも痛みが起こる場合

受診する際には、いつ、何をしている時に、どれくらいの痛みが起き、薬の効果がどうだったか覚えておくことが大切です。

 

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