2003年11月

虚血性心疾患

日常生活の留意点

【1.運動について】
 一度詰まってしまった血管は元には戻りませんが、少しずつ運動することにより、詰まった血管の変わりとなる新しい血管ができてきます。
 そのためにも運動療法は必要です。食事をとる、排便をする、入浴をする、運動をするなどは一つ一つの動作だけでも心臓に負担をかけます。これらの動作を立て続けに行うと、心臓に大きな負担をかけ発作の起こりやすい状態になります。二重負荷を避けるようにしましょう。
 一つの動作を行った後は30分程休んで、その後次の動作を行うようにしましょう。
 また、薬を飲む前後は、薬の効果が十分に現れていない時です。
 この時も発作が起こりやすい状態になっています。薬を飲む前後1~2時間は動いたりせず安静にしていましょう。

【2.便通について】
便をする時にりきみすぎると、血圧を上昇させ、心臓に負担をかけます。便通を良くするためには、
★便意があるなしに関わらず時間を決めてトイレに行く習慣をつける。
★朝起きたらコップ一杯の水や牛乳を飲む(冷水は発作を誘発するおそれがあるので注意)
★お腹のマッサージをする。
★繊維の多い野菜をとる。
効果のない時は、医師に相談して便秘の薬を出してもらいましょう。
寒い夜、トイレに行く時は暖かくして下さい。

【3.入浴について】
お湯は39~40℃くらいの温めにし、長湯をしないようにしましょう。
また、寒暖の差を考慮して、脱衣所も含めて風呂場を暖めて入りましょう。
また、湯冷めしないよう気をつけましょう。

【4.嗜好品について】
たばこはこの際絶対やめましょう。
たばこが動脈硬化を招くことが確かめられています。
また、心臓の血管を収縮させ、血圧を上げることもあり、心臓に負担がかかります。
コーヒー、紅茶、緑茶のこれらにはカフェインが入っているため、心臓を興奮させる働きがあります。
しかし、適量は心身をリラックスさせる働きもありますので、飲み過ぎないようにすれば飲んでもかまいません。

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2003年9月院長より

先回お話ししたSARSやインフルエンザの予防に役立つ手洗いの実施は皆様続けていらっしゃいますでしょうか。幸いなことにまだ日本ではSARS患者は出ておりませんが、今年の冬に世界中でもう一度SARS騒動が起こることを心配する声があちこちであがっており、同時期に流行するインフルエンザと初期の段階で区別することは不可能とさえ言われています。その中で必要なことは手洗い等予防の励行であり、もう一つはインフルエンザの予防接種を行うことです。厚労省も例年より多くの予防接種を行う方が増えることを予想し、対策をしていてくれます。今まで見送っていた方も是非今年からはインフルエンザの予防接種を受けましょう。

 従来より当院は電子カルテを導入したりして、IT化を積極的に行ってきましたが、今回さらに貴重なデータをより効率的に利用するために新たにデータベースを構築しています。一定の間隔を開けて、繰り返し行った方が良い検査などを管理し、皆様にご案内できるようにしていきたいと思っております。これらの効果はなかなかすぐ分かるものではありませんが、皆様にとって有益なものとなることは間違いありません。楽しみにしていてください。

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2003年9月

健康な心の状態

 ストレスが多いと言われている現代、こころのケアという事に関心が向けられ、情報もたくさんあふれていますが、心が健康であるというのはどのような状態をいうのでしょうか。今回は健康な心の状態についてお話ししたいと思います。

 心が十分に解明されていないため、厳密に定義することは難しいことですが、心の健康を示すものとして以下のことが考えられるのではないでしょうか。

☆ 環境に順応し、そして、その環境をより良いものへ変えていこうとしている。
☆ 自分が自分自身をコントロールしている。   
☆ 自分らしい生き方を目指している。
☆ 自立を目指している。
☆ 心の中にあるものがまとまっている。
☆ 心の成長を感じられる。
 
自分自身を知るということは簡単なようでとても難しい事なのかもしれません。しかし、自分が感じている気持ちや考え方、こだわり、期待、行動パターンなど、自分自身を知るということが健康的な心へ向かう第一歩なのではないでしょうか。
時々考えてみてはどうでしょう。

☆ 必要以上に相手や自分を責めていませんか?
☆ 視野が狭くなり、悲観的になりすぎていませんか?
☆ 行動をコントロールし、相手や自分を傷つけることを制御できますか
☆ 自分が望んでいることは何ですか?
☆ 自分のペースを保てていますか?
☆ 自分と相手の関係を冷静に見、両立しようとしていますか?
☆ 相手に頼るばかりではなく 自分に頼れますか?
☆ プラス面、マイナス面を含め自分自身を受け入れられていますか?
☆ 外界の試練や心の中の葛藤と対決することができますか?
☆ 笑い、喜び、感動、満足感・・・心の栄養はありますか?

 相手を変えることは困難であり、過去を変えることはできないでしょう。しかし、とらえ方は変えることができるかもしれません。失敗があなたを豊かにしてくれることもあるかもしれません。現実をどう捉え、どう対処するかが心の健康につながるのではないでしょうか。

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2003年9月

活性酸素
【あなたの体、サビていませんか? 】

「体がサビる」という言葉を耳にしたことがありますか?私たちの身体の細胞を活性酸素が変質させ老化させることを鉄がサビることに例えたものです。鉄クギは半年、1年するとしだいに赤く錆びついてきます。また、りんごを半分に切ってしばらく放っておくと、切り口が赤茶色に変色します。つまり、こういう状態が我々の体内で起こっているということです。

「活性酸素」に関しては、最近テレビや新聞、雑誌等で頻繁に取り上げられているので多くの人が既にご存じかもしれません。活性酸素とは、人間が呼吸することにより体内にできる不安定な酸素で、他の物質とすぐに反応し、体外から侵入してきた細菌やウイルスを消去します。しかし、過剰の活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけたり、癌の一因にもなります。また、血液中では脂質と反応し、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の引き金にもなります。それに対し、体内で活性酸素による酸化を防ぐ作用が抗酸化作用です。抗酸化力とはその酸化を防ぐ力のことで、強ければ、活性酸素の酸化を防ぎ生活習慣病
予防につながります。

【食べてサビない体になろう!】
活性酸素は、私たちの身体の中で日常的に発生しています。それにもかかわらず私たちがすぐに具合が悪くならないのは、活性酸素を消去してくれる抗酸化物質が体内にあるおかげです。私たちの身体の中では絶えず活性酸素と抗酸化物質が戦っているのです。したがって、抗酸化物質を上手に取り入れればサビない体が手に入ります。 抗酸化物質を多く含む栄養素は緑黄色野菜、植物油、ナッツ類などの食材です。また、お茶や赤ワインのポリフェノールなどにも多くの抗酸化物質が含まれていることが知られています

【あなたのサビ度チェック】
あなたの日々の生活習慣が活性酸素を生んでいるかもしれません。
早速チェックしてみましょう。あてはまるものに○を付けてください。
1.外食が多く野菜や果物を食べない。
2.睡眠不足だと感じることが多い。
3.日差しの強い所や屋外で過ごすことが多い。
4.運動部に所属している、または激しいスポーツをしている。
5.住んでいる所は交通量が多く空気が悪い。
6.お酒が好きで飲酒量が多い。
7.タバコを吸う。
8.ストレスを溜め込みやすい。
9.ダイエット中だ。
10.毎日パソコンやOA機器と向かい合っている。
11.生活のリズムが不規則だ。           合計(  )個

いくつ○が付きましたか?さっそく結果を見てみましょう! 
9個以上→サビやすい生活です。急いで抗酸化パワーを取り入れましょう。
4~8個→活性酸素の影響はもう目の前。生活習慣を変え健康な生活を手に入れましょう。
3個以下→これからも身体をサビさせないために今の調子で頑張りましょう!

【サビない生活のための5つの提案】
①お酒はほどほどに
お酒はアルコール分解時に活性酸素を大量に発生させます。また肝臓はビタミンCを消費します。つまり、お酒を飲むとビタミン不足になり活性酸素を処理できなくなります。お酒は適量でやめるようにしましょう。
②タバコもほどほどに
タバコに煙には有害物質と活性酸素が含まれています。吸い込んだ活性酸素は血液にのって全身に運ばれます。もし可能ならば禁煙にチャレンジしてみましょう。
③自分なりのリラックス方法を探す
ストレスは脳に大きな負担をかけてしまいます。ストレスを感じたら好きな音楽を聴く、好きな場所に出かけてみるなどリラックスする習慣を身につけましょう。
④紫外線を避ける
紫外線は活性酸素を生じさせ、皮膚の表面だけでなく深い部分にも影響を及ぼし、皮膚を老化させます。日差しが強い時の外出には日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶったり、日傘をさすなどの一手間を忘れずに。
⑤無理なダイエットはやめよう
痩せるために油を使った食事を減らすと脂溶性のベータ・カロチン、ビタミンEなどが不足します。さらに、空腹状態はストレスを招いて活性酸素を増やす原因にもなります。バランスのよい食生活を心がけましょう。

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