2003年11月院長より

皆様、インフルエンザの予防接種は受けられましたか?今年の冬はいったん沈静化したSARSの再燃と日本上陸が懸念されています。そのSARSと初期症状が類似しているインフルエンザの流行を押さえることはSARSの蔓延を防ぐことにもつながるため、特に今年はインフルエンザの予防接種を受けることが強く推奨されております。もしまだ迷っていらっしゃるなら、ぜひ接種を受けるようお勧めいたします。

また衆議院解散により、いよいよ11月9日に総選挙となりました。選挙は我々の声を政治の場に届ける最も有効な場ですから、投票することで国政に参加し、良い国、住んでいて良かったと思える国にしていきましょう。
現在、我が国の医療制度は皆保険制度と混合診療禁止という制度となっており、他の国と比較して、極めて安価でフリーアクセスの存在下でそれなりの質の医療を享受できています。しかるに小泉政府はじめ各党とも、単に財源がないという理由で、社会保障は最小限として、患者サービスの向上という
名目で、混合診療導入、株式会社参入を容認し、「自分の健康は自分で守る」という制度に変えようとしております。
そして低医療費政策により、医療の原価が確保出来なければ、医療の質は低下しますし、医療の国庫負担を圧縮して混合診療と株式会社を導入すれば、当然、社会保険外負担の際限のない患者負担増を招きます。それはアメリカで市場原理の医療で失敗しているごとく民間保険は契約料が高いわけですから、任意保険にはいれない方が増え、結局大部分の中産階級以下の方が、医療を受けられなくなります。自動車の任意保険でさえ3割の方ははいっておりませんから、より高額な医療保険にはいれる方はより少なくなるでしょう。
 最近、イギリスやカナダにおいて、医療費の増額が決議されています。より安心して住める国にすべく国民的議論が行われた結果です。我が国も米国の失敗や、イギリス、カナダの英断に学ぶべきで、世界に誇る皆保険制度を堅持して、混合診療を禁止、株式会社参入を排除して、医療にもっと投資をしつつ患者負担は極力少なくすべきです。つまり国が財源をもっと医療・福祉に投入し、老後を安心して過ごせる国にすべきだと考えます。このような考えを国政に反映させられるよう、投票を行っていただきたいと思います。

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2003年11月心理室より

焦りの心理

 イライラや不安を感じるときには「焦りの心理」が関係していることがあります。今回はその「焦りの心理」についてお話ししたいと思います。

【「焦りの心理」とは?】
 私たちは、挑戦しようと思ったことや求めていたものが一度うまくいくと満足します。しかし、その後さらに上のものを求めるようになります。今までと同じものでは満足できずに、より高い水準を求めるようになります。逆に、失敗が続くときには目標水準を下げて、自分の目標を下げて目標が達成できるようにします。そして「焦らない状態」にします。失敗ばかり続いているのに要求水準は高いままだと、何とか望みを叶えたいと焦るあまり、普段の自分では感じなかったイライラや不安が続くようになります。これが「焦りの心理」です。

【「焦りの心理」に影響するものは?】
 まずは、その人の性格にもよると思います。要求水準が高い人はどうしても焦りやすくなりますし、逆に要求水準が高くなくてすぐに満足できる人は、あまり焦るということはないでしょう。 それに加えて、焦りは集団、グループの影響も受けやすいと言われています。周りの人が焦ると、
どういうわけかその影響を受けて自分も焦ってしまいます。グループのみんながのんびりムードだと、いつもなら焦るような人ものんびりしてきます。「焦りの心理」は、集団の暗示を受けやすいのです。

【焦りをプラスに作用させよう】
 「焦りの心理」は、ときには人間を積極的にさせる役目も果たします。ですから、「焦りの心理」は、プラスに作用することもマイナスに作用することもあるのです。では、どうしたら「焦る心理」をプラスに作用させることが出来るのでしょうか?その方法は3つ考えられます。
①今の自分の考えや、しなければならないことを整理する。
②計画をたてて、目標の期限を作る。
③目標や夢を文章(スローガン)にして、壁に貼ったり、いつも自分で口ずさんでみる。
 
 まず、第1に、今何をしたいのか、何をしなければいけないのか、どんな夢を実現させたいと思っているのかを、じっくり考え直してみて下さい。それがはっきりしているときには、今、自分が欲しい、やってみたいと思っているものを箇条書きにしてみてください。書き出したら、それに順位をつけます。そして、順位の高いものから順番に片づけていくようにしてください。
 第2に、目標を決めたら、それをいつまでに実現させるか期限を明確にすることです。ただし、あまり短期間で実現させようとすると、かえって焦ります。自分の能力にあわせて期限を決めて下さい。
 第3に、あなたの目標を文章(スローガン)にしてみて下さい。その文章(スローガン)は、自分のやる気を高める役目を果たしてくれます。

 このような方法で、あなたの焦りをプラスに作用することができると思います。ぜひやってみて下さい。

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2003年11月

クエン酸で疲れを吹き飛ばそう!!
 
 ふと気づいてみたらカラダが重く感じる、そういえば疲れがたまっている感じがする。そういったことはありませんか?必要なのは食事のコントロール?運動?長期間の休暇でのんびりリラックスすることでしょうか?
 もちろん、それも有効ですが、実は大切なのは「クエン酸」かもしれません。クエン酸という言葉は一度は耳にされたことがあるかもしれません。クエン酸の働きを味方につけてカラダも気分もスッキリ、シャッキリさせてみませんか?

●疲れの犯人は?●
 疲れの原因は「乳酸」という物質だといわれています。乳酸は、炭水化物や糖などの栄養成分が体の中で燃やされた後に残った、いわば燃えかすのようなもので、効率の悪い不完全燃焼の後にたくさん残るといわれています。疲労のメカニズムに深く関わるために、「疲労物質」と呼ばれることも
あります。体内の乳酸の量が増えすぎると、体は本来の弱アルカリ性から酸性にバランスを崩してしまい、正常な機能を保つことができなくなります。それが疲労感の大きな原因になります。さらに、増えすぎた乳酸は筋肉に蓄積して、筋肉痛や肩こりなどの痛みの原因にもなります。つまり、疲労感を少なくするためには、この乳酸を体の中から取りのぞく必要があるのです。

●古来の智恵を拝借!●
 昔から疲れたときには酸っぱいものが良いとされてきました。スポーツの後にレモンの蜂蜜漬けをかじったり、遠足の時には梅干し入りのおにぎりを持って行ったり、食欲がない夏にはさっぱりとした酢の物を食べたりなど、みなさんも経験があるのではないでしょうか?普段何気なくやっているこれらの生活の知恵には実は科学的な根拠があります。
 これらの食材はすべて酸っぱいものです。この酸味の正体が「クエン酸」なのです。クエン酸は有機酸の一種で、体の栄養分を燃やしてエネルギーを生み出すクエン酸サイクルの中心的な存在です。胃や腸で消化された食べ物は、脂肪酸や糖質などに分解されて細胞に取り込まれ、クエン酸サイクルを経てエネルギーとなります。クエン酸サイクルは、いわば発電機のようなもの。システムがスムーズに働けば、たくさんの電力(エネルギー)を作り出すことができますが、システムが故障しうまく働かないと、うまく電力を作り出すことができずにトラブルが生じてしまいます。そして、このトラブルが生じる状態は乳酸が体に蓄積した状態によく似ています。
 その救世主がクエン酸で、クエン酸を補えば動きが鈍くなっていたクエン酸サイクルが再びスムーズに働き始めます。疲労物質である乳酸が分解され、食事で摂取したエネルギーも無駄なくエネルギーに変換されます。つまり、クエン酸には乳酸を除き、疲労を回復させる効果が期待できるのです。

●日常生活にうまくクエン酸を取り入れよう!●
 躍起になってクエン酸を摂取する必要はありませんが、食生活の欧米化が進む現代は、食生活も乱れがちです。ここで改めて、古来から続く日本の食事習慣を見直してみるのもいいかもしれません。例えば、食卓の上にお酢を使った料理をのせてみたりするだけで、食事のバランスが良くなりますし、さらに疲労回復にも効果ありと一石二鳥の効果が期待できます。
 また、お酢を使ったお菓子も自宅で簡単に作ることができます。

 『ヴィネガーキャンディー』(お酢を使った飴です)
 【材料】
 バター                大さじ2
 砂糖(あれば、グラニュー糖)   2.5カップ
 お酢(お好みのもの)        120cc
 シリコン加工した耐油紙、つまり、小さな紙のカップ
 *お酢は、リンゴ酢、玄米酢、バルサミコ酢など、何でもかまいません。
 【作り方】
①鍋(アルミ以外)にバターをいれ、溶かす。
②そこに砂糖とヴィネガーを加え、砂糖を溶かす。
③焦がさないように、粘りが出るまで、火を入れる。鍋のまわりは、はけに水をつけて、こびりつかないようにする。
④シリコン加工した耐油紙のカップに、流し込む。
⑤冷めれば、キャンディーは固まってカップから簡単に取り出せます。
  
 自分のお好みのお酢でオリジナルのキャンディーを作ってみて下さい。ただし、くれぐれもやけどをしないように気をつけて下さいね。
 ここに紹介したクエン酸の取り入れ方法はごく一部です。みなさんも自分なりにクエン酸を日常生活の中に取り入れて疲れ知らずの体を目指してみてはいかがでしょうか?

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2003年11月

虚血性心疾患

日常生活の留意点

【1.運動について】
 一度詰まってしまった血管は元には戻りませんが、少しずつ運動することにより、詰まった血管の変わりとなる新しい血管ができてきます。
 そのためにも運動療法は必要です。食事をとる、排便をする、入浴をする、運動をするなどは一つ一つの動作だけでも心臓に負担をかけます。これらの動作を立て続けに行うと、心臓に大きな負担をかけ発作の起こりやすい状態になります。二重負荷を避けるようにしましょう。
 一つの動作を行った後は30分程休んで、その後次の動作を行うようにしましょう。
 また、薬を飲む前後は、薬の効果が十分に現れていない時です。
 この時も発作が起こりやすい状態になっています。薬を飲む前後1~2時間は動いたりせず安静にしていましょう。

【2.便通について】
便をする時にりきみすぎると、血圧を上昇させ、心臓に負担をかけます。便通を良くするためには、
★便意があるなしに関わらず時間を決めてトイレに行く習慣をつける。
★朝起きたらコップ一杯の水や牛乳を飲む(冷水は発作を誘発するおそれがあるので注意)
★お腹のマッサージをする。
★繊維の多い野菜をとる。
効果のない時は、医師に相談して便秘の薬を出してもらいましょう。
寒い夜、トイレに行く時は暖かくして下さい。

【3.入浴について】
お湯は39~40℃くらいの温めにし、長湯をしないようにしましょう。
また、寒暖の差を考慮して、脱衣所も含めて風呂場を暖めて入りましょう。
また、湯冷めしないよう気をつけましょう。

【4.嗜好品について】
たばこはこの際絶対やめましょう。
たばこが動脈硬化を招くことが確かめられています。
また、心臓の血管を収縮させ、血圧を上げることもあり、心臓に負担がかかります。
コーヒー、紅茶、緑茶のこれらにはカフェインが入っているため、心臓を興奮させる働きがあります。
しかし、適量は心身をリラックスさせる働きもありますので、飲み過ぎないようにすれば飲んでもかまいません。

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