循環器疾患【虚血性心疾患】
【心筋梗塞症】
心筋梗塞とは、冠状動脈が完全につまってしまい、心臓の筋肉に酸素と栄養がいかなくなり、その部分の壁の動きが悪くなってしまう病気です。心臓の壁の動きが悪くなるとポンプとしての力が落ちてしまいます。激しい胸痛、呼吸困難、冷汗、嘔気、嘔吐などの症状があります。危険因子として、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙、精神的ストレスなどがあります。
心筋梗塞になるとどうなるの…?
心筋梗塞症を起こした直後は心臓の筋肉がもろくなっています。このもろくなった部分は、日が経つにつれて少しずつ硬くなり、1ヶ月ほどして固まっていきます。完全に固まるまでに3ヶ月程かかり、心筋梗塞症になった後の約一週間は、このもろい部分が破れないように安静にしていることが大切です。
また、心臓のもろくなってしまった部分の筋肉は動かなくなります。動かなくなった部分の大きさにもよりますが、健康な時に比べると心臓の動きは弱くなっています。そのためにも心筋梗塞症になった直後は、できるだけ安静にして、心臓に負担をかけないようにすることが大切です。
【心筋梗塞症の合併症】
●不整脈…脈が飛んだり、乱れたり、一時的に遅くなります。
●心不全…心臓のポンプの働きが弱くなり、必要なだけの血液を送り出せなくなります。血圧低下、息苦しさ、むくみなどが出たりします。
●狭心症…胸が締め付けられるように痛くなります。しかし、心筋梗塞症の時の症状よりは軽く、持続時間もごく短いものです。
【狭心症】
動脈硬化や血栓などで心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなると、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養がいきわたりにくくなります。急に激しい運動をしたり、強いストレスがかかると、心臓の筋肉は一時的に血液不足となり、主に前胸部、特に左腕や背中に痛み、圧迫感を生じます。これが狭心症です。 ニトログリセリンを舌下すると血液不足が改善され痛みがとれます。痛みの持続時間は数分から15分前後でニトログリセリンがよく効きます。
狭心症の発作が起きた時は安静にするのが第一です。できれば静かに横になり、衣服を緩めて保温に気をつけます。いつ、どんな時に痛くなるかわかりません。外出する時は、常に舌下錠を携帯しておきましょう。
ただし、次のような時にはすぐに受診しましょう。
・今までにないひどい痛みの時
・薬を舌下しても30分以上痛みが続く時
・安静時にも痛みが起こる場合
受診する際には、いつ、何をしている時に、どれくらいの痛みが起き、薬の効果がどうだったか覚えておくことが大切です。