2003年1月院長より

あけまして おめでとうございます。

昨年も一昨年と同様に、暗いニュースが続き、様々な負担金は増えるのに、年金などもらえるものは少なくなるなど、ますます先行きに不安を覚えるようになっています。今年はもう少し良い年になってくれればいいのですが・・・。
 さていよいよ来年度の政府予算案も出ましたし、名古屋市の予算案もそろそろ出てくるはずです。政府予算案は税収不足のため緊縮予算であり、名古屋市予算案も同様に厳しい状況が予想されます。特に福祉・医療分野への予算配分の締め付けが目につきますが、本来はこのような時ほど福祉・医療分野に予算を厚く配分するべきだと考えます。国民の福祉・医療分野への負担が減れば、将来への不安が減少し、消費するお金が増えます。そうすると、景気が良くなりますし、福祉・医療分野での雇用も増大します。その結果税収も増え、ますます福祉・医療が充実していきますから、国民皆が安心して生活できるようになるはずです。それなのに政府は全く逆の政策をとり、変えようとしません。何故過ちを正そうとしないのか理解できません。
 将来の日本を安心して暮らすことが出来る世の中にしていくよう、皆様方の力を貸してくださいますようお願いいたします。

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2003年1月

食べ物でからだを温める
寒さもいよいよ本番になってきました。こんな季節にこそからだの芯から温まりたいものですね。そこで、今回はからだをあたためる食べ物についてお話します。

【からだを温める野菜】
 野菜にはからだを冷やすものと温めるものがあるといわれています。たとえば、からだを冷やす野菜にはトマトやレタスなどの水分が多く生で食べる夏野菜が多く、これは夏の暑い時にほてったからだを冷やしてくれる作用があるといわれているからです。一方、からだを温める野菜にはダイコンやゴボウなどの根菜類や、長ネギ、唐辛子、ニンニク、ニラなどがあります。

【どうして野菜がからだを温めるの?】
 野菜にはそれぞれさまざまな成分が含まれていますが、その中で一つ例をあげてみましょう。たとえばビタミンCやビタミンE。ビタミンCは血液の主要な材料となる鉄分の吸収を促進し、毛細血管の機能を保持するはたらきがあるといわれ、またビタミンEには血行をよくするはたらきと体内ホルモンの分泌を調整するはたらきがあるといわれています。ですから、野菜に限らず、ビタミンCやビタミンEを含む果物や穀物、豆類などもからだを温める食べ物なのです。

【鍋をつくろう!】
 それではからだを温める食べ物を使って鍋をつくってみましょう。鍋の特徴は、煮込むこととスープも一緒に飲めることにあります。まず、野菜を煮込むことによって食物繊維が柔らかくなり、生で食べることよりもより多くの量を摂取することができます。またスープにはビタミンやミネラルが溶け出しているため、栄養価も高いのです。温かい鍋料理をつくってからだの中から温めましょう!

【あったかレシピ ~キムチ鍋~(3-5人分)】
●材料●
・キムチ(汁ごと)                           
・豚肉(バラ薄切り) 300g一口大   
・市販のキムチの素 適宜
・にんにく       1/2片
・みそ         大さじ1
・はくさい       1/4 ざく切り
・コチジャン      適量
・ニラ 2束
・大根         1/4本
・酒          大さじ2
・砂糖        大さじ1 1/2
・ にんじん      1/2本
・豆腐         2丁 
・ねぎ         1本
・ しいたけ      4~5個 
・えのき        1束 
・もやし        1袋
・はるさめ(乾燥)   40g

●つくりかた●
1.すりおろしたニンニクを一口大に切った豚肉につけておく

2.ハルサメは、水でもどして適当な長さに切る

3.800CCの水を入れ、沸騰したら豚肉を入れてアクをとる

4.酒、砂糖、キムチの素、みそ、コチジャンを入れ、大根、にんじん、えのき、しいたけ、はくさい、ねぎを入れる

5.豆腐、もやし、はるさめを入れて、ふたをして、しんなりしたらキムチをいれて、でできあがり

~ポイント~
・ニラは火がとおりすぎるとおいしくないので、最後に入れる。
・豆腐もあまり煮るとすがたってしまうが、あまり後に入れると水がでて味が薄くなるので注意。

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2003年1月心理室より

心理室より 摂食障害3    
 前回、前々回に引き続き今回も摂食障害についてお話したいと思います。
 今回は体、心への影響についてお話しします。

【考えられる体への影響】
・唾液腺の腫れ
過食が習慣になっていると食べ物が口の中に入っている時間が長いため、唾液腺が刺激されて腫れることがあります。また、嘔吐を繰り返すことでも唾液腺が刺激されて腫れることが考えられます。

・電解質のアンバランス
 胃液や腸液の中にはカリウムが含まれていますが、嘔吐や下剤を多量に服用することで多量のカリウムが体外へ流れ出てしまい、低カリウム血症になることが考えられます。そうすると筋肉の収縮に必要なカリウムが減ることで疲れやすく、倦怠感を感じることや心臓の筋肉の収縮にも影響を及ぼす為、不整脈などの症状も考えられます。

・歯のエナメル質侵食
 嘔吐を繰り返すことで胃酸が何度も口の中に上がるため、歯のエナメル質が溶け歯がボロボロになることが考えられます。

・低栄養に関係すると思われるもの ~低血圧、低体温、低血糖、貧血など~
 人間の体は放っておけばどんどん熱を放射してしまいますが、脂肪組織には断熱効果があり、適切なエネルギーの食べ物を摂取することで体温を保っています。体重が極度に減少することで脂肪組織の減少により熱が奪われやすくなっている一方、身体に入ってくるエネルギー量が低いため無駄な熱やエネルギーを使わないよう体温も低く、脈もゆっくりになっていることも考えられます。いわば冬眠中の動物のような状態になってしまうのです。
 過剰に食べ物を摂取すると、急激に血糖値が上がりますが、インシュリンが過剰に分泌されたり、吐いたりしてしまうため、結果低血糖になる事が考えられます。また、栄養が不足することで新しい赤血球が作られず貧血になることが考えられます。赤血球は酸素を全身に運ぶ役割があり、貧血が進むと疲れやすかったり、動悸がしたりすることが考えられます。

・無月経、無排卵
 女性ホルモンもは栄養状態や精神状態の影響を受けやすく、摂食障害で体重が減少したり、極端な低栄養状態が続いたり、精神的に不安定になったりすることでホルモン分泌に異常をきたし、無月経や無排卵になることが考えられます。

  
【心への影響】
 摂食障害抑うつ状態や不安感、イライラ、対人恐怖など精神面にも大きな影響を及ぼします。
 拒食症の場合、活動的で、痩せている事への自信などから気分の落ち込みを感じることは少ないようですが、過食症の場合、精神の不安定さを自覚しており、落ち込み、イライラ、不安感などが過食という行為に結びつき、その行為によって落ち込むといった悪循環が考えられます。体型に対する極端な考え方や、痩せなければならないというような強迫観念にとらわれてしまうなど心への影響も大きいと思われ、そういった精神状態の不安定さが食行動の異常を引き起こしているのかもしれません。

 摂食障害をきたす背景には様々な要因があり、摂食障害による身体への影響も軽視できません。単に”過激なダイエット”、”ダイエットの失敗”ではなく、自己のコントロールを失ってしまう病であると考えられます。また、摂食障害であることを自覚し、心と体が出しているSOSに目を向けることが回復への一歩であり、自分らしさを取り戻す一歩なのではないでしょうか。 

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2003年1月

リウマチ・膠原病 3
今回は治療法についてお話していきます。

 治療は、慢性関節リウマチとその他の膠原病で異なります。慢性関節リウマチでは、基礎療法・リハビリ運動療法・薬物療法・手術療法が行われます。薬としては、痛みを止める非ステロイド性抗炎症剤、リウマチの病気の基を抑える抗リウマチ剤が主として使われ時に少量のステロイド剤や免疫抑制剤が使われます。その他の膠原病ではステロイド剤が主体となり、活発な自己免疫状態を抑えるのに十分な量が使われます。時に免疫抑制剤も一緒に使われます。
 

慢性関節リウマチ
1.基礎療法・・・日常生活での注意点、全身および精神的な安静、適度な運動、保温、栄養管理、患者さんを始め家族や周囲の人々への正しい知識の普及などが含まれます。

2.薬物療法・・・薬剤によってリウマチの炎症と痛みを抑えこみます。内科治療の中心となるものです。非ステロイド性消炎鎮痛剤、免疫調節剤、ステロイド剤、免疫抑制剤などが用いられ、通常2~3種類の薬剤を組み合わせ寛解(リウマチの活動性がやむこと)へ導入していきます。

3.安静と運動療法・・・症状に応じた安静と運動のバランスが大切です。痛みの強いときは安静を第一に考えてください。徐々に運動量を増やすわけですが、その目安は3時間以上にわたる疲労を残さないことです。

4.手術療法・・・関節が破壊される前に炎症を阻止する滑膜切除術、破壊された関節におこなう関節機能再建術などがあります。

シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスに関しては、未だ原因療法は見出されていません。シェーグレン症候群の乾燥症状に対しては点眼薬が有用となり、その他に有効とされている薬はありますが、まだ日本では発売されていません。全身性エリテマトーデスは、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、免疫抑制剤、血漿交換療法等、これらの治療を組み合わせて治療計画を立てていきます。日常生活上での注意点は、強い日光を避け、再燃の誘引となり得る感染や外傷に注意することも必要です。

 リウマチや膠原病は原因のはっきりしない慢性の病気ですが、うまく薬で押さえ込んで再発させないようにすることができます。従って、ご自分の病気や現在の治療について薬の副作用も含めて正しく理解して下さい。再発症状に注意し、また自分勝手に薬を止めないようにしましょう。風邪や過労などの増悪因子を避けることも必要です。リウマチや膠原病は痛みなどで行動が制限され、患者さんにとっては大変な苦労があります。しかし、気持ちの持ち方で病状はいくらでも左右されます。「生涯病気に付き合っていこう」というくらいの気持ちを持って下さい。

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