2004年7月院長より

いよいよ夏本番となり、毎日暑い日が続いておりますが、エアコンの使いすぎと思われる夏風邪の方が増えてきました。外気温との温度差と直接冷気を体に浴びることがよくないと考えられています。暑い夏を乗り切るために現在なくてはならない文明の利器の一つですが、正しく賢く使っていきたいものです。

 さて、いよいよ参議院議員選挙です。皆様投票する政党、候補者はお決めになりましたでしょうか。今回の争点の一つは自衛隊派遣問題と年金問題ですが、現在行われている年金制度改革は、その後に続く介護、医療制度改革の始まりにしかすぎないとの声もあります。これは来年度、再来年度と立て続けに介護保険制度の見直しと医療制度の抜本改革が行われることを意味しておりますが、先日、財政制度等審議会の出した平成17年度予算編成の基本的考え方でも残念ながら医療、介護等の社会保障費は削減しか考えられておりません。油断をすると、特に財務省が入れたくてしょうがない公的保険の守備範囲の見直しや軽度医療の保険はずし、高齢者の別立て保険制度などが、今度の年金法案の時のように国民の導入反対の大合唱の中でもろくに審議もされないうちに、法案として成立していきそうで不安を感じています。これらを防げるためには選挙を通じて、皆様方の声を国政に届ける以外に方法はありません。正しく判断し、有権者の方は一人残らず投票に行ってくださいますようお願いいたします。

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2004年7月心理室より

ライフサイクル
 今回も前回に引き続きライフサイクルについてのお話しをしたいと思います。今回は「思春期」、「青年期」についてです。

●「思春期」
 思春期は急速に身体が成長する時期です。またこの時期は心も大人になるために急速に発達します。「自分はどんな人間なのか」ということを考えて、社会や仲間の中で自分作りをするため、自分自身を意識するようになります。

 例えば異性への関心が高まったり、周りの人の目を気にするようになったりします。誰にも干渉されることなく独立して何かをやりたいという気持ちが強くなるので(第二次反抗期)、両親や家族との結びつきより学校の仲間との結びつきが広がり、そちらの価値観を大事にするようになります。このような急激な発達は身体と気持ちのバランスを崩し、親に頼る気持ちと独立したいと思う気持ちがぶつかるなど、様々な心の動きが見られる時期だと考えられています。

このように思春期では、“大人の自分作り”を始めるために親以外の価値観を取り入れていきます。

●「青年期」
 この時期は思春期に親密な友人関係ができて、社会の中で自分ができる事や役割がはっきりして、“自分”が見えてくる時期です。進路や仕事など自己決定の岐路に立ち、様々な試行錯誤を行いながら“他の誰でもない自分”を探し、環境や周りの人たちが変化しても“私は私”と思えるようになるなど、社会との関わりの中で生きていこうとする姿勢ができてくる時期であると言われています。

 職業の選択や社会人としての知識や理解、態度を身につけていき、社会的な立場やライフスタイルが作られていきます。また、自分だけでなく大切な他者を守ろうという意識が高まり、結婚して新しい家族を築く準備をする時期でもあります。
 
 自分と他者という関係がキーワードとなる思春期、青年期では、仲間の中の自分や、社会の中の自分をあまりに意識し過ぎてしまって対人緊張が強くなったり、自分の臭いや外見が気になって外出できなくなったり、あるいは体重をひどく気にして過剰なダイエットをしてしまう場合もあります。
 自分の思うように周りの人たちと関われない時、「それは自分に何か欠点がありそのためにうまくいかない」と考えてしまうこともしばしばみられます。自分を獲得することに過剰になってしまうが為に、心理的な何らかの理由で学校を休みがちになったり、社会のルールに反発したり、激しい受験戦争を乗り越え大学に入学したが、無気力になり引きこもりがちになってしまうという特徴があります。また一人一人の性格特徴が明らかになってくる時期だからこそ、偏りが見えてきたりもします。

 この時期の不安定さは誰もが経験する一時的な気持ちの変動と考えられますが、一方では、様々な心身の障害が引き起こされやすい時期であるとも考えられています。このように思春期、青年期は、様々な場面で大きな変化が要求され、それとともに心にも大きな変化のある時期ともいえます。

 次回は「成人期」、「中年期」、「老年期」についてお話ししたいと思います。

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2004年7月

かき氷
 ムシムシ暑くなるこの季節。こんな季節に食べたくなるのはやっぱり“かき氷”という方も多いのではないでしょうか?。 今回は、そんなかき氷にスポットを当ててみたいと思います。

 かき氷といえば夏のポピュラーな食べ物の一つですが、地域によって微妙な違いがあることをご存じですか?それぞれの地方によって好みやシロップのからめ方が違うらしいのです。

●シロップのかけ方
 例えば、シロップのかけ方は、関東では器にシロップを入れ、その上に氷を入れるそうです。シロップが下からじわじわと染みてきて、氷の山の中腹あたりまで色がついたころが食べごろ。ところが、関西では氷の上にジャーツとシロップをかける店が多いそうです。そのほうがすぐに食べられて合理的だからなんだとか。さらに、九州では器の下にシロップを入れ、氷の上からもシロップをかけるという食べ方が一般的とか。このようにかき氷といえどもなかなか奥が深いようです。みなさんの食べているかき氷はどのようなものでしょうか?

 かき氷は日本だけのデザートではありません。台湾・フィリピンにも氷を使ったデザートがあるようです。世界のかき氷について紹介しましょう。

●台湾のかき氷
台湾のかき氷の一番の特徴はそのボリュームのようです!日本のかき氷とはちょっと違い、かき氷の上に、ナッツ、寒天、煮豆、煮芋、果物の シロップ漬、それからジャムなど、様々な具がたっぷりとトッピングされているんだそうです。

 今、台湾の人に一番人気のかき氷は、「マンゴーかき氷」。昔ながらの氷マシンでお皿に氷がふわふわと雪のように積まれ、その上に大きなサイコロ状のマンゴーとマンゴーアイスが乗り、その上から練乳をたっぷりとかけたものなんだそうです。 一皿NT100(約380円)は、台湾の生活物価と
比較すると決して安くは無く、マンゴーかき氷と同じ値段ならランチセットが食べられるぐらいなのに、大人気なんだとか。

●フィリピンのかき氷
 フィリピンの代表的なデザートに「ハロハロ」と呼ばれる、かき氷風のデザートがあります。某コンビニの夏のメニューとして毎年登場するので、ご存じの方や名前だけは耳にしたことがある方も多いかもしれませんね。このハロハロ、実はルーツは日本なんだとか。

 明治時代に日本から多くの出稼ぎ労働者が渡ったフィリピンでは、現在も日本の食文化の影響が見られます。ハロハロもその1つで、フィリピンに渡った日本人が売り歩いたかき氷がもとになっているんだそうです。しかし、日本のかき氷と、違うところは、あんみつの上にかき氷、そして果物、蜜豆、ナタデココ、ウベ芋のあんこ、アイスクリームなどがトッピングされているところです。食べる時はこれをよくハロハロ(かき混ぜるという意味)していただくそうです。たくさんの具がかき氷の上にトッピングされるところは、台湾のかき氷と似ていますね。次は日本のかき氷についてです。

●日本のかき氷
 日本のかき氷の一つに白いかき氷「白くま」があります。練乳がかかったかき氷にフルーツが入ったものです。今では、スーパーやコンビニなどでも見かけることが多く、たくさんのメーカーで作られているようです。この「白くま」、元々の発祥地は九州の鹿児島県です。今から約60年ほど前、鹿児島市内にあった綿屋さんが、夏の副業としてかき氷屋を営業しており、そこのメニューの一つとして登場したのが白くまだったそうです。

 しかし、なぜ「白くま」という名前がついたのでしょうか?その答えは、かき氷にかける練乳の缶に白熊印のシールが貼ってあったらしいのです。それがそのまま「白くま」の商品名になったそうです。

 この地方で氷と言えば、これかもしれません!今や伊勢路の夏の風物詩となっているものの一つに「赤福氷」がありますね。赤福氷とは、抹茶味のかき氷で、中に餡と餅が入っています。一般的な赤福とは違い、餡と餅は別々になっており、餅は赤福氷用の特製餅で、氷の中でも固くならないように工夫されているそうです。
 
 そんな赤福氷の歴史ですが、昭和36年7月、海水浴で賑わっていた二見浦にある赤福二見支店で「赤福アイス」として販売されたのが始まりだそうです。夏の暑さと海水浴で疲れ切った体は、冷たい氷やアイスが食べたくなる。そんな海水浴客のニーズに応えて、昭和36年7月15日に赤福二見支店で売りだされたのが「赤福アイス」(赤福氷の原型ともいえるもの)だったそうです。その当時はたったの80円だったそうです。現在の「赤福氷」の形になったのは、昭和40年の7月だそうです。これから夏本番ですが、暑い夏を冷た~~いかき氷で乗り切ってみてはいかがでしょうか?
 

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2004年7月

糖尿病
【運動療法】
 進行した合併症があったり、心筋梗塞などの心臓病があったり、運動をすることが適当でない何らかの理由がある方は別として、一般的に軽い糖尿病の場合は、適度な運動は非常に重要です。適度な運動をすると、筋肉の中のグリコーゲンが消費され、同時に血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれて血糖値が下がります。
 また、運動する事でインスリンの働きがよくなるので、ますます効果的にインスリンが働きます。さらに運動は、肥満の予防にも心肺機能の向上にも役立ちます。運動量は少ないと効果がなく、多すぎると体に悪影響をおよぼします。自分にあった適度な運動量を考えなければ行けません。

 運動療法は自分が最大に行える強さを100とすると、40~60位で行います。目安として、「少しキツイ」「少し息がはずむ」程度の強さが適当です。食後1時間から1時間半くらいの時間帯が運動をする理想的な時間といえます。この時間は食べたものが消化吸収され血糖値が高くなる時間帯でもあります。つまり、運動による低血糖症状を起こす心配があまりありません。とは言ってもこの時間帯に運動できる人は少ないかもしれません。

【まとまった時間が取れない人の運動の仕方】
1)通勤時間を利用して運動する
 サラリーマンの人はマイカー通勤を見直しましょう。2km以内なら歩いて通えます。3~5kmなら自転車がよいでしょう。また、公共の交通機関を利用すれば、駅やバス停までのウォーキングが可能になります。歩いて5分もかからないような場合は、一駅先まで歩いてみましょう。乗り換えのときの歩行や階段の昇降もよい運動になります。

2)買い物の時間を利用したウォーキング
 近所で買い物をするときは、外出したついでに少し遠回りをして、15分くらい歩いてからお店に行きましょう。

3)仕事で体を動かすことも、よい運動になることがあります
 身体を使って行う仕事は、場合によっては有効な運動療法になる事もあります。身体全体、特に脚を使って一定時間継続する仕事は運動療法として有効だと考えられます。

4)万歩計を利用し、1日1万歩を目標に
 一定の時間続けられなければ、こま切れ運動でも仕方がありません。運動の質はともかく運動量だけでも確保しましょう。万歩計をつけ、1日1万歩を目標に頑張ってください。

【薬物療法】
 薬物療法はあくまでも補助療法である。
 薬物療法には、大きく分けると経口糖尿病治療薬療法とインスリン療法の2つがあります。糖尿病の治療の中で薬物療法はあくまでも補助療法です。食事療法、運動療法で血糖のコントロールが不十分な場合に開始されます。

 ●経口糖尿病治療薬
 糖尿病は簡単にいえば、「インスリン足りない病」ですが、経口薬ではインスリンそのものを補充することは出来ません。経口薬の役割は、インスリンの分泌を促進する、糖の吸収を遅らせて食後の血糖値の上がり方をゆるめる、インスリンの効き目を良くする等、現状のインスリンを効率よく利用するために用います。

 ●インスリン療法
 インスリンは膵臓のβ細胞(インスリンを作る工場)から分泌され、血糖を下げてくれるホルモンです。食事療法、運動療法あるいは糖尿病治療薬の服用にもかかわらず血糖コントロール不十分な場合には、インスリン療法が必要になります。よく、「インスリン注射をするようになったら終わりだ」などと耳にしますが、そんなことは全くありません。糖尿病とは高血糖症候群であり、相対的にインスリンが不足した状態のことです。そのバランスをインスリン注射で補っているだけのことなのです。

 【薬局などでもらえるお薬手帳を活用しましょう】
 市販薬でも別の病院で処方された薬でも、飲み合わせをチェックしてもらえます。病院・薬局に行かれるときは常に持ち歩きましょう。
 

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