2006年7月

紫外線
 窓の外を見ると初夏の日差しが降り注ぎ、紫外線が気になる季節になりました。
【そもそも紫外線とはどんなものなのでしょうか?】
 赤外線や紫外線などの光は、波長によって分けられています。
・紫外線とは、波長が400ナノメートル以下のものです。 
・赤外線とは、波長が800ナノメートル以下のものです。

 赤外線はさらに、A波、B波、C波の3つに分けられます。ただ、C波は地上にはほとんど届きません。
【A波(UVA)】
 320~400ナノメートルの波長で、長波紫外線といわれています。エネルギーは弱めですが、じわじわと肌の奥へ浸透していきます。サンタン(皮膚が黒くなること)、コラーゲンの老化、光発ガンなどを引き起こします。雲を通過しやすいので、曇りの日でもUVAの照射量はあまり減りません。日光に含まれる量としては、B波よりもA波のほうが、10~100倍も多いといわれています。

【B波(UVB)】
 280~320ナノメートルの波長で、短波紫外線といわれています。エネルギーが強くて、サンバーン(赤くなってヒリヒリすること)を引き起こします。A波同様、コラーゲンの老化、光発ガンなども引き起こします。雲や窓ガラスなどで、ある程度はさえぎられるようです。

 紫外線というと気になるのがシミやそばかすです。そもそも、シミやそばかすはどうして生じるのでしょうか?
【シミ、そばかすの正体は?】
 シミ、そばかすの正体はともにメラニンの色素沈着です。シミは紫外線を浴びることが一番の原因ですが、妊娠中、生理中といった女性ホルモンのバランスの変化やストレスによってもできます。25歳をすぎるとできやすくなり、女性に多いのが特徴です。そばかすは、遺伝的要素も強く、シミと違い老年になるにつれ薄くなる傾向があります。
 紫外線を浴びると表皮中の基底膜にあるメラノサイトと呼ばれる所で作られたメラニンが表皮の細胞の中に送り込まれます。肌のターンオーバー(肌が周期的に新しく生まれ変わること)にしたがって肌の表面に近づいても、細胞の中のメラニン色素が黒く残ったままの状態で、肌の新陳代謝によってメラニンが排出されない状態になっています。外からは、この色素が黒くシミやそばかすに見えます。

【紫外線対策をして美白肌になろう!】
○自分に合った日焼け止めをこまめに塗りましょう。日常生活ならSPF10~20程度、紫外線の強い海などではSPF30以上を目安に、真夏のレジャーでもSPF50もあれば十分です。SPFの数値の高さだけを基準にするのではなく、ライフシーンに適したものを上手に選んでくださいね。また、日焼け止めは何より自分の肌に合うものかどうかが大切です!つけたときのなめらかさ、のびの良さなどの感触もポイントです。サンプルで確かめてみると良いでしょう。

○帽子や日傘、紫外線防止手袋などの小物を上手に活用してみましょう

○部屋の中でもカーテンをひいて直射日光を避けるようにしましょう。
 

カテゴリー: 200607, その他 | 2006年7月 はコメントを受け付けていません

2006年5月院長より

障害者自立支援法が施行され、一ヶ月が過ぎ、少し混乱が静まってきたようです。しかし、負担が増えたために、これまで受けてきたサービスが受けられなくなったとか、これからどうしていったらいいのか、などの不安を抱えた声が聞こえてきます。我々精神疾患に関わる医師は自立支援医療の診断書や意見書記載、障害区分認定審査会への参加等を通じて、皆様方を守る活動を日常診療に加えて行っております。お困りのことがございましたら、遠慮なくご相談ください。

 某県立病院の産婦人科医師が逮捕された件で、日本中の多くの医師から不当逮捕の声が上がり、逮捕された医師に対する支援活動が活発に行われていることはご存じでしょうか。癒着胎盤という稀でかつ救命困難な状況で、何とか赤ちゃんは助かりましたが、母親は残念ながら救命できませんでした。事故発生後一年近くたってから担当した医師が業務上過失致死と医師法違反で逮捕されたのです。ロボットとは違い、生きている人間はその構造や薬物への反応など、微妙に異なり、全く同一であることはまずありません。そのため全く同じ手順では手術は出来ませんし、注射や薬の投与にしても同じで、常に個体差等を意識しながら、試行錯誤を繰り返し、目の前の患者さんにとっての最善の方法を常に模索しながら日常の医療行為を行っているのです。このように本質的には不確実なものである医療行為に対し、結果責任を求めて業務上過失致死を適用することはきわめて不合理なことだと思います。もしこのようなことがちょくちょく行われるようになると、少しでも危険な医療行為は自然と医師が避けるようになりますので、助けられる命を助けようとしないなどという場面が生じてくるかも知れませんし、医学の進歩、技術の進歩は大幅に遅れ、その結果は国民皆の不利益となって返ってきます。現代の医療はまだ不確実な行為の積み重ねに過ぎないし、その中で、ほとんどの医師は各々の良心に従って最善の医療を提供しようとしていることを是非ご理解いただきたいと思います。

カテゴリー: 200605, 院長より | 2006年5月院長より はコメントを受け付けていません

2006年5月心理室より

集団の決定
 5月になり、新しい環境もなんとなく、だんだんと形作られてきたのでしょうか。今回は「集団の決定」についてお話しようと思います。“三人寄れば文殊の知恵”というように、たくさんの人で互いに考えを持ち寄りいろんな視点から問題を検討することですばらしい決定が生まれるのではないかと期待されることが多いようです。もちろんそのとおり、ということもたくさんあると思いますが、時に驚くような偏った決定がされることもあるようです。その例としてよく話されるのがケネディー大統領とその側近たちが決定したキューバ侵略の失敗です。とても優秀なメンバーがそろって決定した計画はずさんな点が多く3日で失敗したそうです。また、大勢でいるからこそ、本当はよくないことでもみんなでやれば怖くない、むしろ活気づいて正しいとも思えてしまうようなことも多かれ少なかれみんな経験があるのではないでしょうか。

そのような「偏った決定」がなされやすい条件としては、次の④つがそろう環境だそうです。
①集団の団結がとても強い
②他からの情報を得る機会が少ない
③対立する案を出して検討しない
④ストレス状況である

 このような環境の中で、メンバーは「自分たちは優秀であり失敗しない」と思って楽観的になったり、「敵は悪者である」などとステレオタイプ的に思い込んだり、「みんな同じように考えてる」という暗黙の了解が漂い疑問を口にしにくいような雰囲気に包まれ、なぜかそれを守ろうとさえしてしまうようです。しかし、本当にみんなそう思っていることなんてあるのでしょうか。本当は違うと感じていても、もっと良いすばらしいアイディアをひらめいていても、大勢の中でみんなと違う自分の意見を口にすることはとても勇気がいることだと思います。本当はそれがみんなをもっと幸せにするきっかけかもしれなくても。

このような偏った集団の決定を少なくするために、防止策として
①バスセッション法 - 集団をグループ分けして討論させて意見を持ち寄る方法。
②エキスパート法 - 外から専門家を招いて集団の決定に挑戦してもらう方法。
③デビルズ・アドボケート法- 多数意見を批判する役割を設けてその人に活躍してもらう方法 
④仮想敵想定法 - 自分たちの決定に対立する仮想のライバル集団の立場にたって批判や攻撃を加える方法。
などがあります。

つまり、異なる意見を意図的に持ち込もうとすることです。意図的に持ち込むこと自体が大切な工程のひとつとして組み込まれていることです。
 団結の強い集団は協力し合って暖かく、みんなでパワーをひとつにすることで何倍もの力を発揮できる可能性をもっています。その中に埋もれてしまうのではなく、その中の一員として自分の力を大発揮してグループに貢献してください。よりそのグループを好きになるかもしれません。

カテゴリー: 200605, 心理室より | 2006年5月心理室より はコメントを受け付けていません

2006年5月

緑茶
 温かな春の陽気を感じるようになりました。こんな日は「お茶」を飲んで一息ついてみるのもいいかもしれません。今回は、「緑茶」についてお話したいと思います。

【緑茶の効果について】
○美肌効果
 緑茶にはビタミンB、C、EやAが含まれています。特にビタミンCはメラ ニン色素の沈着を防ぐ働きがあり美白作りをしてくれます。またビタミンAは皮膚の 粘膜を健康に保つ栄養素です。にきびや吹き出物が気になる時には緑茶がひと役かってくれるかも?!

○口臭・虫歯予防
 緑茶にはフッ素が含まれていて、虫歯を予防してくれる働きがあると言われています。同時にカテキンの抗菌作用には口の中で増える細菌の繁殖を抑える効果もあるため、虫歯や歯周病を予防してくれます。そして緑茶の成分に含まれるフラボノイドがお口の口臭を抑えてくれます。

○肥満予防
 緑茶のカテキンは脂肪を効果的に燃焼させてくれます。このエネルギーは運動で消費されるので、運動前に飲むの効果的です。 

○ストレス解消
 緑茶のうまみ成分のテアニンにはリラックス効果があります。また、茶高炉で香りを楽しむ時間を持ったり、緑茶を入れほっと一息つくという行動がストレスを和らげる働きをしてくれます。

スーパーやコンビニでは多種多様なお茶が市販されていますが、時には自宅でゆっくりとお茶を入れてみるのも良いかもしれません!

【美味しいお茶の入れ方】
最近一般の水道水は、塩素臭が強いので、沸騰してから3分~5分ほど沸騰したままにしておくか浄水器などを使用します。(塩素臭味を無くすため) 
 
①人数分の茶碗にお湯を8分目ほど注ぎ冷まします。(70℃~80℃くらいに)温度が高いと、カフェインが、(苦味)溶出しやすいためです。

②湯冷ましをしている間に、お茶の葉を急須に入れます。1人分約2g(スプーン大盛で5人分ぐらいです)

③湯冷まししたお湯を急須に注ぎ、30秒位お茶が浸出するのを待ちます。浸出時間が長いと、カテキンの(渋味)浸出が多くなります、渋めのお茶がお好みの方は少し浸出時間を延ばしてみても良いでしょう。

③お茶を茶碗につぎます。一人一人の濃度が均等になる様に、廻し注ぎをします。(少しずつ順番に茶碗に注いでいくこと)。また、最後の一滴まで注ぎ切り、2煎目も美味しく飲めるように急須の蓋を少し開けておきます。2煎目はお湯を注ぎ、注ぎ分けてます。

【お茶の保存方法】
 お茶は湿気を吸収しやすく、匂いも吸収しやすいものです。お茶を買ったら涼しい所で保管し、茶缶などに小出しして使うのが良いでしょう。また、お茶を冷蔵庫で保管する時には、購入した際、真空パックされたものはそのままで保管しても良いですが、封を空けたものは、冷蔵庫に入れず
お早めに飲むほうが良いでしょう。冷蔵庫内の匂いを吸収してしまうためです。開封後の物を保管する時には、ビニールテープで密封してからにしましょう。

【緑茶を飲む際の注意点】
 ○就寝前には気をつけましょう
緑茶にはカフェインが含まれていますので、就寝前に濃いお茶を飲むと眠れなくなることもあります。ほうじ茶はカフェインやカテキンが少ないので、就寝前にはほうじ茶がお薦めです。

 ○薬は緑茶で飲まないようにしましょう
薬の成分が緑茶のタンニンと反応してせっかくの薬の効果が発揮されなくなってし まう可能性があります。また貧血の薬は鉄分とタンニンが反応して鉄を吸収しにくくしてしまいます。薬を緑茶で飲むようなことは避けましょう。

カテゴリー: 200605, その他 | 2006年5月 はコメントを受け付けていません