2006年9月

医療制度改革の実施について

高齢者負担増などを柱とした医療制度「改革」法案が今年の6月に成立しました。今回は、その法案の成立に伴って、今までと比べて何が変わるのかを簡単に解説したいと思います。

①医療機関における自己負担割合が変わる方がいます。
現役並みの所得のある70才以上の高齢者の方は、平成18年10月1日から今までの2割負担から3割負担へと変わります。現役並みの所得とは、月収28万円以上(課税所得145万円以上)の人を指します。自己負担増に関わる制度改定は、今年10月から実施のものと平成20年4月からの実施のものと2段階に分けられています。そのため、自己負担割合は以下のように変わります。

②高額療養費、高額医療費の自己負担限度額が変わります。
1月あたりの自己負担限度額を定めた70才未満の人の高額療養費、70才以上の高齢者の人の高額医療費がともに引き上げられます。
高額療養費・・・72300円+1% →80100円+1%
高額医療費・・・外来・個人 12000円 →据え置かれて12000円
・・・世帯 40200円 →44400円

何か不明な点は職員までお尋ね下さい。

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2006年9月

精神保健福祉士の紹介
初めまして 精神保健福祉士(ソーシャルワーカー) です。この度、当院にソーシャルワーカーが着任しました。

【ソーシャルワーカーって何する人?】
 患者さんひとり一人が、『自分らしく』生きていくため、生活していくためのお手伝いをすることがソーシャルワーカーの仕事です。
 具体的には、経済的な相談、社会参加、復職など、地域で暮らしていくために必要な様々な『困ったこと』について相談にのるという、あなたの問題解決の為の援助・支援を行っています。皆さんがより良い暮らし、より良い状況を保つことが出来ることを目指して、相談業務という形で、患者さんとご家族の方を支えていく仕事です。

【あれこれ指導されるの?】
 いいえ。
 改善するのは状況であって、あなたではありません。単に個人の側に問題があるとは考えません。様々な社会福祉サービスを利用することによって、
それまでと同様の生活を続ける事が出来るように、いろいろなサービスを組み合わせていきながら、生活の向上を目指します。

【相談するのに料金がかかるの?】
 いいえ。
 いつでも気軽に声を掛けて下さい。問題の解決の糸口を一緒に探していきましょう。

 良かったら、相談してみて下さい。ひとりで思い悩んでいるよりも、ソーシャルワーカーと一緒に考えてみると、違った方向が見えてくるかもしれません。あなたの望みや意見をちゃんと聴き、周囲の人たちに伝え、それらが実現出来るようにするために、ソーシャルワーカーがお手伝いします。
 

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2006年7月院長より

毎日暑い日が続いておりますが、外出時には水分補給に気を遣い、熱中症対策を怠りなきようお願いいたします。
 
 さて先日郵政民営化に伴って22%にも上る多数の郵便局にて集配業務を廃止するとの案が示されました。他の民間宅配業者等との競争が激化していくことになるからだとは理解できるのですが、本当に全国共通サービスを維持していくことが出来るのでしょうか?更に言えば郵政民営化なんて本当に必要なのでしょうか?もう少しで任期が終了する小泉政権ですが、ほころびがかなり目立つようになってきたと思います。効率化などを錦の御旗のように唱え、経済優先の政策を推し進めてきた小泉政権ですが、その時代の波に乗った「ホリエモン」や村上ファンドの代表者などが逮捕され、公正であるべき日銀総裁が村上ファンドに投資をし、一民間企業を応援したかったなどとお粗末な発言をし、窮地に追い込まれた事件があるなどモラルの低下を感じさせる出来事が次々と発覚している現状を鑑みるに、これらが経済至上主義の悪弊だと思うのですが、いかがでしょうか。

 最近医療関係者の中で「立ち去り型サボタージュ」なる言葉が話題になっていることはご存じでしょうか?極端な医療費削減政策やその他の要因のために、病院の医師が減少し、忙しくなった上に、売り上げを伸ばすことを要求され、ひとたびミスを犯すと逮捕されかねないほど荒んでしまった医療現場に絶望し、病院を辞めていくことで医療制度崩壊を後押ししているという意味で使われているようです。以前にも書きましたが、医療はけっして安全なものではなく、本質的に身体に侵襲を与える行為です。その時、安全を最優先すると無理をしない方法を選ぶことになりますから、医療の進歩は遅れ、助かる患者さんも助からなくなる場合が出てきます。安全を最優先にしなければ医療は進歩しやすくなりますし、最新の治療法で助かる患者さんも出てくる代わりに技術が不十分だったために亡くなる患者さんもいらっしゃいます。日常の診療はこのような両極端にならないまでも時と場合によって振り子のように振れながら行われているのです。このような特性を是非理解して下さい。そして、私は昨今の医療の崩壊を急速に進めたのも小泉政権だと思っております。「立つ鳥跡を濁さず」というように一つでも良いことをやって辞めていただきたいものです。

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2006年7月心理室より

子どもの気になる癖や症状
 お子さんの豊かな表現はとても可愛らしく、見ていてほほえましいですね。
 今回は、子どもの気になる癖や症状についてお話ししたいと思います。
 顔や身体の筋肉の一部が、本人の意志とは無関係に 、突然・早く・反復的に動いてしまうことがあります。これはチックといわれるもので、一時的な癖のようなものだと考えて下さい。

【症状としては次のようなものが見られます。】
   目をパチパチさせる
   鼻をクスンクスンと鳴らす
   咳払いをする
   ゲップをする
   顔をしかめる
   口を曲げる
   肩をすくめる
   頭を振る
   身体を揺する
   手や足をピクピクと動かす
   意味のない音や奇声を発する
   汚い言葉、人の言葉のマネを繰り返す

【どんな子どもに症状がでやすいのでしょうか?】
 年齢的には幼稚園から小学校の低学年くらい、男子に多く見られます。本人の性格としては、落ち着きがない、わがまま、神経質、気が強い、などの特徴が見られることが多いようです。また、アレルギー体質との関連も指摘されています。
 
【チックの原因は?】
 正確な原因はまだ解明されていませんが、抑圧された気持ちが症状という形で表現されるものだと考えられています。
 
【出てしまったらどうしたらいいのでしょう?】
 無理に止めさせようとせず、そのことを話題にすることも避け、子どもに症状を意識させないようにしましょう。症状そのものを無くすことを考える前に、どんな気持ちをしているのか考え、寛容な態度で受け入れてあげることが大切です。多くは2~3週間程度で消失しますが、長引いたり、症状が強くなってくる場合は医師に相談することをおすすめします。

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