音楽

 最近、「癒しの音楽」と表したCD等も沢山発売されており、音楽によるリラクゼーション効果が取り上げれられています。
 どうして音楽が心の疲れを癒すのか、どんな音楽が癒すのでしょうか? 

■リラックスのもと「1/fゆらぎ」とは

 海辺で繰り返し聞こえる波の音を聞きながらボーっとしていると、仕事のストレスから解放され、体調がよくなってくるのを感じるという経験された人もいるのではないでしょうか?
このリラクゼーション効果をもたらす要因は、視覚効果のほかに重要な要因として、音があるとされています。
 自然界の環境音は「1/fゆらぎ」というゆらぎの法則があり、これが人間の生体にリラクゼーション効果をもたらしているといわれています。1/fゆらぎとは、単調さと無秩序の中間くらいにある、ほどよく変化するゆらぎのことです。波の音やせせらぎの音は、いつも同じ繰り返し音として聞こえてきます。しかし、厳密には全く同じ音の繰り返しではなく、1/fゆらぎの法則にあるとされています。人間の生体リズムも、基本的には1/fゆらぎであるため、それとシンクロする刺激を心地よく感じ、リラックスできると考えられています。

■安らぎの脳波、アルファ波

 脳から出る脳波は、心身の状態によって異なり、リラックスしているときや、集中しているときに出ているのがアルファ波(8~13ヘルツ)です。健康な人であれば、肩の力を抜き目を閉じて安静にしていれば頻繁に表れます。しかし、起きて活動しているときなどは、緊張やイライラ状態の脳波であるベーター波(13~40ヘルツ)が多く表れ、ストレスを招きます。また、休む暇なく緊張状態で活動している人は、ベーター波が多く現れている状態が続き、ストレスが蓄積され体調を壊してしまう可能性があります。
 1/fゆらぎをもつ音楽を聴いているときにアルファ波が出やすいといわれています。目を閉じ安静にしているとき以外でも、普段からアルファ波が多く現れるようにコントロールすることができれば、リラックスしたり集中したりできるといえます。さらに、アルファ波は、脳内にβ-エンドルフィンなどの快感ホルモンを分泌させ、免疫細胞を活性化し、治癒力を高めるともいわれています。

■どんな音楽がいい?

 ストレス解消の音楽というと、モーツァルトといったクラシック音楽の効果が指摘されていますが、最近の研究では、クラシックからJ-POPまで、あらゆる音楽は1/fゆらぎを持っていて、聴きたい音楽であればどんな音楽でも体の緊張が解け、皮膚温が上昇し、筋肉の緊張度が低下すると報告されています。
例えロックでも、それを聴くことで疲れを忘れ嫌な気分が薄らぐのであれば、それもストレス解消によく効く音楽なのではないでしょうか?また、どんな名曲でも、音楽に興味のない人が「ストレス解消のため」と無理に聴くのでは、逆効果になりかねません。

■悲しいときには悲しい曲を

 悲しいときに悲しい曲、寂しいときに寂しげな曲と、そのときの感情と同質の曲を聴くことは、ストレス解消に効果があります。感情に反する曲を聴くよりも同質の曲を聴くほうが、心を解放させリラックスしやすい状態になるとされています。それからステップをふんで少しずつアッパーな感じの曲に変えていきます。

○音楽によるリラックスのステップ
1、自分の気持ちと同じような曲を聴く
2、こころを落ちつかせる曲を聴く
3、ちょっとアップテンポな、前向きになる曲を聴く

 聴くだけでなく、歌うことも効果があります。カラオケも、思い切って息を吐き声を出すといった効果とともに、そのときの気分にあった選曲をして思い入れたっぷりに歌うことで、ストレス解消に役立つとされています。

 みなさんもお気に入りの曲を見つけてみては、いかがでしょうか?

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特定健診

皆さんは特定健康診査を毎年受けていらっしゃいますでしょうか?今回は、特定健康診査についてです。

国民健康保険・後期高齢者医療
 <対象年齢>
平成25年9月30日までに名古屋市国民健康保険に加入されている方のうち、平成25年度中に40~74歳になる方と、平成25年10月1日~平成26年3月31日に75歳になられる方(昭和13年10月1日生まれ~昭和49年3月31日)と、後期高齢者医療被保険者の方が対象となります。

 昨年度までは、後期高齢者の方は6月から2月末日まで、国民健康保険加入者の方は6月から3月末日までと実施期間が異なり期限が短かった為、後期高齢者の方は、期限が過ぎてしまい特定健康診査が受けられなかった方もいらっしゃったと思います。しかし、今年度より後期高齢者の方も6月から3月末日までと実施期間が統一され、特定健康診査を受けて頂きやすくなりました。
 6月より受診券の郵送が開始されております。A4サイズの封筒で届きますので、一度中身をご確認ください。過去にも特定健康診査を受けられている方には、平成22年から24年度の健診結果が記載された受診履歴も同封されておりますので、健康管理にお役立てください。対象の年齢に入っているにも関わらず受診券が郵送されてきていない方は、名古屋市健康福祉局にお問い合わせ下さい。   
 電話番号: 052-972-2637

 協会けんぽ
 協会けんぽの加入者の扶養家族の方も、受診券は加入者ご本人に配布されます。加入者の方から受診券を受け取り、特定健康診査を受診しましょう。 受診期間等については、受診票で確認をして下さい。

休日健診
昨年に続き、診療時間内に来院が難しい方の為に国民健康保険・後期高齢者医療の健康診査とがん健診(胃がん・大腸がん)が休日に実施され、北区では、平成25年9月8日に楠地区会館、平成26年2月9日に北区役所で行われます。各回ともに定員50名までで、予約制(先着順)となっておりますので、ご希望の方はこちらをご利用ください。

昨年度からの変更点
今年度より、血糖検査であるHbA1cの表記がJDS(日本基準)からNGSP(国際標準)となります。NGSPはJDSよりも0.4%高くなります。その為、去年のデータと比較したい場合は、昨年のHbA1cの値から0.4%引くと比較がしやすくなります。

特定健康診査を受けられる際は原則、食後10時間以上の空腹状態であることが求められます。その為、健診を午前中に受けられるのであれば、前日の夕食後より水やお茶のみにして頂き、朝食を食べずに健診を受ける等し、食後10時間以上の空腹状態にして頂くようお願い致します。また、健診を受けられる際は必ず受診券と共に保険証をお持ち下さい。
特定健康診査についてわからないことがありましたら、お気軽に職員までおたずね下さい。

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院長より

 先月末、河村名古屋市長の再任が決まりました。パフォーマンスが目立つ市長で、各種ワクチン接種や検診にいち早く公費を導入することを決めるなど市民のためになっている部分がある一方、減税にこだわりすぎている面があり、必要な予算が削られることにならないか、今後も注意深く見守っていきたいと思います。

 さて、中国にてトリからヒトへの感染が確認されている鳥インフルエンザ(H7N9)は、今までヒトに感染することが知られていなかったウイルスの感染症です。しかし、WHOからの情報によると4月7日現在で6名の死亡例と12名の重症例を含む21例の確定患者が報告されており、確定患者の接触者として530名以上が経過観察されています。現在までに、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されておりませんが、国立感染症研究所では、中国疾病予防管理センターから入手したウイルス株を用いたワクチン株の製造準備を行なうなど対策を進めているそうです。
厚生労働省では中国へ渡航する方に対して、
①不用意に動物に近寄らない、
②積極的に手洗いを行なう、
③発熱や咳などインフルエンザの様な症状が出た時は、マスクを着用し、現地の医療機関を受診する、
の3点を呼びかけております。中国への渡航を計画されている方で不安な方は当院までご相談下さい。

 先月看板を作り替えました。支柱に錆が出て、転倒と出火の可能性を指摘され、大事に至る前に作り替えることにしました。以前の看板をそのまま作り替えると地盤調査等当初作成時には必要なかったことを求められ、多額の費用と許可が必要だと聞き、やむなく一部変更しました。突然看板が無くなり、ご心配をおかけしましたことをお詫びいたします。

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遊戯療法

遊びとは
 子どもにとって、遊びとは生活の中心であり、遊びを通して子どもは成長していきます。遊びには、言葉では言い表せないこころの内面を表現でき、自己治癒力を高める機能があると考えられています。また、現実では叶えられない空想の世界を作り、そこで自由にいきいきと遊ぶことで、エネルギーを発散でき、想像力を高めることもできます。さらに、子どもにとって遊びの場とは、他者とのコミュニケーションの場として大切なものです。このような「遊び」を心理的な治療として活用しているのが、遊戯療法です。

遊戯療法とは
 遊戯療法とは、遊びを用いて子どものこころの病気を治療する精神療法のことで、プレイ・セラピーとも言われます。子どもは言葉の発達が未熟なために、大人のように言葉を用いて自分の思いを上手く表現することが出来ません。そのため、こころの内面にストレスや不安を貯めこんでしまいがちです。しかし、遊戯療法によって、言葉ではなく遊びを通して、こころの内面を自由に表現することにより、ストレスを昇華し、本来のこころを取り戻すことができるでしょう。さらに、セラピスト(治療者)も遊びを通じて子どものこころの状態を理解することができ、こころの病気の診断にも役立てることができます。また、子どもの発達によって、遊び方や選ぶ遊具が変化していくため、子どもが今どのような発達段階にいるのかという指標にもなります。遊戯療法では、子どもは自由に遊ぶだけでよく、ほかの治療法のような治療に対する恐怖感もありません。

遊戯療法の具体的なやり方
 子どもは遊戯療法用に用意された特別な遊戯室で、セラピストとともに遊戯を行います。子どもが遊ぶ遊戯室は子どもの精神状態や人数などによってその大きさが異なり、さまざまなおもちゃや、場合によっては砂場や水遊びできる場所なども備わっています。置いてあるおもちゃの種類としては、積み木、人形、ままごと道具、お絵かき道具、粘土、ボール、楽器、鉄砲などさまざまで、安全にも十分に配慮され、なるべく自由に子どもが遊べるように工夫されています。セラピストは、こうした遊戯室で子どもを自由に遊ばせながら様子を観察し、子どものこころの真の状態を理解しようと努めます。
 しかし、子どもが自由に遊べる様になるためには、遊びの場が安心できる場であると確信できることが大切です。また、そのような場を提供しているセラピストのことを子どもが信頼出来るかということも重要です。セラピストと子どもの間に信頼関係が構築されてはじめて遊戯療法が治療的な意味を持てるようになります。

遊戯療法の基本
 遊戯療法の基本は、「アクスラインの8つの基本原理」を基本として用いています。
 8つの原理とは、
 ①セラピストは子どもと温かく優しい関係を作る
 ②子どもをありのままに受け入れる
 ③子どもとの関係に自由な雰囲気を作り感情を自由に表現できるようにする
 ④子どもの感情をいち早く読みとって子どもに示し、子どもの行動の意味を洞察しやすいようにする
 ⑤子どもが自分の問題を解決し成長してゆく能力を持っていることを知るようにする
 ⑥子どものすることやいう事に口出しをせず自己治癒力を信頼する
 ⑦治療はゆっくりしたものであるため早めようとはしない
 ⑧子どもが現実から遊離しないように必要最低限の制限を加えること
です。

 また、親面接を同時に進めることが一般的で、親も子どもと一緒に治療に参加していける場を示すことが必要です。親面接の意義は、治療の動機付けに乏しい子どもの治療関係の維持、情報の収集と提供、親への心理療法などがあります。

治療効果
 遊戯療法は神経症を始め、自閉症、吃音症、緘黙症、精神遅滞、学習障害などといった子どものこころの病気の治療に効果を発揮しています。

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