院長より

 今年は例年以上に暑い夏でしたが、そろそろ朝晩には涼しい風が吹く日も出てきました。毎日や日中と夜間の温度差が大きくなってきて、台風や豪雨の発生しやすい時期でもあります。このような不安定な気候は身体のバランスも崩しますので皆様ご自愛くださいますようお願いいたします。

 先日の参議院議員選挙結果は何年か前の衆議院議員選挙の真逆の結果となりました。今回は自民党というだけで政治経験のほとんどない方まで代議士となり、民主党というだけで実績のある方まで落選してしまいました。二大政党時代が来たかと話題になりましたが、結局民主党惨敗でそうはならず、降り出しに戻った感があります。今後どうなっていくかはわかりませんが、それぞれの党が、党益ではなく、日本という国のために議論し、正し く政局運営をしていただくことを希望いたします。小泉政権時代、衆議院での過半数を超える議席を力として、強引な手法で議論もろくにせず、様々な重要法案を決めていったため、随所でその弊害が起こりました。その結果が政権交代にまで至ってしまったことを忘れず、現内閣には数を頼みの強引な選挙運営を止めていただき、きちんと議論をした上で決定していただきたいと思います。特に消費税増税の問題、社会保障制度を将来どうしていくかなど国民の生活、健康と密着した問題が多数あり、この数年間のかじ取りが重要と考えますので、注目していきたいと思います。

 またインフルエンザワクチン接種の時期が近づいてきましたが、まだ詳細は未定です。おそらく例年同様の時期になりますが、確定した情報は随時お知らせしますので、お気軽に職員までお問い合わせください。

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強迫性障害

強迫性障害とは
 強迫性障害とは、自分の意思に反して不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできてしまい、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまう病気です。もともと几帳面、完璧主義の性格の人に多くみられる傾向があります。アメリカ精神医学会によって決められたDSM-Ⅳによると、「強迫症状」と呼ばれる症状に特徴づけられる不安障害の一つであると言われています。

強迫症状とは
 強迫症状とは、強迫観念と強迫行為の2つからなり、両方が存在しない場合は強迫性障害とは診断されません。強迫観念とは、本人の意志とは無関係に頭に浮かんでくる不合理な考えやイメージで、不快感や不安感を生じさせる観念です。強迫観念は、健常な人にも見られることがありますが、強迫性障害の人の場合は、異常に強く感じたり、長く続いたりするため、強い苦痛を感じています。強迫行為とは、不快な存在である強迫観念を打ち消したり、振り払うために行うもので、周りから見ると理解不能で不合理なものであっても、それをやめると不安や不快感が生じてしまうため、なかなかやめることが出来ません。また、ほとんどの強迫性障害の方は、自分の行動や症状がおかしかったり不条理だったりという自覚を持っているため、人に相談できずに一人で思い悩んだり、恥ずかしいという意識を持っている場合があります。また、罪の意識を感じていることもあるため、家族や周囲に隠そうとしてさらに不安になってしまったり、症状を強化してしまったりします。また、逆に自分だけで処理ができない不安を解消するために、家族や周囲を巻き込んで強迫行為を手伝わせようと強制してしまう場合もあります。また、強迫行為を行っていると、自分自身で考えたルールが出来てしまい、今度はそのルールに囚われて行為をしないとなにか悪いことが怒ってしまうと考えてしまうこともあります。このような繰り返しや悪循環により、心身ともに疲れてしまい、しかもどんなに繰り返し強迫行為を行っても不安や不安感を消し去ることが出来ず、苦しい思いが募っていってしまいます。強迫症状は、ストレスにより悪化する傾向がありますので、やはり精神的な問題からくる精神症状の一つと考えることが出来ます。 

一般的な強迫症状
 強迫症状には個人差がありますが、以下に一般的な特徴を記します。これらは単独で存在することもあれば、一人の人が複数を併せ持つこともあります。
不潔強迫:潔癖症とも言われ、汚れが気になって何度も洗わないと気が済みません。シャワーやお風呂に何度も入ったり、公共の場(電車の吊革やエレベーターのボタン等)に触れられず、日常生活に支障をきたしてしまいます。
確認行為:確認強迫とも言われ、外出や就寝の際に家の鍵やガスの確認、窓を閉めたかなどが気になり、何度も戻ってきては執拗に確認してしまいます。
加害恐怖:自分の不注意などによって他人に危害を加える事態を以上に恐れます。例えば車の運転中に「気が付かないうちに人を轢いてしまったのではないか」と不安になってしまったり、歩いていて子どもや老人とすれ違った時に、転ばせたり怪我をさせていないか心配して、引き返して何度も確認してしまいます。
被害恐怖:自分が自分自身に危害を加える事、あるいは自分以外の者によって自分自身に危害が及ぶことを以上に恐れます。異常なほど刃物や危険物を遠ざけ、不安になってしまいます。
自殺恐怖:自分が自殺してしまうのではないかと異常に恐れます。
疾病恐怖:自分が重大な病や不治の病などにかかってしまうのではないかと恐れます。感染症への不安も高く、血液などを異常に恐れたりしてしまいます。
縁起恐怖:信仰の対象に対して、冒涜的な事を考えたり言ってしまったりするのではないかと恐れて、恥や罪悪の意識を持ってしまいます。特定の行為を行わないと病気や不幸が起きるという強迫観念を持つ場合もあり、ジンクスのような行動が極端になっていることもあります。
不完全恐怖:物を順序良く並べたり、きちんとした位置に納めないと気がすまず、うまくいかないと不安を感じて最初から何度もやり直してしまいます。
保存強迫:自分が大切な物を謝って捨ててしまうのではないかという恐れから、不要品を家に貯めこんでしまいます。

強迫症状による状態
回避:強迫症状を引き起こすような状況を避けようとして、生活の幅を狭めることがあり、重症になると家に引きこもったり、ごく狭い範囲でしか生活できなくなってしまうことがあります。
巻き込み:強迫行為が自分自身で収まらず、家族や周囲に懇願したり共用したりする場合があります。
感染:他の強迫性障害の人から影響を受けて、別の症状が発症する精神的感染が起こる場合があります。

 強迫性障害は、「気になる」という事自体が病気です。治療としては、薬物療法や認知行動療法などの精神療法が有効とされていますので、症状に気づいたら早めの精神科受診をおすすめします。

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夏の冷え症対策

今年の夏は一段と暑さが厳しく、クーラーを頻繁に使う方も多いと思います。
熱中症にならないようにする為にも、冷房機器を使うことは勿論悪いことではありません。
しかし使い方によっては、冷え症になってしまうこともあるので注意が必要です。
室内は物凄く冷えているのに、外へ出れば体温と同等もしくはそれ以上の暑さということはありませんか?そういった極端な寒暖差の中の移動を繰り返していると、体温を調節している自律神経が乱れる原因となります。自律神経の乱れにより、体温調節の機能が低下する状態が長期間続くと、夏なのに身体が冷えるといった冷え症になってしまうことがあるのです。
冷えは昔から万病の元とも言われ、肩こりや頭痛、腰痛、腹痛、生理痛、めまい、身体のだるさ、不眠等の症状が起こりやすくなるとも言われています。
特に冷え症は男性より女性に多く、血行不良や更年期等も関係していると考えられています。

★冷え症を防ぐには
・クーラーの設定温度は高めに
外気温との差が大きければ大きい程、体温調節をする自律神経は大きく影響を受けます。28度~29度の少し暑いかなと感じる程度の設定温度を心がけましょう。

・規則正しい生活を
時間的に不規則な生活が続いてしまうと、交感神経と副交感神経の切り替えが悪くなり体温調節がうまくできなくなります。

・ゆっくりとした入浴を
38~40度のぬるめのお湯に長く浸かることで、じわじわと身体の芯から温めることが大事です。冷えによって乱れた自律神経の改善や肩こりの原因となっている筋肉への血行回復の為にも、シャワーで汗を流すだけではなく、ちゃんとお湯へとつかりましょう。

・筋肉をつける運動を
熱を生み出すのは筋肉です。適度な運動をすることで代謝があがり、冷え症改善へと繋がります。適度な運動としては、ストレッチやウォーキング等があげられます。

・体温をあげる食べ物を積極的に
体温を即効的にあげる食材としては、唐辛子や生姜といったものがありますが、豚や牛、鶏等の赤みの肉を少量ずつこまめに食べることも体温を上げるのに有用です。
暑い時はどうしても口あたりの良い冷たい飲み物やアイスクリーム等を多くとってしまいがちですが、連日とっていると、身体の冷えへ繋がるだけでなく、消化機能の低下も懸念されます。ときには温かいお茶を飲んだりと身体を中から温める工夫をすることが必要です。

まだまだ残暑厳しく、日中や夜間も暑さに辟易する日々が続いています。
体調管理に気をつけながら、暑い夏を乗り切りましょう。

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院長より

 まだ名古屋では梅雨の真っ最中のはずですが、今年は雨が少なく、夏の渇水が心配です。また寒暖の差が大きいので、自律神経のバランスが乱れやすく、精神的にも不安定になりやすいので、身体や心の不調をお感じになった際にはご相談ください。

 6月末には電力会社各社の株主総会が行われ、昨年同様、脱原発の可否が争点になりましたが、電力会社各社は原発の再稼働をする姿勢を変えていないようで残念です。

 公職選挙法の改正に伴い、インターネットの選挙利用が出来るようになり、政党や候補者からの選挙期間中の選挙運動用電子メールの配信が可能となったようですが、これらのメールを転送したり、知人にメールで投票依頼を行うことは違法となるなど、何でも出来るわけではありませんので、参院選の際にはご注意下さい。今回はTPPの問題などのため、日本の誇る皆保険制度の危機が叫ばれています。日本の医療を守るため立候補した医師会推薦候補へのご支持をよろしくお願いいたします。

 富士山が世界文化遺産に正式登録されました。さらに除外勧告から一転、三保松原も含まれることになったことで地元は歓喜に沸き、既に観光客もずいぶん増えているようです。しかし世界遺産は、登録されても6年に1度はユネスコの審査を受けなければならないそうで、状況によっては取り消されることがあるとのこと。観光客が増えること等による保全の難しさも懸念されており、入山料も検討されているようです。
 ちなみに今回の登録を含めると、日本の世界遺産は全部で17件。みなさんはいくつ知っていますか?

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