インフルエンザ予防接種

平成25年度のインフルエンザ予防接種が始まりました。
予防接種を受けてから免疫ができるまでは1ヶ月ほどかかりますので、インフルエンザが流行する前の12月中旬までに接種を受けておくとより効果的です。
☆予防接種1回 3000円
※12歳までは抗体ができにくいこともあり、2回の接種が必要です。(2回目は2000円)

特に高齢の方がインフルエンザにかかった場合は、肺炎の併発による重症化や死亡する可能性が高まる為、65歳以上の方を対象に、名古屋市からの助成があります。
☆実施期間
平成25年10月15日から平成26年1月31日まで
☆予防接種1回 1000円(65歳以上の方) 
※接種を希望する際は、健康保険証等、年齢、住所が確認できるものをご持参ください。

高齢者肺炎球菌ワクチン
上記にもありますが、高齢者がインフルエンザにかかると肺炎の併発が心配されます。また、今までは3大疾患というと癌、心疾患、脳血管疾患でしたが、昨年の統計では肺炎が第3位となり、65歳以上では年間約10万人が肺炎により亡くなっています。そのなかでも、肺炎の原因として最も多いのが、肺炎球菌です。肺炎球菌ワクチンはその感染を予防する効果があります。特に、糖尿病や腎臓病、その他の持病などにより免疫が低下している人は肺炎にかかりやすく、重症化しやすいので、接種をおすすめします。
予防接種の効果は5年程と言われていますので、効果がなくなる前に再び予防接種をうける必要があります。
名古屋市では市内にお住まいの65歳以上の高齢者の方々に助成があり、自己負担金4000円で接種が可能です。
☆助成対象者
次の(1)から(3)を満たす方
(1)名古屋市に住民登録または外国人登録のある方
(2)65歳以上の方
(3)過去5年以内に肺炎球菌の予防接種を受けていない方
☆予防接種1回4,000円
肺炎球菌ワクチンはインフルエンザ予防接種と同時接種が可能です。接種を希望される方は、お気軽に職員にお尋ねください。
尚、5年以内に肺炎球菌ワクチンを接種された方は対象外です。

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認知症とは

1.認知症とは?
 脳は、私たちのほとんどあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなります。
 認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態を指します。また、認知症を引き起こす病気のうち、最も多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー型認知症、前頭・側頭型認知症、レビー小体型認知症などがこの「変性疾患」にあたります。続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。

2.認知症の症状-中核症状と行動・心理症状
 脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下など中核症状と呼ばれるものです。これらの中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合って、うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。
 認知症にはその原因となる病気によって多少の違いはありますが、様々な身体的な症状もでてきます。特に血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状が合併することもあります。アルツハイマー型認知症でも、進行すると歩行が拙くなり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。

○ 中核症状
1 記憶障害
 人間には、目や耳が捕らえた情報の中から、関心のあるものを一時的に捕らえておく器官(海馬)と、重要な情報を頭の中に長期に保存する「記憶の壺」が脳の中にあると考えてください。いったん「記憶の壺」に入れば、普段は思い出さなくても、必要なときに必要な情報を取りだすことができます。しかし、年をとると海馬の力が衰え、一度にたくさんの情報を持っていることが出来なくなり、「壺」に移すのに手間取るようになります。「壺」の中から必要な情報を探しだすことも、時折失敗します。もの覚えが悪くなったり、ど忘れが増えるのはこのためですが、それでも、繰り返しているうち、大事な情報は「壺」に納まります。ところが、認知症になると、病的に衰えてしまうため「壺」に納めることができなくなります。新しいことを記憶できずに、さきほど聞いたことさえ思い出せないのです。さらに、病気が進行すれば、「壺」が溶け始め、覚えていたはずの記憶も失われていきます。

2 見当識障害
 見当識障害は、記憶障害と並んで早くから現われる障害です。見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握することです。まず、時間や季節感の感覚が薄れることから、時間に関する見当識が薄らぐと、長時間待つとか、予定に合わせて準備することができなくなります。もう少し進むと、時間感覚だけでなく日付や季節等におよび、何回も今日は何日かと質問する、季節感のない服を着る、自分の年がわからないなどが起こります。
 人間関係の見当識障害はかなり進行してから生じてきます。過去に獲得した記憶を失うという症状まで進行すると、自分の年齢や人の生死に関する記憶がなくなり周囲の人との関係がわからなくなります。
3 理解・判断力の障害
 認知症になると、ものを考えることにも障害が起こります。考えるスピードが遅くなり、2つ以上の事が重なると上手く処理が出来なくなり、長い指示や複数の意味を持つ指示が理解出来なくなります。また、些細な変化やいつもと違う出来事で不安になったり、混乱しやすくなったりします。また、「倹約は大切」と言いながら高価な不要な買い物をしたり、自動販売機や自動改札、銀行のATM等が上手く使用できなくなるといった、目に見えないメカニズムが理解出来なくなります。

4 実行機能障害
 健康な人は頭の中で計画を立て、予想外の変化にも適切に判断や対応をしてスムーズに進めることができます。認知症になると計画を立てたり、判断や対応をしたりできなくなり、日常生活がうまく進まなくなります。

5 感情表現の変化
 認知症になるとその場の状況が読みづらくなります。
 通常、自分の感情を表現した場合の周囲のリアクションは想像がつきます。私たちが育ってきた文化や環境、周囲の個性を学習して記憶しているからです。しかし、認知症の人は、時として周囲の人が予測しない、思いがけない感情の反応を示します。それは認知症による記憶障害や、見当識障害、理解・判断の障害のため、周囲からの刺激や情報に対して正しい解釈ができなくなっているからです。

○ 行動・心理症状とその支援
 認知症の初期にうつ状態を示すことがありますが、原因には「もの忘れなど認知機能の低下を自覚し、将来を悲観してうつ状態になる」という考え方と、「元気や、やる気がでないこと自体が脳の細胞が死んでしまった結果である」という考え方があります。
 認知症の症状が出てくると、周囲が気づく前から、本人は漠然と気がついています。意欲や気力が減退したように見えるので、うつ病とよく間違えられます。周囲からだらしなくなったと思われることもあるようで、すべてが面倒で、以前はおもしろかったことでも、興味がわかないと感じる場合も多いようです。
 周囲の対応としては、本人に恥をかかせないようにすることが大事です。「できることをやってもらう」ことは必要ですが、できたはずのことができなくなるという経験をさせ、本人の自信をなくすという結果になったのでは逆効果です。自分の能力が低下してしまったことを再認識させるようなことはますます自信を失わせます。それとなく手助けをして成功体験に結びつけることができれば少しでも笑顔が戻るようになるでしょう。うつ状態にあるときには周囲からの「がんばれ」が負担になるので注意が必要です。

 その人がその人らしく生活出来るよう、またその様に周囲が支えていけるよう、お気軽にご相談いただければと思います。

出典:認知症サポーター養成講座標準教材

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院長より

 今年は例年以上に暑い夏でしたが、そろそろ朝晩には涼しい風が吹く日も出てきました。毎日や日中と夜間の温度差が大きくなってきて、台風や豪雨の発生しやすい時期でもあります。このような不安定な気候は身体のバランスも崩しますので皆様ご自愛くださいますようお願いいたします。

 先日の参議院議員選挙結果は何年か前の衆議院議員選挙の真逆の結果となりました。今回は自民党というだけで政治経験のほとんどない方まで代議士となり、民主党というだけで実績のある方まで落選してしまいました。二大政党時代が来たかと話題になりましたが、結局民主党惨敗でそうはならず、降り出しに戻った感があります。今後どうなっていくかはわかりませんが、それぞれの党が、党益ではなく、日本という国のために議論し、正し く政局運営をしていただくことを希望いたします。小泉政権時代、衆議院での過半数を超える議席を力として、強引な手法で議論もろくにせず、様々な重要法案を決めていったため、随所でその弊害が起こりました。その結果が政権交代にまで至ってしまったことを忘れず、現内閣には数を頼みの強引な選挙運営を止めていただき、きちんと議論をした上で決定していただきたいと思います。特に消費税増税の問題、社会保障制度を将来どうしていくかなど国民の生活、健康と密着した問題が多数あり、この数年間のかじ取りが重要と考えますので、注目していきたいと思います。

 またインフルエンザワクチン接種の時期が近づいてきましたが、まだ詳細は未定です。おそらく例年同様の時期になりますが、確定した情報は随時お知らせしますので、お気軽に職員までお問い合わせください。

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強迫性障害

強迫性障害とは
 強迫性障害とは、自分の意思に反して不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできてしまい、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまう病気です。もともと几帳面、完璧主義の性格の人に多くみられる傾向があります。アメリカ精神医学会によって決められたDSM-Ⅳによると、「強迫症状」と呼ばれる症状に特徴づけられる不安障害の一つであると言われています。

強迫症状とは
 強迫症状とは、強迫観念と強迫行為の2つからなり、両方が存在しない場合は強迫性障害とは診断されません。強迫観念とは、本人の意志とは無関係に頭に浮かんでくる不合理な考えやイメージで、不快感や不安感を生じさせる観念です。強迫観念は、健常な人にも見られることがありますが、強迫性障害の人の場合は、異常に強く感じたり、長く続いたりするため、強い苦痛を感じています。強迫行為とは、不快な存在である強迫観念を打ち消したり、振り払うために行うもので、周りから見ると理解不能で不合理なものであっても、それをやめると不安や不快感が生じてしまうため、なかなかやめることが出来ません。また、ほとんどの強迫性障害の方は、自分の行動や症状がおかしかったり不条理だったりという自覚を持っているため、人に相談できずに一人で思い悩んだり、恥ずかしいという意識を持っている場合があります。また、罪の意識を感じていることもあるため、家族や周囲に隠そうとしてさらに不安になってしまったり、症状を強化してしまったりします。また、逆に自分だけで処理ができない不安を解消するために、家族や周囲を巻き込んで強迫行為を手伝わせようと強制してしまう場合もあります。また、強迫行為を行っていると、自分自身で考えたルールが出来てしまい、今度はそのルールに囚われて行為をしないとなにか悪いことが怒ってしまうと考えてしまうこともあります。このような繰り返しや悪循環により、心身ともに疲れてしまい、しかもどんなに繰り返し強迫行為を行っても不安や不安感を消し去ることが出来ず、苦しい思いが募っていってしまいます。強迫症状は、ストレスにより悪化する傾向がありますので、やはり精神的な問題からくる精神症状の一つと考えることが出来ます。 

一般的な強迫症状
 強迫症状には個人差がありますが、以下に一般的な特徴を記します。これらは単独で存在することもあれば、一人の人が複数を併せ持つこともあります。
不潔強迫:潔癖症とも言われ、汚れが気になって何度も洗わないと気が済みません。シャワーやお風呂に何度も入ったり、公共の場(電車の吊革やエレベーターのボタン等)に触れられず、日常生活に支障をきたしてしまいます。
確認行為:確認強迫とも言われ、外出や就寝の際に家の鍵やガスの確認、窓を閉めたかなどが気になり、何度も戻ってきては執拗に確認してしまいます。
加害恐怖:自分の不注意などによって他人に危害を加える事態を以上に恐れます。例えば車の運転中に「気が付かないうちに人を轢いてしまったのではないか」と不安になってしまったり、歩いていて子どもや老人とすれ違った時に、転ばせたり怪我をさせていないか心配して、引き返して何度も確認してしまいます。
被害恐怖:自分が自分自身に危害を加える事、あるいは自分以外の者によって自分自身に危害が及ぶことを以上に恐れます。異常なほど刃物や危険物を遠ざけ、不安になってしまいます。
自殺恐怖:自分が自殺してしまうのではないかと異常に恐れます。
疾病恐怖:自分が重大な病や不治の病などにかかってしまうのではないかと恐れます。感染症への不安も高く、血液などを異常に恐れたりしてしまいます。
縁起恐怖:信仰の対象に対して、冒涜的な事を考えたり言ってしまったりするのではないかと恐れて、恥や罪悪の意識を持ってしまいます。特定の行為を行わないと病気や不幸が起きるという強迫観念を持つ場合もあり、ジンクスのような行動が極端になっていることもあります。
不完全恐怖:物を順序良く並べたり、きちんとした位置に納めないと気がすまず、うまくいかないと不安を感じて最初から何度もやり直してしまいます。
保存強迫:自分が大切な物を謝って捨ててしまうのではないかという恐れから、不要品を家に貯めこんでしまいます。

強迫症状による状態
回避:強迫症状を引き起こすような状況を避けようとして、生活の幅を狭めることがあり、重症になると家に引きこもったり、ごく狭い範囲でしか生活できなくなってしまうことがあります。
巻き込み:強迫行為が自分自身で収まらず、家族や周囲に懇願したり共用したりする場合があります。
感染:他の強迫性障害の人から影響を受けて、別の症状が発症する精神的感染が起こる場合があります。

 強迫性障害は、「気になる」という事自体が病気です。治療としては、薬物療法や認知行動療法などの精神療法が有効とされていますので、症状に気づいたら早めの精神科受診をおすすめします。

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