院長より

 あけましておめでとうございます。
 今年はどんな年になるでしょうか。さて、寒い日が続いておりますが、暖房等で室温をあげすぎると外気温との差が大きくなり、自律神経のバランスを乱す原因となりますのでご注意下さい。また、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどの接種はお済みでしょうか。予防接種は接種後、効果を出すまでにある程度の期間が必要で、すぐ効果が出るわけではありません。早めの接種をお勧めいたします。

 今年4月には2年に一度の診療報酬改定が行われる予定です。診療報酬全体としてはわずかに上がるようですが、同時に消費税増税があり、その影響を換算すると実質マイナス改定になるようです。現在多くの医療機関で利益率が数パーセントしかない状況であり、マイナス改定では、多くの医療機関の経営状態がより悪化すると予想され、地域医療の崩壊が懸念されます。さらに皆様に影響が及びそうな情報として、うがい薬の単独処方が保険適応外となることが閣議決定されたとの報道もありました。以前より時々うがい薬や湿布が保険適応外となる噂は出ていましたが、とうとう現実のものとなりそうです。今回はうがい薬を単独で処方しようとした場合だけが検討されていますが、今まで噂になったような湿布、漢方薬や風邪薬と、今後どんどん保険診療が縮小していくことが心配です。これが国民皆保険制度崩壊のアリの一穴とならないよう注目し、大きな反対の声を出していきたいと思います。今後、書名等をお願いすることがありましたら、よろしくお願いします。

カテゴリー: 201401, 院長より | 院長より はコメントを受け付けていません

習癖異常 子どもの癖

習癖異常とは
 癖とは、繰り返されることで身につき固定された行動のことであり、誰でも何らかの癖を持っているものです。大人の癖はその人の個性の一部に組み込まれていることがほとんどですが、子どもの癖は精神心理学的問題を表現していることがあり、注意が必要となる場合があります。「習慣的に身体をいじる動作」を総称して「神経症性習癖」と呼び、その種類は、指しゃぶりや爪噛みなどの身体をいじる習癖から、首振りやチックなどの身体の動作を伴う習癖、異食や過食、拒食などの食事の問題、排泄や睡眠の問題など多岐にわたります。

1)身体をいじる習癖(身体玩弄癖)
指しゃぶり 爪噛み    舌なめずり
鼻・耳ほじり 目こすり 咬む
ひっかく 性器いじり 抜毛
2)身体の動きを伴う習癖(運動性習癖)
律動性習癖(頭打ち、首振り、身体ゆすり)
常同的な自傷行為 チック
3)日常生活習慣に関する習癖
食事(異食、偏食、拒食、過食、反芻)
睡眠(夜驚、悪夢、夢中遊行)
排泄(遺尿、夜尿、遺糞)
言語(吃音、緘黙)
4)体質的要素の強い習癖
反復性腹痛  便秘     下痢
嘔吐     乗り物酔い  頭痛
立ちくらみ  咳そう    憤怒痙攣
5)その他
虚言 盗み 金銭持ち出し
徘徊 嗜癖

 これらの習癖は、通常の発達過程で見られることもあり、必ずしも治療が必要なものではなく、経過観察で改善する場合もあります。しかし一方で、単なる癖として観察しても改善せず、さらに二次的な問題が起こってしまう場合もあります。子どもの困った癖は、本人のみならず周囲の親や教師などが気になり、戸惑う場合があります。そうした場合、まず医療機関へ相談することが望ましく、また著しく日常生活に支障をきたしている場合には、専門機関への受診が必要になります。

習癖異常の要因と治療
 習癖異常は、子どもが何らかのストレスをかかえ、情緒不安定になっていることが要因のひとつと考えられています。そのため、子どものそれまでの養育環境や習癖を表出する状況、日頃の様子、親子関係などを詳細に吟味し、どのような心理が働いているかに気づくことが大切です。特に養育者の子育てのあり方や、性格傾向が大きく関与していると言われており、習癖を持続させたり悪化させてしまう可能性があります。例えば、完璧主義で几帳面な強迫傾向を持つ母親が、子どもに能力以上の完璧さを求めて養育した場合、習癖異常になりやすく、またそれを悪化させやすくしてしまう可能性があります。その一方、心理的要因のみでは説明できないことも多く、子ども自身の体質的要因もあると考えられています。生まれつき神経質で、何に対しても過敏で頑固な場合、習癖異常になりやすいと想定されています。このように、養育者の子育てのあり方と子どもの気質の両方が、習癖異常と関連すると考えられます。
習癖異常の治療としては、適切な診断から見立てる病態や予想される経過を説明して、本人や周囲の戸惑いや不安を軽減し、子どものストレスが見つかれば、それを解消したり吐き出す場を提供することが必要だと思われます。また、脳や神経などの疾患が見つかるのであれば、それぞれの専門科での精密検査や治療を進めていくことも必要だと思われます。

人は様々な癖を持っていますが、癖というものはなかなか自分の力だけで直すことが難しいものです。しかし、一般的にその癖を病気だと思い、病院で治療されるべきものと考えている人は少ないと思われます。治療するかどうかの選択として、どの程度日常生活に支障が出ているか、困難を感じているかという問題意識を一つの指標としてみてはいかがでしょうか。

カテゴリー: 201401, 心理室より | 習癖異常 子どもの癖 はコメントを受け付けていません

血液検査

年末の忘年会やお正月、新年会等楽しいイベントが続く季節ではありますが、食べ過ぎや飲みすぎになってはいないでしょうか?食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎで体調を崩される方もみえるかと思います。そんな時期だからこそ生活習慣を見直し、血液検査等で自身の体と向き合ってみるのもいい機会です。血液検査では、肝機能、脂質、血糖等調べることが出来ます。血液検査を行ってもどの項目がどの臓器に影響を与える数値かわかりにくいという方もみえるかもしれません。今回は、血液検査の項目、基準値、気をつけていただきたいことについてです。

〈肝機能〉     基準値
AST(GOT)     13-33
ALT(GPT)     男6-30 女6-27
γ‐GT(γ‐GTP)   10-47

肝臓の病気の原因となるのは、糖尿病、肥満、アルコール等です。肝臓の機能低下を放置すると肝硬変や肝癌に至る危険もあります。肝臓は病気になっても自覚症状がほとんど出ないため「沈黙の臓器」とも言われています。アルコールを飲まれる方は休肝日を作る、飲酒の際にタンパク質とビタミン(A・C・E)をとる等しましょう。また、お酒を飲まない方も糖質は穀物からとるようにしたり、運動、ストレス解消等するよう心がけてください。

〈血糖〉         基準値
空腹時血糖        70-109
ヘモグロビンA1c(HbA1c) 4.6-6.2

血糖値を上げる原因となるのは、長年の食べ過ぎ、飲みすぎ・肥満・運動不足・ストレス等です。
☆糖尿病として診断される基準
初回検査時にA空腹時血糖126mg/dl以上、Bブドウ糖負荷後2時間値が200mg/dl以上、C随時血糖値が200mg/dl以上、DヘモグロビンA1cが6.5%以上
A~Cのいずれかであれば糖尿病型、A~CのいずれかとDであれば、糖尿病となります。
また、血糖値(A~C)のみ糖尿病型であり、糖尿病の典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)や確実な糖尿病網膜症の存在が確認されていれば、初回検査のみでも糖尿病となります。
血糖値のみ(A~C)やヘモグロビンA1c(D)のみが糖尿病型の方は、再検査となります。
再検査で別の日で再び糖尿病型を示すと、糖尿病と診断されます。

規則正しい生活を心がけ、運動をし、間食は控えましょう。なるべく階段を使うように心がけたり、野菜や食物繊維を多くとるようにするとよいです。カロリーを意識することも大切です。ラーメンをざるそばに 変えたり、カツ丼を親子丼にするなど置き換えをし、カロリーをコントロールしてみてください。

〈脂質〉             基準値
中性脂肪(トリグリセライド、TG) 30-149
HDLコレステロール(善玉)     40-96
LDLコレステロール(悪玉)     70-139

脂質異常症の原因となるのは、脂質、糖質、コレステロールの摂り過ぎや、運動不足等です。血中脂質が増加すると脂質異常症となり、そのままの生活を続けていると動脈硬化となる危険性もあります。1日のコレステロール摂取量を300mg以下にする、中性脂肪を燃やす為に週に3回以上、少し息の切れるスピードで1回20分以上を目標に歩くよう運動を行いましょう。

様々な生活習慣病は、悪い生活習慣を正すことからはじめましょう。
気になることがありましたら、ご相談ください。
参照 名古屋市医師会 健康指導シリーズ

カテゴリー: 201401, 病気・治療, 精神保健福祉士より | 血液検査 はコメントを受け付けていません

院長より

 10月になっても複数個の台風が発生し、各地に甚大な被害を及ぼすなど、大変な月となりました。被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げ、一刻も早く復興できるようご祈念いたします。
このような時、気圧や天候の変化が著しくなりますが、このような変化により、自律神経のバランスが乱れやすくなり、心身に様々な症状をおこします。心身の不調をお感じになったら、受診のうえご相談下さい。
 さて政府が年内成立を目指す特定秘密保護法案には、市民を監視する権力を既に持っているにもかかわらず政府の秘密性がさらに強まり、歯止めが利かなくなる恐れがあります。識者は「メンツにこだわり政府文書と認めず、責任を取らない。特定秘密保護法でそんな姿勢が強まり、情報が流出したら、関係者の名誉や被害の回復が、進まなくなる恐れがある」と危惧しています。今まででも、歴史上の大きな謎がアメリカの公文書の公開によって、ようやく真実が明らかになったという事例が多数ありました。この法案が成立することで、我が国の政府の暴走を自国の資料では全く解明できないという事態に陥りかねません。そもそも国民の過半数が反対する法案を何故強引に成立させようとするのか理解できません。
 さらに現在、精神科疾患をお持ちの方々には苦痛となる新たな法案が審議されています。自動車免許に関わる法律で、成立した場合精神科疾患をお持ちの方の免許取得、継続がはなはだ困難になりうる法案です。社会復帰や自立した生活維持や通院を著しく阻害する要因となりえます。何とか成立を阻止するよう働きかけを行って参りますので、ご協力をお願いいたします。

カテゴリー: 201311, 院長より | 院長より はコメントを受け付けていません