季節の変化とこころの健康

ここ最近は、朝晩が冷えこむようになってきました。そのような中で昼間は暖かくなる日もあり、一日の寒暖の差が大きいので、みなさんも着るものに苦労しているのではないでしょうか。
今の時期だけでなく、季節が変化する時期(冬から春へ、など)は、身体やこころの調子を崩しやすい時期です。毎年、この時期になると「最近なんとなく体調が悪い」とか、「ここのところ気分が乗らない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この時期を乗り切るコツ

その1…1日の寒暖の差に気をつけましょう
1日の温度差の大きいこの時期は、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。気圧もそうですが、気温の変化も心身に様々な影響を与えます。
自律神経が乱れると、不眠や不安、めまい、息切れ、下痢や頻尿、動悸など、心身に様々な不調が現れます。多くは一時的な症状ですが、心配な時は早めに医師までご相談ください。

その2…十分な睡眠をとりましょう
睡眠時間が足りなくなると、脳の活動が低下してしまいます。そのため、集中力が低下して、ちょっとしたことでミスをしたり、普段は気にならないようなことでイライラする、不安になるといったことが起こりやすくなります。
こころの健康を保つ上で、睡眠は重要な役割を果たしています。睡眠不足からの不安や気分の落ち込みを防ぐためにも、十分な睡眠をとりましょう。

その3…適度に運動をしましょう
適度な運動は、気持ちを上向きにする効果があります。
30分程度のウォーキングや、少し息が切れるくらいのジョギングがおすすめです。
ただし、怪我をしていたり身体に不調のある場合には、無理はしないでください。
その4…生活リズムを保ちましょう
”食事は3食、ある程度決まった時間に食べる”、”一定の時間に寝て、起きる”、といった普段の生活リズムを崩さないように気をつけましょう。生活リズムが乱れると、自分が思いもよらなかったような不調が現れることがあります。また、一度乱れてしまうと、調整するのはなかなか難しいものです。
リズム調整の第一歩は、『朝起きたらまず太陽の光を浴びること』、です。起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びましょう。

ここに上げたものは、いくつかの例です。
現在、自分なりに健康が維持出来ているのであれば、無理に変える必要はありません。
無理なく、こころの健康を維持していきましょう。

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メタボリックシンドロームの診断基準

最近はすっかり朝晩の気温もさがり、周りの風景も秋めいてきました。秋は食べ物が美味しい時期ですので、その分食欲も増しやすい季節です。
そこで、今回は日本のメタボリックシンドロームの診断基準を紹介をしたいと思います。
2005年4月、日本の内科系8学会によって構成された『メタボリックシンドローム診断基準検討委員会』によって、日本人のデータをもとに日本人にあったメタボリックシンドロームの診断基準が設定されました。
この基準では、内臓脂肪の蓄積を反映する腹囲を必須項目とし、さらに糖代謝異常(糖尿病)、脂質代謝異常(高脂血症等)、高血圧のうち2項目以上が重なった病態を『メタボリックシンドローム』と診断します。
先にあげた疾病は動脈硬化の危険因子を含む疾病です。つまり、その動脈硬化の危険因子が2つ以上あり、その中で内臓脂肪の蓄積が疑われる人がメタボリックシンドロームであると考えられるわけです。

<内臓脂肪の蓄積>
ウエスト周囲径  男性≧85cm 女性≧90cm
    +
以下の3項目のうち、いずれか2項目以上が当てはまる場合
<血糖値> <血圧> <血清脂質>
≧110mg/dL  収縮期血圧 ≧130 mmHg    中性脂肪 ≧150 mg/dL
拡張期血圧 ≧85 mmHg HDLコレステロール < 40 mg/dL

さて、ここで体脂肪とはどういったもののことをいうのか簡単な説明をしたいと思います。
人間の体脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があり、エネルギーを貯蔵するという働きはどちらにも共通していますが、それぞれに違った性質もみられます。

内臓脂肪とはエネルギーの一時的な貯蔵であり、内臓のまわりの腸間膜に蓄積されます。つまり外側からはつまむことはできません。内臓を正しい位置に保ったり、衝撃を和らげるクッションの役割があります。

皮下脂肪とは長期的なエネルギーの備蓄や放出をするものであり、腰回り、おしり、太もも等皮膚の下に蓄積されます。そのため、しっかりつまむことができます。体温の保持や、外からの衝撃を和らげるクッションの役割があります。

メタボリックシンドロームで基準とされているのは、内臓脂肪の方ですが、この内臓脂肪は皮下脂肪に比べて代謝が早く蓄積もしやすく、食事制限や運動を心がけるだけで比較的減りやすいといわれています。一年に一度は健康診断を受ける機会があるかと思いますが、その際にメタボリックシンドロームであると診断をされた方、また予備群であると言われた方は、まずは運動や食事を気をつけることで内臓脂肪を減らすことを心がけてみましょう。
(※平成26年11月現在の診断基準です)

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院長より

 不安定な天気が続いています。全国各地で様々な天災が発生していますが、被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
また、不安定な気候の影響を受け、自律神経も乱れやすい時期です。皆様の体調はいかがでしょうか。ご自愛の程、よろしくお願いいたします。

 本年7月から始めた予約診療ですが、二ヶ月が経過し、いちいち予約を取るのは面倒だという声や受診時間が決められているのは堅苦しいなどの意見もありましたが、うっかり薬を切らせてしまうことが減るから助かるとの意見もあり、概ね好評だと感じています。以前は待合室で座れないほどごった返していたと思ったら、一時間足らずで閑散とした状態となったりしていましたが、予約診療を始めてからは混雑することも減っています。現状では制度を変えて良かったとの印象ですが、続けているうちにまた不具合が生ずることもあるかと思います。今後もより良いシステムに変更していきますので、お気付きの点がございましたら、遠慮なくお知らせ下さい。

 またインフルエンザワクチンの接種時期が近づいてきました。今年度も特に大きな変更はなく、ワクチンも順調に入荷する予定と聞いておりますが、詳細は職員までお問い合わせください。また、現在愛知県内では市町村の枠を超えて、各種ワクチン接種が可能となっており、当院もその主旨に賛同し、名古屋市外に在住の方への接種が可能となっております。ご希望の方は遠慮なく職員までお問い合わせください。

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更年期障害

更年期障害とは
 更年期障害とは、年令を重ねるにつれて低下する卵巣機能により、エストロゲンと言われる女性ホルモンが欠乏して、ホルモンバランスが崩れることによって起こる症候群のことです。閉経を迎えた50歳前後の女性が、エストロゲンの欠乏によって、心身の不調(例えば、ほてりやのぼせなどの血管運動神経症状)を訴えることが多いと言われています。

更年期障害の症状
 更年期障害の症状としては、自律神経失調症の症状とよく似ており、脈が速くなる、動悸がする、血圧が激しく上下する、腹痛、微熱、ホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)、多汗、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、不眠、疲労感、口の渇き、のどのつかえ、息切れ、下痢、便秘、腰痛、しびれ、知覚過敏、関節痛、筋肉痛、性交痛、生理不順など、個人によって多種多様な症状が現れます。また、ヒステリーや情緒不安定、イライラ感、抑うつ感などの精神症状も現れることもあります。このような症状の強弱には、精神的要素が大きく関わってくるといわれています。

治療として
 更年期障害の疑いがあるときは、専門医の診察を受けて、まず血液ホルモン検査をすることをおすすめします。
 更年期障害は、卵巣機能がまだ変動している時期に見られるもので、一定の時期が過ぎて卵巣機能が完全に低下し、全身がホルモンの変化に慣れてくれば、自然に良くなると考えられています。また、ホルモン補充療法や、自律神経調整薬などによる薬物療法も有効です。
 さらに、更年期は性成熟期から生殖不能期への移行期とされ、閉経以降の生活をいかに健康に過ごすかを考える人生の節目にあたります。そのため、更年期にあたる年代の女性を取り巻く家庭環境や、社会環境の変化は著しく、ストレスを受けやすい時期であると考えられます。そのため、生活習慣の改善や生活環境の調整も、治療に有効に働きます。
 近年、男性の更年期障害も存在するかもしれないという事が言われ始めています。しかし、まだ診断基準も治療法も確立していません。「男性更年期かもしれない」と訴える患者さんが、うつ病や不安障害を患っているケースも多く、不安障害からくる多彩な身体症状と更年期障害の症状とを見分けることはかなり難しいと言われています。
 気になる症状がありましたら、気軽にご相談ください。

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