院長より

あけましておめでとうございます。
 先の衆議院選挙では皆様どのような投票行動を取られたのでしょうか。二年前の総選挙では投票率が低く、少ない得票数でも議席を大きく伸ばした自民党は大勝ではなく、いわば全部負けだったのですが、今回もまた同じ状態となってしまいました。前回とほぼ同数の多数の議席数をつかんだ自民党はこの国をどう導いてくれるのでしょうか。
 また、年末に第3次安倍内閣が発足しましたが、大臣も一人変わっただけで全く同じと言っていい顔ぶれで始まった内閣ですから、改めてなんのための選挙だったのか、疑問が残ります。
 地元に目を向けると、2月には愛知県知事選挙、春には統一地方選挙が行われる予定です。大きな仕組みづくりは国の役目ですが、実際の運用は地方の役目です。名古屋市民を守るのは名古屋市の役目、名古屋市会の役目ですから、選ぶ責任も重大です。先日新聞で読んだ記事では北欧の国で投票率の低下で90%を切ったことが問題となったそうで、それを聞いていた日本の関係者は皆下を向いていたそうです。選挙に行かない人たちにも恥ずかしいことと感じてほしいものです。

 年末からインフルエンザの発症が散見されるようになってきましたが、皆様予防接種はもうお済みでしょうか。エボラ出血熱や鳥インフルエンザ等々、致死性の高い感染症の発症も確認されています。有効な治療法がない感染症も予防の基本は同じで、手洗いとうがいです。ぜひこれらを励行し、感染症から身を守ってください。

 今年はどんな年になるのでしょうか。今後どんな県、市にしたいかを選択する年でもありますから、選挙の際にはちゃんと投票し、自身の意思を表明してください。

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グリーフワーク

 私達は人生において、いくつかの死別を経験します。死別を経験すると知らず知らず亡くなった人を思う気持ちを中心に沸き起こる感情・情緒が心の大部分を占めるようになります。この思いを“喪失”と言います。また一方では死別という現実に対して、非常にネガティブな感情・状況から立ち直ろうと努力を試みます。この喪失と立ち直りへの努力の間で私達は非常に不安定な状態になります。また、同時に身体もあらゆる反応を起こします。これらをグリーフと言います。このような状態にある人に寄り添い援助することを“グリーフケア”と言います。
 
まず、喪失により私達にはどのような反応が生じるのでしょうか。
1.心(精神)的な反応
 感情の麻痺、怒り、恐怖に似た不安、孤独、寂しさ、自責感、罪悪感、無力感などが現れます。
2.身体的な反応
 睡眠障害、食欲の減退、体力の低下、疲労感、頭痛、肩こり、動悸、自律神経失調症、免疫機能低下などの身体の違和感や疲労感、不調を感じます。
3.日常生活や行動の変化
 ぼんやりする、涙があふれてくる、鬱による引きこもり、落ち着きがなくなる、過活動、故人を思い出すものを回避しようとするといった行動が多く見られます。

 では、私達は喪失における悲しみからどのようにして立ち直っていくのでしょうか。
第1段階:ショック期
 大切な人の死によるショックのあまり、感覚が麻痺したような状態になります。現実を受け入れることが出来ておらず、人によってはパニック状態や無気力状態に陥ることもあります。
第2段階:喪失期
 死を現実に受け止めようとするものの、まだ十分に受け止められない段階です。一般的には深い悲しみにより激しく泣くという反応が見られます。また大切な人の死の原因を誰かのせいにして責めたり、自分だけが不幸に感じるなどの感情が繰り返し現れることがあります。また、故人がまだ生きているように錯覚することやそのように行動することもあります。
第3段階:閉じこもり期
 死を現実に受け止めることができる段階ではありますが、同時にこれまでの価値観や自分の存在価値を失いやすい時期です。故人の死の原因を自分に向け、自責の念にとらわれることがあります。周囲への関心がなくなり自分の中に引きこもりやすく、うつ状態に陥ることもあります。
第4段階:再生期
 故人の死を現実としてしっかり受け止め、乗り越えていく時期です。故人のことを思い出しても動揺せずに落ち着いて過ごせる状態になります。
 以上のようにして、私達は大切な人の喪失から立ち直っていきます。

 喪失による悲しみを癒やし立ち直っていくためには(グリーフワーク)
1.悲しむことを肯定してあげましょう
 悲しみを無理に抑えこむのではなく、まずは悲しみによって生じる感情が正しいものであると認めてあげましょう。
2.悲嘆を表現しましょう
 故人について話したり手紙を書いたりなどして故人への思いや悲しみを表現しましょう。また信頼できる場で心を解放することで悲しみを癒してあげましょう。
3.儀礼を利用しましょう
 悲しみを癒やすには故人の死を認めて悲しみを受け入れることが大切です。そのため葬式やお別れ会、偲ぶ会などに参加することで、故人の死を改めて受け入れるきっかけとなるでしょう。
4.専門の機関を利用しましょう
 自分だけでは悲しみに対応しきれない場合はカウンセリングを受けることも考えると良いでしょう。また自助グループで同じ境遇の人と語り合うことで気持ちがとても楽になります。

 大切な人との死別は非常に受け入れがたいことです。死別による悲しみに蓋をするのではなく、悲しみを受け入れ信頼できる誰かに話してみてください。 

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インフルエンザ

厚生労働省から発表された平成26年11月24日から30日までのインフルエンザの発生状況の報告書より、インフルエンザの流行シーズンに入ったと考えられるとの報告がありました。平年並みの流行シーズン入りであり、昨年よりも早い時期の流行入りだそうです。

<季節性のインフルエンザウィルスとは>
季節性のインフルエンザウィルスにはA/H1N1亜型(平成21年に流行した新型インフルエンザと同じもの)、A/H3N2亜型(いわゆる香港型)、B型の3種類があり、春までのシーズン中にいずれも流行の可能性があります。また、今年は現段階までに限っていうとA/H3N2亜型(いわゆる香港型)の検出割合が一番多く、次いでA/H1N1亜型(平成21年に流行した新型インフルエンザと同じもの)、B型だそうです。

<風邪とインフルエンザの違い>
一般的な風邪とインフルエンザの違いは、全身症状と発熱の高さです。風邪の多くは咽頭痛、鼻水、くしゃみ、咳等の症状が中心です。しかし、インフルエンザはインフルエンザウィルスに感染し起こる病気であり、風邪症状と併せて38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の症状が突然現れます。子供はまれに急性脳症を起こすことも有り、また年配の方であると免疫力が低下している場合肺炎を伴う等の重症化のおそれがあります。

<インフルエンザの予防>
インフルエンザの予防としては、予防接種はもちろんのこと、他にも咳をする際のエチケットや外出後の手洗い等、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、人混みや繁華街への外出を避ける等が有効と考えられます。
また、厚生労働省では、「咳エチケット」をキーワードとして他人への感染防ぐための普及啓発活動を行っており、マスクの着用や人混みにおうて咳をする際の注意点について呼びかけています。
☆咳・くしゃみが出るときは、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
☆鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう。
☆咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
☆咳エチケット用のマスクは市販の不織布製マスクが推奨されます。

<寛解まで>
一般的にインフルエンザにかかっている時期は外出を控える必要があります。現在学校保健安全法では、「発症した後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。

インフルエンザ流行シーズンに突入しましたので、今までより一層体調に気をつけて、新しい1年のスタートを迎えましょう。

(厚生労働省HP 参照)

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院長より

今年もまもなく年末を迎えようとしております。10月中旬ごろまで暑い日が続いており、2週続いて大きな台風が上陸したと思ったら、あっという間に寒くなり、過ごしやすい季節もすぐ終わってしまいそうです。気候の変動が大きい今の時期は自律神経のバランスを崩しやすい時期でもあります。皆様くれぐれもご自愛下さいますようお願いいたします。
 今年もインフルエンザの予防接種が始まっていますが、もう接種は終わりましたでしょうか。接種後に免疫が作られるのに一ヶ月ほどかかりますから、なるべく早く接種しておいたほうがよいので、まだの方はお早めにご検討ください。
 さて皆様に残念なお知らせがあります。臨床心理士によるカウンセリングを縮小し、新規の受付を無期限で休止することにしました。産休でお休みをしたり、退職をしたりで、まもなく常勤の心理士がいなくなりますので、診療の待ち時間を増やさず、心理検査等を適切に行い、診療の質を落とさないためのやむを得ない処置ですので、ご理解いただきたいと思います。
カウンセリング受付再開の予定は未定です。カウンセリングを希望される方には他院への紹介状を作成させていただきますので、遠慮なくお申し出ください。また常勤職員減のため、お昼休み中は留守番電話に切り替えさせていただくことも計画しています。
 これから当分の間、いろいろとご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

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