更年期障害

更年期障害とは
 更年期障害とは、年令を重ねるにつれて低下する卵巣機能により、エストロゲンと言われる女性ホルモンが欠乏して、ホルモンバランスが崩れることによって起こる症候群のことです。閉経を迎えた50歳前後の女性が、エストロゲンの欠乏によって、心身の不調(例えば、ほてりやのぼせなどの血管運動神経症状)を訴えることが多いと言われています。

更年期障害の症状
 更年期障害の症状としては、自律神経失調症の症状とよく似ており、脈が速くなる、動悸がする、血圧が激しく上下する、腹痛、微熱、ホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)、多汗、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、不眠、疲労感、口の渇き、のどのつかえ、息切れ、下痢、便秘、腰痛、しびれ、知覚過敏、関節痛、筋肉痛、性交痛、生理不順など、個人によって多種多様な症状が現れます。また、ヒステリーや情緒不安定、イライラ感、抑うつ感などの精神症状も現れることもあります。このような症状の強弱には、精神的要素が大きく関わってくるといわれています。

治療として
 更年期障害の疑いがあるときは、専門医の診察を受けて、まず血液ホルモン検査をすることをおすすめします。
 更年期障害は、卵巣機能がまだ変動している時期に見られるもので、一定の時期が過ぎて卵巣機能が完全に低下し、全身がホルモンの変化に慣れてくれば、自然に良くなると考えられています。また、ホルモン補充療法や、自律神経調整薬などによる薬物療法も有効です。
 さらに、更年期は性成熟期から生殖不能期への移行期とされ、閉経以降の生活をいかに健康に過ごすかを考える人生の節目にあたります。そのため、更年期にあたる年代の女性を取り巻く家庭環境や、社会環境の変化は著しく、ストレスを受けやすい時期であると考えられます。そのため、生活習慣の改善や生活環境の調整も、治療に有効に働きます。
 近年、男性の更年期障害も存在するかもしれないという事が言われ始めています。しかし、まだ診断基準も治療法も確立していません。「男性更年期かもしれない」と訴える患者さんが、うつ病や不安障害を患っているケースも多く、不安障害からくる多彩な身体症状と更年期障害の症状とを見分けることはかなり難しいと言われています。
 気になる症状がありましたら、気軽にご相談ください。

カテゴリー: 201409, 心理室より, 病気・治療 パーマリンク