最近はすっかり朝晩の気温もさがり、周りの風景も秋めいてきました。秋は食べ物が美味しい時期ですので、その分食欲も増しやすい季節です。
そこで、今回は日本のメタボリックシンドロームの診断基準を紹介をしたいと思います。
2005年4月、日本の内科系8学会によって構成された『メタボリックシンドローム診断基準検討委員会』によって、日本人のデータをもとに日本人にあったメタボリックシンドロームの診断基準が設定されました。
この基準では、内臓脂肪の蓄積を反映する腹囲を必須項目とし、さらに糖代謝異常(糖尿病)、脂質代謝異常(高脂血症等)、高血圧のうち2項目以上が重なった病態を『メタボリックシンドローム』と診断します。
先にあげた疾病は動脈硬化の危険因子を含む疾病です。つまり、その動脈硬化の危険因子が2つ以上あり、その中で内臓脂肪の蓄積が疑われる人がメタボリックシンドロームであると考えられるわけです。
<内臓脂肪の蓄積>
ウエスト周囲径 男性≧85cm 女性≧90cm
+
以下の3項目のうち、いずれか2項目以上が当てはまる場合
<血糖値> <血圧> <血清脂質>
≧110mg/dL 収縮期血圧 ≧130 mmHg 中性脂肪 ≧150 mg/dL
拡張期血圧 ≧85 mmHg HDLコレステロール < 40 mg/dL
さて、ここで体脂肪とはどういったもののことをいうのか簡単な説明をしたいと思います。
人間の体脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があり、エネルギーを貯蔵するという働きはどちらにも共通していますが、それぞれに違った性質もみられます。
内臓脂肪とはエネルギーの一時的な貯蔵であり、内臓のまわりの腸間膜に蓄積されます。つまり外側からはつまむことはできません。内臓を正しい位置に保ったり、衝撃を和らげるクッションの役割があります。
皮下脂肪とは長期的なエネルギーの備蓄や放出をするものであり、腰回り、おしり、太もも等皮膚の下に蓄積されます。そのため、しっかりつまむことができます。体温の保持や、外からの衝撃を和らげるクッションの役割があります。
メタボリックシンドロームで基準とされているのは、内臓脂肪の方ですが、この内臓脂肪は皮下脂肪に比べて代謝が早く蓄積もしやすく、食事制限や運動を心がけるだけで比較的減りやすいといわれています。一年に一度は健康診断を受ける機会があるかと思いますが、その際にメタボリックシンドロームであると診断をされた方、また予備群であると言われた方は、まずは運動や食事を気をつけることで内臓脂肪を減らすことを心がけてみましょう。
(※平成26年11月現在の診断基準です)