自分も相手も大切にする「Iメッセージ」

 「断りたいのに断れない」、「引き受ければ自分が大変になるのはわかっているのについ引き受けてしまい、後悔する」といった経験はありませんか。コミュニケーションの中で、相手に合わせすぎて自分の気持ちを素直に伝えられなかったり、逆に、自分の思いを無理に通そうとして、相手を思いやる気持ちが欠けていたりすることは、どちらも理想的なコミュニケーションではありませんね。

 では、自分も相手も大切にするコミュニケーションとは、どんな方法でしょうか。今回は、そのカギとなる「アサーション(自他尊重の自己表現)」というコミュニケーション方法について紹介したいと思います。

 アサーションとは、自分の感じていることや考えを自分も相手も大切にしながら、率直に伝えていく方法です。「自分の感じ方や考え方を大切にしてよいこと」、「感じ方や考え方は、人と違ってもよいこと」、「『いやだ』という気持ちを伝えても関係が続くこと」などに気づくことを目的としています。

アサーションのコツはいくつかありますが、その中でも一番取り入れやすいのが、気持ちを伝える時に「私は…」を主語にして伝える「Iメッセージ(アイメッセージ)」という方法です。「Iメッセージ」は、「私は~と思っています」、「私は~と感じました」のように、自分を主語にして相手に気持ちを伝えます。

例えば、ある職場をイメージしてみてください。「私は~あなたに○○してもらえると助かります」と私を主語にすることで、感じていることや考えていることを率直に、相手を傷つけずに伝えられます。その反対に、「Youメッセージ(ユーメッセージ)」で、「あなたはどうして私ばかりに仕事を押し付けるの?」と相手を主語にして伝えると、相手を非難した攻撃的な印象になってしまいます。

 「Iメッセージ」で気持ちを伝えるためには、まずは自分の気持ちに向き合うことが重要です。様々な場面で、感情的にならずに「自分の気持ち」に気づき、それを「Iメッセージを使って相手に伝えることで、相手を尊重し、自分も大切にする、お互いに納得したコミュニケケーションが図れるとよいですね。

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院長より

 4月下旬から急に暖かい日が増えてきました。つい先日まで暖房が必要だったのに、あっという間に冷房が必要なほどの陽気に変わりましたが、3寒4温と言われるような毎日の寒暖の差に加えて一日のうちでも朝晩の温度差が大きな日が続いています。このような寒暖の差により自律神経のバランスが乱れ、様々な自覚症状が現れますから、今は一年のうちでも自律神経失調症状がひどくなりやすい季節です。心当たりのある方はご相談ください。

 新型コロナウイルス感染症が世界中で広がって4年目になりました。5回目のワクチン接種もすすみ、今月からは多い方では6回目の接種が始まります。治療薬もでてきて、収束までもう少しと思える段階にやっと到達し、感染症法の扱いにも変更がありました。しかし始まりかけている第9波に備えて感染対策は引き続き必要ですし、今のような生活様式をしていると新型コロナウイルス感染症だけでなく、いわゆる風邪など多くの他の感染症もかなり減らせることもわかってきたので、感染対策はこのまま続けたほうが良いのではと思います。

 オンライン資格確認というマイナンバーカードを使った新しい試みが始まりました。任意であるはずのマイナンバーカードが保険証代わりに使用できるようになりました。これは良いことだと思いますが、保険証を廃止し、マイナンバーカードを持たない人には新たに資格証を発行するとした点が問題で、なぜ保険証を廃止しなければならないのか、全く意味不明で、任意のはずのマイナンバーカード取得を強制取得させることが主目的となったように思えます。なぜ強引にそこまでしないといけないのか、なにかその次に起こることが透けて見えるようで不安です。これから起こることを慎重に見ていきたいと思います。

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五月病

 新年度が始まって1ヶ月が経ち、学生の方は進学、社会人の方は転職や異動など、様々な環境の変化があったことと思いますが、新しい環境にも少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。やっと慣れてきたところで訪れるのがゴールデンウィークですね。ちょうどこのゴールデンウィークくらいのタイミングでストレスによる心身の不調が生じることを、俗に「五月病」と言います。五月病は多くの方が聞いたことのある用語だと思いますが、具体的にどのようなものなのかを説明したいと思います。

○五月病とは?

 4月には入学や就職、異動等、学校や職場で新しい生活がスタートします。新しい生活はワクワクすることも多くありますが、慣れないことも多く、また、仕事の内容や環境が自分に合わないことなどから、知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまいます。気づかないうちに無理をしてしまうことも多く、5月頃になり、体の怠さや疲れ、意欲の低下、気持ちの落ち込み、不眠等の精神症状や眩暈、頭痛、胃痛、食欲不振等の身体症状等の身体症状が現れます。正式な医学用語ではありませんが、一般的にこの季節に学生や新入社員に怒りやすい為、「五月病」と呼ばれています。はじめのうちは、「なんとなく体がだるいな」と感じる程度かもしれませんが、放っておくと適応障害やうつ病などにつながることもありますので、不調を感じたら早めに医師や心理士に相談してください。

○五月病を防ぐには?

 五月病を防ぐには、ストレスを溜めないことがいちばん大切です。

・趣味を見つける

 料理、ゲーム、読書など、自分が楽しいと思えることをしてストレスを発散するようにしましょう。今まで楽しいと思えていたことが楽しいと思えないときは危険信号かもしれません。

・適度な運動をする

 ウォーキングやランニング、ヨガなど、無理のない範囲で身体を動かすことで、気分の向上が見られます。義務にしてしまうと負担になってしまうので、自分に合った方法で、気持ちが向いたときに少し体を動かしましょう。

・しっかり睡眠をとる

 不規則な生活をしていると体内リズムが乱れてしまい、心身の健康を害しやすくなります。しっかり睡眠をとるようにしましょう。就寝前にスマホやゲームをやりすぎないようにすることも大切です。

・相談をする

人に話をすることで気持ちがスッキリしたという経験をされたことのある方は多いと思います。ため込まずに、相談するようにしましょう。

 ストレスを溜めないようにすることが大切ですが、ストレスを全てなくすことはできません。ストレスは必ずあるものと認識して、ストレスと上手に付き合うようにしましょう。

 不安に思うことや困ったことがあれば、いつでも医師や心理士にご相談ください。

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院長より

 寒さが少しずつ和らぎ、日増しに暖かさを増し、春の訪れを感じるようになってきました。梅が咲き、早咲きの桜の蕾も開きかけているようです。気持ちの良い季節を迎えますが、この時期の寒暖の差は自律神経のバランスを乱し、様々な症状の悪化しやすい時期でもあります。皆様もご自愛の上、気になる症状がありましたら、ご相談下さい。
 ロシアがウクライナに軍事侵攻し、核兵器も使うぞと世界に向けて脅しをかけてから1年以上経過してしまい、まだ終決を見ていません。寒さと戦闘の緊張とで、かなり辛い毎日を送っているだろうと思うと、心が痛みます。早く平和が訪れてほしいと願っています。

 さて、板倉医院は30周年を迎えました。私自身も会社員や国公立病院などの職員ではいわゆる定年となる年を迎えました。まだ体力、気力とも充分あると思ってはいますが、ふとしたことで老化を感じる時も出てきました。私自身ができるだけ長く体力、気力ともに充実した状態を保つために、年に数回、少し長目の休日を取ってリフレッシュしたいと思います。具体的にはGW前後の春休み、お盆前後の夏休み、シルバーウィーク前後の秋休み、そして年末年始前後の冬休みに臨時休診を加えて、それぞれ7日から10日の連続した休みを取りたいと考えております。皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解とご協力をお願いいたします。

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