アルコール(飲酒)について

忘年会や新年会等飲酒をする機会が多くなる季節となりましたが、お酒の飲み過ぎにはなっていないでしょうか?
多量飲酒や長期に渡る飲酒は臓器に様々な影響をもたらします。アルコールによって起こりうる様々な障害については以下の如くです。

・アルコール性依存症
 精神疾患(うつ病等)の合併
 自身の喪失
 人間関係の喪失
 社会的信用の喪失

・中枢神経障害
 脳萎縮
 アルコール性認知症
 アルコール性神経障害

・消化器系
 消化管
  食道がん
  口腔がん
  咽頭がん
  食道静脈瘤
  急性胃炎
  胃潰瘍
  十二指腸潰瘍
  大腸がん
  痔

 肝臓
  アルコール性肝炎
  アルコール性脂肪肝
  アルコール性肝硬変
  肝がん

 膵臓
  膵炎

・心臓・循環器系
 アルコール性心筋症
 高血圧症

・末梢神経系
 アルコール性多発神経炎

・その他
 糖尿病
 痛風
 低出生体重児
 インポテンツ など

アルコールによる障害を起さない為に気をつけること
・1日の適量を覚える(1日にいずれか1種類の場合)
例 ビール(中ビン)1本 500ml
日本酒 1合  180ml
ワイン 240ml      など

・節度ある飲酒を
毎日続けて飲まない
一気飲みの禁止
時間をかけゆっくりと飲む
夜12時以降の飲酒の禁止

以上のように飲酒で起こる問題は身体だけではなく、社会生活や家庭生活にも大きな影響を及ぼします。不安やストレス解消にアルコールを頼ることは大きな危険が伴います。アルコール依存症は、長期間の飲酒習慣が原因で起こります。飲酒量や二日酔い、飲酒中のトラブルが多くなり、お酒の飲み方 を自分でコントロールできなくなってきたら要注意です。本人はもちろんのこと家族等周りの人が初期段階での変化に気づき、断酒や早期受診等の適切な対応が出来れば、アルコール依存症の予防にもつながります。早期に医師や専門家の指導を受けることをおすすめします。何か困ったことがあれば、当院や愛知県精神保健福祉センター、保健所等に相談 をして下さい。
春になると歓送迎会等でまた飲酒の機会が増える方も多いと思います。その前に皆さんも一度飲酒習慣を見直してみてください。

参照:名古屋市 名古屋市医師会 健康指導シリーズ 健診結果 放っておくと怖いアルコール

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院長より

 今年もまもなく年末を迎えようとしております。10月中旬ごろまで暑い日が続いていましたが、あっという間に寒くなり、過ごしやすい季節も終わってしまいそうです。寒暖の差が激しい時期は自律神経に過剰な負荷をかけますので、動機やめまい、立ちくらみなど自律神経失調症状が悪化しやすい時期でもあります。症状でお困りの際はご相談ください。

 今年は当初インフルエンザワクチンの供給不足を指摘する新聞報道があり、当院でも正確な事実の入手を心がけ、混乱を防ぐよう心がけておりましたが、何とか安定供給が可能となったようなので、予防接種を開始しました。もう接種あるいは予約をされましたでしょうか。今年もすでに学級閉鎖があったようですが、接種後に免疫が作られるのには一ヶ月ほどかかりますから、なるべく早く接種しておいたほうがいいと思います。まだの方は早急にご検討ください。

 マイナンバー制度が施行され、マイナンバー通知カードの送付が始まっているようです。他人に安易に漏らしてはダメなようなので、その用途が法的に明らかでない場合には見せないようにするとか、厳重な管理が必要なようです。その用途とはまず社会保障と税、災害対策の分野での利用が開始され、その次には特定健診や予防接種、預金口座の個人情報が追加されることが決まりました。その後も用途を広げたいという政府の意図は明らかですので、むやみに広げさせないよう監視が必要です。また各種情報を同じマイナンバーだけで管理するのではなく、分野ごとに別の番号を使用するなど、情報漏えいのリスクに備えた運用が必要だと思います。また来年からは従来の住基カードに変わる個人番号カードの発行も可能となります。こちらは一枚で身分証の代わりにもなり便利だと思いますが、一方で紛失した際に危険です。そして身分証であれば持ち歩くことが前提なので、紛失の機会が増えてしまうことになりますし、他者にマイナンバーを見られる機会が増してしまうなどのデメリットもあります。その発行には十分ご注意ください。

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笑顔の効果

 みなさん、普段笑うことはどのくらいありますか?
笑顔であいさつをすることは、どのくらいあるでしょう?
 「笑い」には、こころやからだを元気にする効果があります。普段から笑顔でコミュニケーションをとることで、周囲の人と良い関係を保つこともできます。
積極的に笑うことで、こころもからだも元気にしていきましょう!
 
では、笑うとどのようなことが起こるのでしょうか?

1、ストレスが鎮まる
笑うことで酸素摂取量が増え、ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンのコルチゾールの分泌が減り、ストレスが鎮まるといわれています。特に、ゲームなど楽しいことをしたときに起きる笑いは、その効果が高いそうです。普段から趣味など、楽しんで笑顔が出るようなことをするように心がけるとよいでしょう。
2、安らぎを感じられる
 自律神経には、交感神経と副交感神経があり、ストレスが高いと交感神経が優位になります。笑うことで、副交感神経へスイッチが切り替わり、安心感や安らぎを感じられ、ストレスが解消されるといわれています。
3、血糖値が下がる
 糖尿病患者が積極的に笑うことで、血糖値が下がったという事例があるそうです。笑うことでストレスが軽減し、血糖値の改善に役立つこともあるようです。
4、免疫力が高まる
 笑うことでNK細胞が活性化された、という研究結果があり、笑うことは免疫力の向上に良い効果があるといわれています。
5、気持ちがよくなる
 笑うことで、エンドルフィンが脳内に分泌され、気持ちがよい体験をすることができるといわれています。たくさん笑った後は気持ちがすっきりした、という経験がある人もいるのではないでしょうか。

 このように、笑うことはこころとからだに良い作用をもたらすといわれています。
まずは、鏡をみて、自分に笑いかけることから始めてみましょう。最初は、意識して笑うようにしてみることで、だんだん楽しくなり、自然と笑顔がこぼれてくるものです。
 普段から、笑顔であいさつすることをこころがけるのもよいでしょう。笑顔であいさつをすることで、周囲の人とのコミュニケーションも円滑になり、毎日を楽しくすごせるでしょう。
 無理せず、自分に合った「笑えること」をみつけて、元気で楽しい日々をすごしましょう。
               (参考文献  高柳和江著 笑いの医力)

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「認知症の物忘れ」と「年相応の物忘れ」の違いについて

物忘れがあると「もしかして認知症なのでは?」と心配される方も多いですが、加齢にともなう年相応の物忘れと、認知症の物忘れには違いがあります。

《 普通の物忘れ・・記憶の帯から体験の一部を忘れてしまう 》
・体験や出来事の一部を忘れるが、体験の他の記憶 から忘れた部分を思い出すことができる
・物忘れをしたという自覚がある
・時間や場所、人物まで分からなくなることはない

《 認知症の物忘れ・・記憶の帯から体験全体が抜け落ちる 》
・体験や出来事の全体をまるごと忘れるので、ヒントがあっても思い出すことが困難
・物忘れをしたという自覚に乏しい                              
・時間や場所、人物などがわからなくなることがある

介護者を困惑させる言動、行為が起こる原因の例
 《 中核症状 : 脳の神経茶房が損傷を受けることによって起こる症状 》 
 記憶障害・・何度同じことを言っても理解してもらえない
       いつも探しものをしている

 言葉の障害(失語)・・簡単なものの名前が出にくい
            代名詞(あれ・それ)を使うことが多くなる

 見当識障害・・時や季節、自分のいる場所がわからない
        目の前の人が誰だかわからない

 実行機能障害・・料理など手順を踏んで実行する作業ができない
 
などの症状 + 不適切な対応、不快感、不安、焦り、身体不調
               ↓
         行動・心理症状が出現

 《 行動・心理症状 : 中核症状にその人の心の状態や周囲の環境が作用することによって出てくる症状 》
 妄想、徘徊、排泄の混乱、攻撃的な言動行為、食行動の混乱 等
こういった症状は、認知症の人が感じている身体の不調や精神的なストレスを取り除くことで緩和すること
 が可能です。
 
 
医療機関にかかるタイミング
普通の物忘れとは異なる「認知症の物忘れ」がみられたら、医療機関を受診しましょう。また、普通の物忘れでも、半年から1年といった短い期間で物忘れが急速に目立ってきたのであれば、早めに医療機関にかかることをお勧めします。
ご本人が受診を嫌がることも多いかと思いますが、そういった場合はまずはご本人が馴染んでいるかかりつけ医を受診して、そこから専門医を紹介してもらうといったかかり方もあります。当院でも、物忘れの検査は行っておりますので、気になる症状がある方は受診の際にスタッフにお気軽にご相談ください。

最後に、認知症が疑われるポイントをご紹介致しますので、セルフチェックにご利用下さい。

□ 直前にしたことや話したことを忘れてしまう

□ 何度も同じことを聞いたり、言ったりする

□ よく知っている人の名前を覚えていない 
  
□ 買い物に行く度いに同じものを買ってくる

□ 財布の中が小銭でいっぱいになっている(お金の勘定ができない)

□ 冷蔵庫に同じものがたくさん入っている

□ 料理の味付けが変わってきた

□ 置き忘れや、しまい忘れが目立つようになった

□ 好きだったことに興味や関心がなくなった

□ この半年から1年間くらいで急に物忘れが目立ってきた

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