高齢者肺炎球菌ワクチン

以前にも肺炎球菌ワクチンについて書いたことがありますが、昨年10月1日から平成31年3月31日まで高齢者の肺炎球菌ワクチンが定期接種となった為、今回は現制度の肺炎球菌ワクチンの対象者や自己負担金等についてのお知らせとさせて頂きます。(名古屋市の場合になります。)

★過去に1度でも肺炎球菌ワクチンを接種している方は以下を参考にして下さい。
過去に1度でも肺炎球菌ワクチンを接種している方は、65歳以上であっても定期接種、助成制度の対象者にはなりません。そして、2回めの接種を希望される方は、5年以上の間隔をあけて頂く必要があります。当院で高齢者肺炎球菌ワクチンの接種を開始した年に接種をされた方は今年度でちょうど接種から5年経つ為、2回めの接種は可能となります。しかし、2回めの接種を希望される場合は全額自己負担で8000円となります。

★まだ肺炎球菌ワクチンを接種したことがない方は以下を参考にして下さい。
定期接種
平成27年度の定期接種の対象者は以下になります。また定期接種の対象者は毎年異なるためご自身の生年月日と照らし合わせ、確認をお願い致します。自己負担金;4000円
(定期接種の対象者その1)
65歳となる方  昭和25年4月2日生~昭和26年4月1日生
70歳となる方  昭和20年4年2日生~昭和21年4月1日生
75歳となる方  昭和15年4月2日生~昭和16年4月1日生
80歳となる方  昭和10年4月2日生~昭和11年4月1日生
85歳となる方  昭和5年4月2日生~昭和6年4月1日生
90歳となる方  大正14年4月2日生~大正15年4月1日生
95歳となる方  大正9年4月2日生~大正10年4月1日生
100歳となる方  大正4年4月2日生~大正5年4月1日生

(定期接種の対象者その2)
60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活が殆ど不可能な程度の障害がある方

名古屋市における助成制度
名古屋市では65歳以上で定期接種の対象年齢に該当しない方でも定期接種と同額の自己負担金で高齢者肺炎球菌ワクチンが接種可能という独自の助成制度を行っている為、以下の方が助成制度の対象となります。自己負担金;4000円
(助成制度の対象者その1)
昭和26年4月1日以前のお生まれの方
(助成制度の対象者その2)
60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能障害、HIVによる免疫機能障害があり、その程度が身体障害者1級相当である方

少しわかりにくいかもしれませんが、名古屋市にお住まいの方は上記の助成制度がありますので、定期接種、助成制度の対象者の方共に自己負担金は4000円となります。

自己負担の免除制度
定期接種、助成制度の対象者の方であり、以下に含まれる方は自己負担が免除となりますので、確認をお願い致します。免除の対象者であっても、すでに自費で接種を受けてしまった場合は返金できませんのでご注意ください。
・生活保護世帯に属する方
(区役所民生こども課で生活保護受給証明書を取得してきて下さい)
・市民税非課税世帯に属する方
(保健所で市民税非課税確認書を取得してくるか、「介護保険料納入通知書(最新のもので保険料段階が第1から第4段階のものに限る)の写し」を提出して下さい)
・中国残留邦人等支援給付を受給されている方
(本人確認証の写しを提出して下さい)

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院長より

 名古屋の梅雨開けはまだですが、梅雨入りしてからの日中の雨量は少なく、九州地方で起こっているような集中豪雨が今年も当地で起こることが心配です。またこのような時期は大気が不安定なので、精神的にも不安定になりやすいので、ご注意ください。

 さて予約診療を開始して1年が経過しました。待ち時間やうっかり薬を切らしてしまうことが減ったと、おおむね好評のようですが、何か不都合はありませんでしょうか。何かございましたら、遠慮なく、職員までお知らせください。

 今年10月からマイナンバー通知が始まり、来年1月から利用が開始される予定です。マイナンバーの正式名称は「社会保障・税番号制度」で「福祉」「税務」「住基」等の個人情報が一括管理され、いずれ「銀行システム」にもヒモ付けされるそうです。メリットとしては「消えた年金」のようなことが起こらなくなりますが、デメリットとして情報漏えいの心配があることと行き過ぎた運用をされないかという心配があることです。実際今年6月に日本年金機構から個人情報漏えいがあったことが発表されたばかりです。今回は年金の不正受給に利用されないか心配ですが、これがマイナンバーだったとしたら、さらに被害が広がってしまいます。メリット、デメリットを勘案し、扱う情報の範囲を検討する必要がありますし、データ漏洩の責任を取らされることを考えるとできれば医療分野には入ってきて欲しくないと思ってしまいます。

 また今年5月26日より空き家対策の特別措置法が施行されました。空き家の防災、防犯、衛生、景観等の面から地域の生活環境に大きな影響を及ぼしていることから行われた対策です。罰金や強制撤去、増税などの対象となるようです。最近住宅の撤去、立て替えが目立つと思っていましたが、この法律が関係しているのでしょうか。皆様も空き家等をお持ちならご注意ください。

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ストレスを感じた時は、早めに対処しましょう

ストレスとは?
 ストレスとは「心身に負荷がかかった状態」と考えられています。そして、心身に刺激を与えストレス反応を起こすものを「ストレッサー」、それにより心身に負荷がかかっている状態を「ストレス状態」といいます。ゴムボールを上から押しつぶした状態を思い浮かべてください。ボールをへこませている手の力が「ストレッサー」、それによりボールがへこんでいる状態が「ストレス状態」と考えてみるとわかりやすいのではないでしょうか。

ストレスを受け続けるとどうなる?
 外部からのストレスを受けると、身体は一旦ショックを受け、こころやからだに様々な症状がでることがあります。しかし、人間の身体は、心身のバランスを保つために自動的に抵抗力を高めて対応し、ストレス反応を抑えようとします。先ほどのゴムボールの例でいうと、へこんだ後、元に戻ろうとする力が、この抵抗力にあたります。しかし、長期間ストレスを受け続けてしまうと、次第に抵抗力が失われていき、ストレスに対抗できなくなっていきます。ゴムボールに力を加え続けると、割れてしまい、元に戻らなくなってしまいます。この状態が、抵抗力が失われた状態です。そうなってしまうと、抵抗力で一旦抑えられていた症状も、悪化してしまいます。症状の悪化を抑えるためにも、早めの対処が重要です。そのストレスの段階には、以下の3つの段階があると言われています。

1、警告期
 ストレスを受けることで、身体が防衛体制をとる時期です。この時期には、こころとからだが様々な危険信号を発し、警告を出します。その信号には、以下のようなものがあります。
・しっかり休んでも、疲れが抜けない
・血圧が不安定になる(ばらつきがでる)
・普段よりもイライラしやすくなる
・普段よりもミスが増える  など
この時期の対策としては、適度に休息をとったり、好きな趣味を行うなどの方法でこころとからだをリフレッシュする、ということが有効です。普段から継続的に行っておくと良いでしょう。

2、抵抗期
 身体がストレスに反発・抵抗をし、ストレス反応を抑えこんでいるため、ある程度安定して過ごすことができる時期です。とはいえ、長期的にストレスを受け続けたり、ストレッサーが増加することがあると、簡単に状態が悪化し、次の段階である「疲弊期」に入ってしまう可能性があります。この時期の信号には、以下のようなものがあります。
・血圧の変調が本格化する(血圧の不安定さがより悪化する)
・血糖値が上昇してくる
・仕事や家事を抱え込んだり、休みをとらなくなったりする。 など
この時期では、抵抗を続けている状態となるため、無理をせず早めに休息をとり、心身を休ませる必要があります。仕事や家事で忙しくても、無理な活動はせず、しっかり休養をとるようにしましょう。多くの場合、この時期に適切な対応を行えば、大きな問題にはいたらずに心身の状態を復調させることができます。   

3、疲弊期
ストレスを受け続けることで、心身が疲れきってしまい、自分の力ではどうにもならなくなってしまう時期です。この段階までくると、休息や趣味などでのリフレッシュだけでは、体調を整えることが難しくなります。この時期の信号には、以下のようなものがあります。
・集中力や記憶力が低下し、普段できていたことができなくなる
・踏ん張りがきかなくなり、それまで問題なくこなせていたようなことでも耐えられなくなる
・何もする気がなくなる
・うつ病の症状や、心身症(身体に症状がでる。頭痛、腹痛など)といった病気を発症する。など
この段階にいたった際は、一刻も早い専門医への受診をおすすめします。

社会生活をおくる上で、全くストレスがない状態を作ることは難しいものです。自分でも気づかない間にストレスを受け、症状がでてくることもあるでしょう。疲労が貯まった状態で頑張り続けてしまうと、こころの病を発症するリスクが高くなります。そうなってしまう前に、こころやからだからのストレスサインを受け止め、適切に対処し、こころの健康を保ちましょう。

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クーラー病

今年の夏は関東から東海でかなり暑く、既に職場や自宅でクーラーを利用している方も多くいらっしゃると思います。
1日中キンキンに冷えた室内にいることが多く、クーラー病になってしまったという経験はありませんか?
夏バテと混同されがちなクーラー病ですが、たしかに、身体がだるい、食欲がないといった症状は同じです。しかし、クーラー病は室内と外気の寒暖の差が原因で起こります。暑い外気に触れることで血管が拡張し、体温の放出作用が働きます。一方で、涼しい室内では冷房で血管が収縮し、体温を保とうとします。クーラーのかかった冷えた部屋と熱い野外との行き来をすることで、寒暖差に自律神経がついていけなくなり、バランスが崩れてしまうことが原因となっています。よって、夏バテの対処は「暑さを避ける」のに対し、クーラー病は「体を温める」ことが対処法になります。

『クーラー病にならない為の対策』
・日中クーラーのかかった室内で長時間過ごす場合、カーディガン等羽織るものを用意して肌に直接冷気が当たらないように気をつけましょう。

・凝りをほぐし、血行を良くするためにストレッチや散歩、軽い運動を心がけましょう。
・人間が対応できる温度変化は5度以内と言われています。外気との温度差は5度以内にすると良いでしょう。冷房の場合、27~28度の室温にしておくのが最適です。

・夜更かし等で生活リズムや身体のリズムがずれてくると自律神経のバランスが悪くなります。できるだけ規則正しい生活をしましょう。

・身体の芯まで温める為、シャワーで済ませるのではなくぬるめのお湯にゆっくり浸かることも大切です。

・身体を内側から温める陽性食品(しょうが、ねぎ、にんにく等)をとるように心がけましょう。

・寝る時は腹部等の大幹部や足先はできるだけ冷やさないよう、扇風機や冷房の風邪が直接当たらないよう注意しましょう。

ここにあげたことを全て実行することは難しいかもしれませんが、少しずつ意識して過ごすことでクーラー病を予防しましょう。

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