2007年5月心理室より

リラクゼーション
【リラクゼーションいたしましょう】
 リラックスを生み出すもの。それは、セロトニンという脳内物質です。
 セロトニンのおかげで、私たちは、リラックスできるのです。

【セロトニンとは?】
 脳内で分泌される、神経伝達物質のひとつです。他の神経伝達物質である、ドーパミン(喜び、快楽を司る)やノルアドレナリン(恐れ、驚きを司る)などの情報をコントロールして、精神を安定させる働きがあります。このセロトニンの分泌が低下すると、不安や、うつ等の精神症状を引き起すといわれています。

【セロトニンが少なくなるとどうなるのでしょう】
 感情にブレーキがかからなくなる。
 精神が不安定になる。

【あなたの生活は、大丈夫?】
 現代社会の中では、動かない、姿勢が悪い、日光にあたらない、偏った食生活、ストレスが多い等など、セロトニンの分泌を抑えがちな生活をしています。

【では、セロトニンの分泌を促進させる為には、どうしたらよいのでしょう】
・ 日光にあたる
・ リズム運動をする
・ 意識的に呼吸する
・ バランスのとれた食生活
・ 笑う(作り笑いでも可)
・ 音楽鑑賞

 この中から、リズム運動、呼吸法、食生活について紹介します。

【リズム運動】
チューイングガムを噛む:実は、咀嚼はリズム運動。大リーガーの選手たちが、ガムを噛みながらプレーしているのは、わざわざメンタルトレーナーが、指導しているのだそう。
散歩をする:だらだら歩くのは効果なし。歩く事に集中する。歩く事を考えながら歩く。呼吸を意識しながら歩く。その他、自転車こぎ、ダンス、水泳、歌をうたう。

 少し負荷を加えながら、意識的にリズム運動を行なう事が、セロトニンの分泌を促がします。集中して単純なリズムの運動に、意識をし、繰り返す。それを5分から20分くらい続けましょう。疲れるほどすると、逆に、セロトニンの分泌が抑えられてしまいますので、ご注意を。

【呼吸法】
1. 背筋を伸ばす。
2. お腹の奥から胸全体の順で意識し、大きく息を吸い込む。
3. お腹に力をいれることを意識しながら、ゆっくりと息を吐き出す。
 1回の呼吸は1~3回。1日3回続けましょう。自律神経機能の改善効果が期待できます。

【食生活】
 セロトニンの原料となるトリプトファンはアミノ酸の一種で、タンパク中の含量が少なく、不足しがちです。赤身の魚、肉類、レバー、乳製品、納豆、豆乳、鶏卵などに比較的多く含まれています。バランスの良い食事を心掛けましょう。

 リラックスした気分になる為には、セロトニンは欠かせません。毎日の生活の中に、このようなリラクゼーションを取り入れてみてはいかがでしょう。

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2007年5月

五月病
 5月になり、そろそろ学校や会社にもなれてきた頃なのに、何となく気が滅入って勉強や仕事に身が入らない、集中できないなどの症状の方はおられませんか?「五月病」は新入生や新入社員に限らず、また5月に限った病気ではありません。新しい環境の変化についていけず、知らず知らずのうちに自分の殻の中に閉じこもりがちになる「心のスランプ」の状態を言います。

【原因はあるの?】
 新しい環境で生活をするということは、大きな変化が1度に降りかかり、肉体的にも精神的にもくたびれてしまいやすいものです。4月は新しい生活に早く慣れることや新たな人間関係を築くことにエネルギーを使い、これが5月に入ってからストレスという形となって、体や心の重荷となっていくのです。それには本人の性格も関係しており、同様のストレスがかかっても、非常に負担になる人もあれば、上手く乗り越える人もおり個人差があります。

【どんな症状が出るの?】
身体的な症状
 食欲不振、疲れやすい、不眠、朝起きられない、頭痛、めまい 動悸、肩こり、腹痛、便秘など。

精神的な症状
 憂うつ、イライラ、不安、自信がなくなる、やる気が出ない、何をしても楽しくない、判断力や思考力が低下するなど。

【五月病を防ぐにはどうしたらいいの?】
○気分転換をしましょう! 
 焦ったり、悲観したりしないで、「マイペースでやろう」とゆったり構えることが大切です。自分のストレスの原因を探り、ストレスの解消を図りましょう。スポーツや音楽、読書など、自分にあった解消法を探してみましょう。

○おしゃべりをしましょう! 
 家族や友人に愚痴を聞いてもらったり、とりとめのない話をすることも効果的です。話をするだけで気持ちの整理がついたり、考えがまとまったりすることがあります。 五月病はいつの間にか治ってしまうことも多いのですが、症状が重いときは長引いたり、うつ病になってしまったりすることもあります。そのような場合は早めに病院へ行くことをお奨めします。
 

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2007年3月院長より

今年の冬は昨年と異なり、豪雪地方でも極端に積雪が少なく、例年ならかなり寒い2月に暖かいなど観測史上初とも言われる暖冬であり、異常気象が始まっている証拠と考えている方もいるようです。もしこの暖冬が地球温暖化のためであり、このまま地球温暖化に歯止めがかからない場合、世界規模の異常気象は農作物の不作による飢きん、自然災害、疫病を引き起こし、世界経済に与える影響は多大なものとなるといわれています。この地球温暖化をもたらしているのが、大気中の二酸化炭素の増加で、その原因は化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)の消費にあるということで、元凶である二酸化炭素の排出量減らす世界規模の運動が起こってきました。しかし、これら科学燃料は現在の生活を営む上では不可欠な物であり、二酸化炭素の排出量の削減を求めた京都議定書は、開催国の日本も守れない状態であり、最大の排出国であるアメリカはこの議定書に参加していないなど十分な効果が挙げられるのか疑問です。もっとエネルギー効率をあげる技術の開発、自然のエネルギーの活用法等が必要ですが、前提である地球温暖化が起こっているということ自体が間違っているという説もあるようです。長い地球の歴史の中で、長期間気候が安定していたことはなく、昨今の気候の変動は地球規模の変動の周期に過ぎないとの考えのようです。その他太陽活動の影響だとか、二酸化炭素以外の大気中の物質の影響だとか、種々の説もあるようです。本当に正しいことが何かが判明するにはまだ時間がかかりそうですが、人間だけが無計画、無節操に地球を汚していくことはやはりよくないので、エネルギー資源も食料資源も大切にしていくことが必要だということに変わりはないように思います。皆が少しずつ気をつけることしかできませんが、それが結局大きな力となっていきます。
皆の力で地球を守りましょう。

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2007年3月心理室より

パワーハラスメント

職場で、学校で、家庭で、あなたはストレスを抱えていませんか?それは、パワハラかもしれません。

【パワハラってなに?】
○パワーハラスメント 
力の強い立場の人が反抗することのできにくい力の弱い立場の人に対して行われます。会社で上司が部下に言葉や態度による暴力を振るったり、できもしない執拗な要求で精神的に苦痛を与えることです。

○あなたの職場で上司から以下のようなことをされたとしたら?
不当に評価を下げられる
お前が仕事ができないのが悪い
権限も無いのにクビをちらつかせる
身体的、精神的暴力を振るわれる
言葉の暴力によって体調を崩した
人権を無視した言動や扱いを受ける

また、会社だけなく身近で起こるパワーハラスメントは、家庭での「DV」(ドメスティック・バイオレンス)、学校では「いじめ」にあたります。

上司によるパワハラをきっかけに、心の病に発展するケースは珍しくありません。精神疾患の問題はうつだけではなく、そう病や心身症などもあります。心身症は、心の病が体の症状として出る病気で、代表的なものには、出勤や重要な会議の時間が近づくとトイレに行きたくなる過敏性大腸症候群などがあります。しかし、今の日本企業では、こうした被害で生じた病気に対して、ほとんど対策がとられていないのが実情です。このような被害には適切な相談場所が非常に少なく、「相談できずに悩んでしまう・相談した所で逆にいろいろ責められた」など、まだまだ被害の救済が及んでいないのが現状です。

では、このような被害にあった場合、どのように対処したら良いのでしょうか。セクハラやパワハラの被害者には自分自身を責めてしまう方が多く、「はっきりと拒絶できなかった」とか「自分にも少し悪い所があったのかもしれない」と必要以上に考え込んでしまうのです。「自分が望んでいないことをされた」それによって「損害を受けた」そのような場合には、泣き寝入りしないで、きちんと対処していきましょう。
 
【事実を記録に残しましょう】
事実はどうなっているのか冷静に記録し(いつ、どこで、だれに、どのように等)、書き出すことによって、何が起きているのかを客観的に把握しましょう。    
・上司から不条理だと思うことを言われたら、その言葉や行為を覚えておく。(これらは最終的に裁判になったときに証拠となり有効です。)
・ひとりで悩まず、職場内で相談できる人を作る。
・外部機関と相談する。
・自分の態度や方針を決める。
 つまり、感情的にならずに、事実を冷静に把握し、それに対して自分の意思を明確にして、職場内また職場外と相談し、解決に向けた行動をするということでしょう。

 セクハラは、今日概念が確立されているため、大手企業は特に敏感です。平成11年4月の改正男女雇用機会均等法の施行によって、企業に「セクハラ防止策」が義務づけられましたし、社会的にも広く認知されるようになりました。これに対して、パワハラは、何の対策もないどころか、概念がまだ認知されていないので、被害に遭っている本人も、それがパワハラだと認識していなかったり、加害者も通常の「指導」の範疇に過ぎないと感じていることが問題です。
 しかし時代は変わり人権意識が高まり、社内の暴力・いじめ・嫌がらせによる人権侵害や、うつ病・自殺が犯罪として告発されるようになりました。パワハラによるうつ病や自殺が労災と認定されるケースも報告されています。
 近年、パワハラがクローズアップされてきました。一人で悩みストレスを抱え込む前に、パワーハラスメントというものをよく知り、対処できると良いでしょう。

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