2011年1月

仮面うつ病
「仮面うつ病」という言葉はしばしばマスコミによって取り上げられていますので、ご存知の方も多いかと思います。「仮面うつ病」という言葉は、950年代頃から使われ始めました。身体症状が精神症状を隠している(masked:仮面)という意味です。また、「抑うつのないうつ病」とも言われています。

うつ病の症状には、精神症状と身体症状があります。精神症状としては、睡眠障害、興味関心・意欲の減退、抑うつ気分、不安感、焦燥感などがあります。身体症状としては、食思不振、倦怠感、頭痛、肩こりなどがあります。うつ病では、精神症状と身体症状の両方が現れますが、その現れ方は人によって異なり、中には身体症状が強く出て、精神症状はあまり見られない人もいます。そのような状態のことを、うつ病の精神症状が身体症状という仮面を被っているようであることから、仮面うつ病と呼ばれています。仮面うつ病の人は身体症状により、内科を受診し、検査をするが異常がないということで治療ができない、または気休め程度の薬を処方されるということがあるようです。身体症状が気になり病院に通院しているが、特に異常がなく、症状に改善がない場合には、うつ病が潜んでいる、仮面うつ病の可能性があります。中には、「身体の病気だから精神科を受診する必要はない」と思われる方もいるかもしれません。仮面うつ病は、うつ病の形態の一つであり、その対処や治療法もうつ病と同じで、服薬と休養が必要となってきます。
うつ病になる人の特性として、真面目で頑張り屋な人が多く、精神的に疲れているということに気づかない人も多いようです。ですから、周りの方が変化や異変に気づいたり、無理をし過ぎているのではないかと感じられた際には、声をかけ休養を促したり、病院を受診するように勧めるようにしましょう。

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