2011年11月

秋の花粉症
 10月も終わり、紅葉等も見頃もピークを迎えています。紅葉といえば、秋。そんな秋は季節の変わり目でもあります。最近やけにくしゃみや鼻水が出て、変わり目に風邪をひいたのかなと思っていたら、実は花粉症だったという経験はありませんか?

 春の花粉症はよく聞きますが、実は秋にも花粉症があります。花粉症というぐらいですから、くしゃみや鼻水の原因は花粉にあるのですが、春の花粉症と違い秋の花粉症はオオブタクサやセイタカアワダチソウ等、草の花粉が主な原因です。またこの花粉以外にもイネやキクなどの花粉もそうですね。

 ブタクサ          8月~10月
 ヨモギ           8月下旬~10月
 カナムグラ        8月下旬~10月上旬
 セイタカアワダチソウ  9月下旬~11月
 イネ            7月下旬~8月

◆花粉症と風邪の見分け方◆

 風邪は、目のかゆみはなく、発熱があったり粘り気のある鼻水がでたりといった症状が長くても一週間程度続きます。
 それに比べ、花粉症は水っぽい鼻水がでたり、目のかゆみがあったり、微熱が出たりします。症状は花粉が多くなるシーズン中ずっとということもあるので数ヶ月続くこともあります。

◆花粉症の予防方法◆

 秋の花粉症の原因植物は春のスギ等と違い数十mくらいしか花粉が飛散しないので、原因植物に近寄らないだけでも十分予防できます。帰宅した時、家に入る前に玄関先で服をはたいたり、うがいや目を洗ったり、洗顔や手洗いも花粉を落とすことができます。 ストレスを溜めないようにしたり、睡眠を十分にとることも免疫力をあげるのに効果的です。バランスの良い食事に気をつける等、生活習慣を見直すのも良いかもしれません。

◆花粉症の治療◆

 花粉症の治療方法は大きく分けて、抗アレルギー薬によるものとステロイドによるものがあります。抗ヒスタミン薬での治療は花粉症でよくみられる、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の痒みといった、既に出てしまったアレルギー症状を緩和するためのものです。即効性には欠けるものなので、花粉の飛散時期が始まる半月くらい前から服薬を始めると良いともいわれています。

 花粉症などのアレルギーは、症状が悪化すると治療が難しくなり、薬も効きづらくなります。その為、症状が軽いうちに薬を服用したり、花粉を身近に持ち込まないようにしたりと予防を心がけることも大切です。

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2011年9月

暑い夏が終わり、日中と夜間との寒暖の差が大きくなって おり、心身のバランスが
乱れやすくなっております。皆様くれぐれもご自愛ください。
 最近急に突然の雷を伴った大雨が増えたと思いませんか。 大粒の雨が大量に降り、さっと止む所を、ある方は熱帯地方のスコールのようで、地球温暖化の現れだといい、ゲリラ豪雨とかゲリラ 雷雨と呼ぶこともあります。いつどこで発生するかを予知することはできないそうですが、ゲリラ雷雨に遭遇してしまった時、気をつけた方が良い点がいくつかあるそうです。避雷針がある建物があればその中に逃げ込むのが一番ですが、もし、ない場合は木の根元は避け、最低数メートル以上離れた所に両足をそろえてしゃがみ込むようにしてください。金属のものは外すよう教えられた方もいらっしゃると思いますが、これはあまり関係ないそうです。
 インフルエンザの予防接種の時期が近づいてきました。今年も昨年同様に実施される予定ですが、まだ詳細は未定です。確定した情報は随時お知らせしますので、院内の掲示等にご注意ください。また来院時に、お気軽に職員にご質問ください。
 政局は相変わらず混乱し続けています。自民党政権時代、 選挙によらず総理大臣が次々と変わることを散々批判してきた民主党が同じことを繰り返しています。こんなことで我が国の未来はあるのでしょうか。毎回同じことを言っている気もしますが、そういう議員を選んでいるのも我々有権者です。貴重な一票はよく選んで 有効に活用しましょう。それ以外に我が国をよくする方法はないのですから。

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2011年9月

学習性無力感
 学習性無力感 長い間ストレスを受け、そのストレスを避けることが難しい環境にいた人が、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなること。
 「何をしても意味が無い」ということを学習してしまうこと。
 うつ病になってしまう背景の一つとされていますが、詳しいことはわかっていません。

 通常であれば人はストレスに対する対処を意識的に行うことが出来ますが、長期に渡って人が監禁されたり、暴力を振るわれたり、自分の尊厳や価値がふみにじられるような場面にあった場合、次のような徴候が現れるといいます。

①ストレスが加えられる状況から、自分から積極的に抜け出そうとする努力をしなくなってしまう。
②少し努力をすれば、その状況から抜け出すことができるとしても、「努力すれば成功するかもしれない」ということすら考えられなくなってしまう。
③ストレスに対して何も出来ない、ストレスから逃れられないという状況の中で、心身に混乱をきたしてしまう。

特殊な状況でなくても、無力感を学習してしまうことはあります。

 例)学校において“落ちこぼれ”てしまっている子ども

「何をしても無駄だ」と思ってしまうと、できるはずのこともできなくなってしまう視点を変えれば、きっとまだできることや効果のあることはあるはずです

学習性無力感から抜け出すためには 
*「決してあきらめない」
*周囲のサポート:無力感を感じている人を「褒める」こと・「尊厳を尊重する」こと
*ストレスコーピングの力をつけること
 
ストレスコーピング ストレスに対処しようとすること
★問題焦点型対処:ストレスそのものを変化させて問題解決しようとすること
原因をはっきりさせ、そのストレスを減らすにはどのようにすれば良いか調べ、自分で状況を変えるというもの

 例)満員電車がストレス→早い時間に家を出てラッシュにぶつからないようにする

★情動焦点型対処:ストレスに対する考え方や感じ方を変えようとすること

 例)対人関係にストレスを感じている→周りの人や環境を変えようとするのではなく、

 自分の感じ方や考え方を変えて適応できるようにする
 過剰なストレスが長くかかると、身体や心への様々な悪影響が考えられます。

☆健康を維持するためには…
 状況に応じてストレスコーピングの方法を変えて対処することが大切

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2011年9月

骨粗鬆症
 骨粗鬆症とは、骨の量が減って中身がスカスカになり、もろくなってしまう病気です。わずかな衝撃でも骨折しやすくなり、要介護状態、寝たきりになってしまう方も多くいらっしゃいます。ほとんどの方は加齢により骨密度が減っていきますが、無理なダイエットや偏食などによるカルシウム不足でも骨がもろくなってしまったり、女性の場合は閉経による女性ホルモンの減少が原因で骨粗鬆症になることもあります。
 骨密度が減少すると、自分の体の重みなどでも圧迫骨折(背骨が圧迫されてつぶれてしまうこと)を起こし、腰や背中に痛みを伴ったり、背中が丸くなり、内臓が圧迫されるために消化不良や便秘になったりします。
 ただし、背中が丸くなることは年齢とともに徐々に起こる事ですし、痛みがない場合もある為、自覚症状が乏しく気づいたときには症状がかなり進行していたなんてことも少なくありません。その為、骨密度を定期的に測定することが大切です。

 名古屋市でも骨粗鬆症の検診を実施しており、当院でも受けることができます。対象者は以下の方々です。

●対象者 今年度中に40.45.50.55.60.65.70歳になられる女性の方
●検診料 500円 
    40.50.70歳の方は無料で受けることができます。

また、当院では検診とは別に保険診療にて骨密度を4ヶ月に1度のペースで計測し、経過を見ていくといった定期的な測定も行っています。希望される方は、職員にお声かけ下さい。

骨粗鬆症の予防と改善
骨を丈夫にする為には日常生活での食事療法、運動療法、日光浴などが重要です。

【運動療法】
 運動不足は骨密度を低下させる要因の一つです。毎日30分~1時間ほどの散歩や軽い運動等をゆっくり時間をかけて行いましょう。また、日常生活の中でも家事をしたり、積極的に階段を使うといったことでも効果があります。ただし、くれぐれも無理だけはしすぎないようにしましょう。

【食事療法】
 食事の中で骨に良いものを摂るよう心がけましょう。カルシウムを多く含んだ食品や、カルシウムを吸収しやすくしてくれるビタミンDや体を作る為に重要なタンパク質などを摂取しましょう。特に、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は不足がちにならないように注意しましょう。

<主な食品>
・カルシウム食品…牛乳・乳製品・小魚・野菜・海藻など  
・ビタミンD食品…サンマやイワシ、サバ、ニシンなどの魚類全般、また干し椎茸やきくらげなどの干したキノコ類
・タンパク質…鶏のササミ肉やモモ肉、豚・牛ヒレ肉。他にもサンマや鮭、ウナギ、マグロ・カツオなどの魚類や、卵、大豆(大豆製品)など
                            
【日光浴】
 最近は日差しも弱く気温も下がりはじめ、日光浴もしやすい気候になってきたかと思います。食事療法でも紹介したビタミンDは食物から摂取するだけでなく、日光を浴びると体内で作られ、骨を丈夫にしてくれます。しかし、過度な日光浴は皮膚がんを発症する原因ともなりますので、強い日差しでは5分程、弱い場合には30分を目安にしましょう。

強い骨を保つためにも定期的に検診等を受け、日常生活の中から気をつけてみましょう。

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