2012年1月

明けましておめでとうございます。昨年は大震災とそれに起因する原発事故に象徴される永く記憶にとどまりそうな大変な年でした。今年は一体どんな年になるのでしょうか。事故後の対応などにより、ますます政治、政府に対する不信感を強めてしまっていますが、それを払拭するような対応は、政府予算案を見る限り多くの期待は持てないように感じます。
 ただ、政治を見守り、選挙を通して意見を伝える事は国民、県民、市民として大変重要な活動ではありますが、その一方で人任せで良いのか、とも思います。例えば幸せとは何でしょうか。他の人と比べてお金がある事でしょうか、より良い仕事、地位についている人でしょうか、きれいな奥さん、イケメンの夫がいる事でしょうか。幸せかどうかの基準は皆様色々な思いはあるかと思いますが、結局は人と比べてうんぬんではなく、自分がどう感じるかではないでしょうか。他者から見て悲惨な状況に見えても、本人が幸せだと感じていること、これが一番大事な事ではないでしょうか。昨年ブータンという国の国王が来日し、物質的、経済的に豊かな国ではなく、精神的に豊かな国、貧しくても幸せだと感じられる国を目指していると報道されました。実際には貧富の差が少しずつ拡大し、報道の通りとはいかないようですが、精神的に豊かな事、つまり幸せだと感じられる国民が増えることが大事な事だと思います。
 皆様、今幸せですか? 他者との比較ではなく、いつも幸せだと思える一年にしていきたいと、私は思っていますが、皆様はどうされますか。

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2012年1月

傍観者効果
 皆さんは、道端で困っている人を見つけたとき、具合が悪そうでぐったりしている人を見つけたとき、もし、その場に助けられる人が自分だけしかいなかった場合、何とかその人を助けるための行動をとるのではないでしょうか。
 しかし、もしその場に沢山の人がいたらどうでしょうか?

 昔の心理学者の研究で、助けを必要とする人がいても、その場に沢山の人が居合わせた場合に援助活動をする割合が減ってしまうということがわかりました。
なぜだかわかりますか?
 その理由の1つ目は、援助しようとする場に沢山の人がいると責任が分散されてしまうことが挙げられます。一人だと100%ある責任が二人だと50%というふうに、減ってしまうように感じられてしまうのです。
 2つ目の理由は、人は他者の行動を見てから自分の行動を決めがちであるためです。例えば、沢山の人がいる部屋で煙が発生した場合でも、誰も逃げる行動を取らなければ、皆がいるので大丈夫だと思い込んでしまうような行動のことをいいます。
 もし、あなたが、とても困った状況に陥って助けを必要とするようなとき。そして、周りに沢山の人がいた場合・・・

  皆が知り合いの場合:助けてもらいたい人の名前を呼んで、具体的に助けてもらいたい内容(救急車を呼んで下さい、等)を伝えると良いでしょう。
  知り合いが全くいない場面:助けてもらいたい人の具体的な特徴(そこの赤い服を着た男の方、等)を挙げてお願いすると良いでしょう。

 他者の行動を見て自分の行動を決めることは決して悪いことではなく、社会に適応するためには必要なことでもあります。ですが、災害時や緊急時などに、集団ではこのようなことが起こりやすいことを知っておくと、自分の身を守る役に立つことがあります。集団では自分の位置づけや役割というものがあり、それは家族においても同じです。相手がわかってくれているだろうと思っていることでも、実は伝わっていなかったり、責任が分散されてしまって、歪が生じることも少なくありません。
 この機会に自分の属する様々な集団においての、自分の行動や役割について考えてみてはどうでしょうか?

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2012年1月

シナモン
 明けまして、おめでとうございます。新春とは申しながらまだ厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。今回はシナモンの意外な効能についてご紹介したいと思います。シナモンとは、クスノキの一種の樹皮をはぎ取って乾燥させた物です。日本名は桂皮や肉桂とも呼ばれ、薬用に用いられたり、香辛料やお菓子作りにも用いられる食材で、奈良時代より伝わっていたそうです。

例えばニッキ飴や八つ橋など、ニッキというとわかりやすいかもしれません。他にも、シナモンロールやアップルパイなど、お菓子作りに広く用いられており、中東や北アフリカでは香料として料理にも用いられています。薬用としてはシナモンには抗菌作用や発汗作用・健胃作用、血行を改善して冷え性や肩こりを解消するなど、薬用としては多くの健康効果があるといわれています。近年、このシナモンに血糖値や中性脂肪、コレステロール値等を下げる働きがあることが発見され新たに注目を浴びています。

アメリカの医師リチャード・A・アンダーソンの実験によると、一日一グラムのシナモンを摂取しただけで、糖尿病の患者さんの血糖値が下がったという結果が得られたそうです。また、この実験で、血糖値だけでなく、中性脂肪、コレステロール値も下がったという結果がでたそうです。これはシナモンに含まれる《プロアントシアニジン》という成分がインスリンの分泌を活発にし、すみやかにブドウ糖の取り込みを促したためだと考えられています。
しかし、取り過ぎは体に害があることもあるので、摂取量は一日一グラムまでにしておいたほうがよいと言われています。また子宮に対する刺激が強いので、妊娠中の方はシナモンを避けたほうが無難です。シナモンはこのような働きのため、古くから漢方など広く使われていたのでしょうね。みなさんも手軽な紅茶等からはじめてみてはいかがでしょうか。

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2011年11月

早いもので、今年もまもなく終わろうとしております。今年は東日本大震災があり、原子力発電所の事故も加わったため、未だ復旧、復興の足かせとなり、日本経済の停滞、悪化が心配されます。 先日名古屋大学減災連携研究センター客員教授隈本邦彦氏のご講演を聞く機会がありました。氏はNHKに勤務されていた際、科学報道や防災報道に関わってきた経験を生かし、現職につかれているそうです。阪神淡路大震災は直下型地震であり、非常に多くの負傷者がでたこと、死者の8割以上が建物の倒壊や家具の下敷きになって死亡したということ、被害は古い建築基準の建物に集中していたことなどが教訓であったそうです。それと比較して東日本大震災は巨大津波による溺死が死者の大多数を占め、非常に広域に被害が及んだ事と原発事故が付け加わった事が教訓であり、それぞれの教訓に学んでいかなければいけないとの事でした。そこで防災を考えた場合、旧建築基準の建物は耐震診断を受け、耐震補強を受ける事が重要との事でした。建物や家具が倒れなければ、圧死もなく、火事も起こらないからだそうです。そして津波や液状化などの被害を受けないようにするには地盤のしっかりした所に住むようにすべきとの事です。しかしながら実際の対応は困難ですから、普段から2階建て以上の避難場所を確認し、避難経路を確認し、時々避難訓練を行う必要がありそうです。
 政府は社会保障と税の一体改革成案で、受診時定額負担制度の導入を検討しているそうです。受診するたびに百円を徴収しようとするものです。一度導入されればいずれ五百円、千円になっていく恐れがあり、所得の少ない方、受診回数の多い病状の安定しない方には大きな負担になります。受診を差し控え、手遅れになってしまう事にもなりかねません。この制度導入に反対する署名をお願いする事になるかと思いますので、その折には是非ご協力をお願いいたします。

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