2012年7月

特定健診
 夏本番が迫っておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 今回は、特定健康診査についてです。
 皆様のもとに大きな封筒が郵送されていているかと思います。その封筒の中には、特定健康診査の受診券がはいっております。一度、中身をご確認下さい。

 ●名古屋市国民健康保険・後期高齢者医療の場合●

 【対象】
平成24年9月30日までに名古屋市国民健康保険に加入されている方のうち、昭和12年10月1日から 昭和48年3月31日生まれの方、後期高齢者医療被保険者の方です。
 
 【受診期間】
一年に一度受診が可能で、今年度の受診期間は平成24年6月1日~平成25年3月31日です。後期高齢者の方は平成25年2月28日までですので、お気をつけください。

 【健康診査の内容】
すべての方の受診項目は、問診、診察、身体計測、血圧測定、尿検査、血液検査となっております。 これと同時にがん検診を一緒に受けることもできます。がん検診は、肺がん検診、大腸がん検診、前立腺がん健診、骨粗しょう症健診、子宮がん検診、乳がん検診、胃がん検診、歯周疾患健診があります。当院では、肺がん検診、大腸がん検診、前立腺がん検診、骨粗しょう症検診を行なっております。

 がん検診は、平成22年より一律500円で受診が出来るようになりました。自己負担金免除の方は、70歳以上の方、生活保護受給者の方、市民税非課税の方になります。希望される方は職員までお尋ね下さい。
 また、対象に入っているにも関わらず、受診券が郵送されてきていない方は、健康福祉局にお問い
合わせ下さい。   電話番号: 052-972-2637
  
 ●協会けんぽの場合●
 協会けんぽの加入者の扶養家族の方も、受診券は加入者ご本人にお渡しがされます。加入者の方から受診券を受け取り、特定健康診査を受診しましょう。対象年齢、健康診査の内容は上記と同様になります。受診期間については、受診票で確認をして下さい。

 ●休日健診のお知らせ●
 今年度より、休日健診が名古屋市内22ヶ所で実施されます。胃がん検診または大腸がん検診も同時実施がされます。近隣ですと、平成24年9月16日(日)東区役所講堂、10月14日(日)に北区役所講堂、平成25年1月20日(日)楠地区会館で行われる予定になっております。各回とも定員50名で、
予約制の先着順になっております。平日になかなか病院にいって健診を受ける時間がないという方は、ぜひこちらをご利用下さい。

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当院には臨床心理士、精神保健福祉士が勤務し、各種相談の受付を行なっております。

カテゴリー: 各種相談 | コメントを受け付けていません

2012年5月

2年に一度の診療報酬制度の改定がこの4月に行われました。相も変わらず4月から始まるのに大筋が決まるのが2月末、細かな点数設定が決まるのが3月はじめ、さらに運用詳細は4月になってからも変更されるというお粗末な状況が続いております。これも変えると豪語した政党に政権が変わっても変わらないのは官僚に支配されているからでしょうか。
 一昨年にも書いた入院中の患者さんの診療に関わる制度の改悪は今回でも変更してもらえませんでした。入院中に他医療機関を受診する際には必ず入院中の医療機関の主治医にそれを伝え、情報提供書を発行してもらうことを忘れないで下さい。
 今回の外来診療に関わる改定で目立った点は在宅医療の推進です。我が国は少子高齢化の道をまっしぐらに突き進んでいますが、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になる頃には今の病床数の5割り増しぐらいの病床が必要となるそうです。ところがそれだけ病床を増やすことは医療費の財源問題でできないため、民間企業に高齢者用住居を造らせ、そこに在宅医療を提供することで入院を減らすことができると考えているようです。そのための環境整備を行っており、そういう国の方針が診療報酬にも明確に表れましたが、その後人口が減った時、それら高齢者用住居はどうなるのでしょう。踊らされた民間企業の自己責任なのでしょうか。
 また、同じく一昨年に名古屋市長が独裁者になるのではないかと警鐘を鳴らしましたが、今は関西の方に県知事から市長に転身した同じく独裁者と呼ばれている市長も誕生し、次回の国政選挙では彼の作った政党がその目玉となるとささやかれています。減税党との連携も噂されておりますが、それらの
政党が後の世でナチス党と一緒だったと言われないよう、現世の我々がしっかり目を開いて主義主張を判断し、甘い言葉にだまされないよう気をつけなければなりません。
 医療制度改悪の変更を求めるにも、ヒトラーのような独裁者を作らないためにも、我々の出来る大事な行動は選挙に行き、票を正しく投じることです。良識ある行動をお願いいたします。

カテゴリー: 201205, 院長より | 2012年5月 はコメントを受け付けていません

2012年5月

キレる
誰しも「キレる」という経験をしたことがあると思います。「キレている」ときというのは、「堪忍袋の緒が切れている」とも表現されますし、自分では制御できない感情が溢れ出してしまっている、自分ではコントロールできない状態であると思われます。では、「キレている」状態のとき、いったい何が起こっているのでしょうか。

「キレる」とは?
「キレる」という言葉は、「攻撃性や衝動性が高い」ということを意味しています。もともと攻撃行動は、生物にとって生存や生殖に必要なものですが、人間にとって攻撃性を出しすぎてしまうことは社会的に受け入れられない場合が多いです。また、衝動性とは自分にとって悪い結果になる可能性のある行動を、あまり深く考えずに行なってしまうことです。そして、攻撃性や衝動性が出てしまう原因となるのが、「怒り」という感情です。

怒りのメカニズム
怒りは攻撃により解消され、攻撃が抑えられて発散できない時に怒りがたまっていくことになります。攻撃が抑えられている限り、攻撃性は高まったままとなり、その状態で感じる感情が「怒り」であると考えられています。
例えば、喧嘩をしている相手からいきなりビンタをされたという場合を考えてみましょう。次の瞬間、あなたもビンタをし返したならば、ほとんど怒りを感じる暇がないかもしれません。逆に、相手への仕返しを我慢している状態であれば、怒りが生じるでしょう。そして、我慢できなくなった瞬間、いろいろな行動で攻撃が現れることになります。「堪忍袋の緒が切れた」という状態はこのことを表していると考えられます。ただし、攻撃が怒りを解消するとしても、それは適度な強さで行われた場合のみとなります。攻撃をしすぎても、しなさすぎても、後に問題を残しかねません。ビンタを相手にかわされてしまえば、怒りは増大するでしょうし、強すぎるビンタをしてしまったら、後悔や罪悪感を感じてしまうかもしれません。
このように、怒りにはそれを解消するための方法があるにも関わらず、どうして私たちは日常的に怒りの感情に悩まされるのでしょうか。それは、その怒りを直接表現する形で攻撃してしまったら、社会的に多くの損失を招いてしまう可能性があるからです。そのため、自分の怒りをある程度処理しつつ、相手との関係を破壊せず、よい方向に導くことが社会生活をしていく上で必要なことになってきます。

考え方を変えて、表現や行動を変化させる
そもそも、「怒り」を感じなくすることができるなら、攻撃も衝動もおこらないのではないでしょうか。怒りは時間とともに増幅すると言われています。そのため、できるだけ早いうちに自分の気分を静めることができれば、怒りを回避することも可能であるといわれています。つまり自分の認知、考え方を変えることができるならば、怒りの感情コントロールもできていくのではないでしょうか。キレやすい考え方を捉えて正しく気持ちを表現するために、ソーシャルスキルを学習します。感情は自然に出てくるものなので、感じることを肯定したうえで、自分も相手も傷つかないような表現の仕方に修正していきます。以下の図にキレやすい考え方、キレにくい考え方の例がありますので、参考にして下さい。

「できごと」「考え方・感じ方」「行動」のパターン(こころの科学148号より)

「怒り」という感情は、全てがダメなものではありません。必要な感情であるとともに、日常生活を過ごす上で必ず起こってくる感情です。しかし、「怒り」が理不尽なものであったり、自分で制御できなくなって「キレて」しまうことが、社会生活を営むうえで問題とされているのでしょう。考え方を少し変えることでコントロールできなかった感情をコントロールしていけばいいのではないのでしょうか。

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