院長より

 ゴールデンウィークが始まる直前、穏やかな晴れの日が続いたと思ったら、急に夏日到来で、寒暖の差の大きさにびっくりしてしまいます。皆様、体調はいかがでしょうか。このような寒暖の差は自律神経のバランスを崩しやすくしますのでお気をつけになってください。ただ同じように症状があっても、原因が理解できている方とそうでない方とでは困り方も違いますし、直り方も違います。原因が自分なりに理解できている方は、そんなもんだと思えますし、いつごろ収まるとか、どの程度まで悪くなるかとかを予測できますので、不安要素が増えず、その結果直るのも早くなります。心理的側面など内因面は考えることで泥沼に入り込むなど望ましくない結果となることもありますが、天候の変化などの外因面は理解、予測しやすい要素ですので、考えてみてください。
 さて来年からマイナンバー制度が始まることにより、この秋から各個人、法人にマイナンバーが付与され、通知されるそうです。一人一人に生涯ついて回る番号ですので、メリットとしては大問題となった公的年金のヒモ付けが不十分だったがための混乱が起こらなくなるなど、社会保障制度のスムーズな運営には寄与するだろうと思います。一方でデメリットとしてはプライバシーがどこまで守られるかという心配です。当初はあくまで使える範囲を限っての限定的運用ですが、それがいつまで、どこまで守られるか疑問です。よく注意しておかなければなりません。
 統一地方選挙が終わりました。盛り上がりに欠け、投票率も低かったようです。また全国各地で立候補者が定数を超えなかったため投票さえ行われなかったことも多かったようです。政治資金の不適切な運用が全国の地方自治体、あるいは国会議員でさえ問題となっている今、政治家を志す方が減っているのでしょうか。いろいろな事情があるのだとは思いますが、住んでいる土地を住みやすくするのは、やはり政治の力です。志高く政治を行うもの、それをきちんと応援するもの、両者がうまく回って、住みやすい安全な町造りができると思いますので、一人一人があきらめないようにしましょう。

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大人のADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHDとは
 不注意(注意欠陥性)、衝動性、多動性の3つの症状を特徴とする行動の障害で、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経に何らかの要因による機能不全があると推定されています。
 大人のADHDといっても、大人になってから初めて出現するものではなく、子どものころからこれらの3つの症状に悩まされており、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、それにもかかわらず、大人になっても状況が改善されず、うまく生活することができず困っていることが多くあります。では、大人になってから見られる症状にどのような特徴があるのでしょうか。

注意欠陥性
 ・仕事などでケアレスミスをする
 ・忘れ物、なくし物が多い
 ・約束を守れない、間に合わない
 ・時間管理が苦手
 ・仕事や作業を順序だてて行うことが苦手
 ・片付けるのが苦手
  ・・・本人のやる気とは関係なく「無責任」「だらしがない」と誤解されやすいです。
衝動性
 ・思ったことをすぐに口にしてしまう
 ・衝動買いをしてしまう
  ・・・さまざまな刺激に対して考える前に反応する傾向が大人まで持ち越される場合があります。
多動性
 ・落ち着かない感じ
 ・貧乏ゆすりなど、目的のない動き
  ・・・成長するにつれて症状の程度が改善されることがありますが、じっとしているのが苦手な人や、おしゃべりという形で多動が残る場合もあります。

 現在、ADHDにおけるこれらの症状の改善に役立つ薬による薬物療法が行われております。しかし、その一方で、これらの症状から大人のADHDの特徴をもつ人は「落ち着きのなさ」「物覚えの悪さ」「衝動的な行動」といったことが原因で、幼い頃から養育者にずっと叱られ続けたり、なかなか成果を挙げにくかったりといった経験をすることが多いようです。その結果、自分を責めて自分のことをどんどん嫌いになっていき、病気につながることもあります。このように二次的に引き起こされた病気のことを「二次障害」といいます。大人のADHDの特徴をもつ人の70%~75%が二次障害をきたしていると言われています。その中でも、特に多いのが次の3つです。

・うつ病
 大人のADHDの中でも特に女性に多くみられます。うつ病の治療のため受診した人の16%にADHDの症状がみられた、という研究報告もあり、前回まで紹介してきた「自分への自信のなさ」が、まさにうつ病に特徴的な悲観的な考え方へとつながっていった結果と考えられています。
・不安障害
 何かに対する恐怖や悪いことが起こりそうな予期不安を指します。診察に訪れた大人のADHDの特徴をもつ人の24~43%に見られます。「明日の仕事がうまくいかない気がして眠れない」とか「きっと明日、上司に叱られてしまう……」などがそうです。
・物質依存(薬物やアルコールを乱用してしまいます)
 背景として、ひどい自己嫌悪感の苦しみを緩和するために薬物を用いるという見方や、衝動性が強いため薬物に手を出してしまうという見方が挙げられています。また、大人のADHDの人の有病率は、そうでない人の約2倍。32~53%にアルコール、8~32%に薬物の問題があることがわかっています。

 これらの症状を感じられた際には、医療機関や支援センター、カウンセリングを受けるなど相談することが望ましいです。そして、ADHDと向き合うことをお勧めします。二次障害だけよくなったとしても、ADHDと自分との関わり方が変わらなければ、また二次障害に陥ります。障害というよりも自分の特性なんだと考えて少しずつ行動を変えていくのもいいと思います。

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アルカディアルームの紹介

春になり新緑もえる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、当院にあるアルカディアルームはご存知でしょうか?少しリラックスがしたいなと思った際に利用していただきたい治療器が多くありますので、一部ご紹介いたします。

まず、マクター・ロイヤルクラウンです。
こちらは全身の筋肉をやさしくほぐしてくれる全身マッサージ治療器となります。船のようなベッドの上に横たわってローラーが体の背面にある各疾患のツボに相当する部分を刺激して、自律神経系等の調整や椎間孔の圧迫障害の改善を促します。全身の機能回復を促進、人体のホメオスタシスを高めます。また、首、腰、膝、手首等の部分牽引も行えます。

次に、インブレイスです。
まるで温泉に入っているみたいに気持ちいい全身温熱治療器です。頭だけ外に出して全身がすっぽり入るカプセルの中に入り、楽な姿勢で横になります。カプセルの中では遠赤外線が体の深部を近赤外線が皮膚表面を温め、血行の改善と血管の拡張作用、鎮静・鎮痛作用、新陳代謝の促進をはかり、肩こり、腰痛、手足のしびれ、冷え性、膝や関節の痛みなどの他高血圧などからくるイライラ、不眠症、疲労感、めまい、耳鳴り、頭痛なども取り除くことが期待されます。また、内蔵の働きがとても良くなり、慢性的な胃腸障害や便秘などにも効果が期待されます。

最後に、モールサミットです。
こちらは、ソフトなマッサージ効果が、患部の奥深くまで浸透しコリや痛みを緩和してくれる低周波治療器です。各疾病に応じたツボに電極をつけ、低周波パルス電流による刺激を加え、治療します。電流による刺激といっても、もんだり、たたいたりしているようなソフトな刺激で、患部の痛みやコリをほぐし血行を良くし自律神経の働きを活発にします。

以上が当院のアルカディアルームにある治療器の紹介です。
使用したいと思われる方は、是非一度受付で職員にお尋ねください。

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院長より

 まだまだ寒い日が続いておりますが、徐々に日が伸びてきました。少し前までは朝7時近くにならないと明るくならなかったのに、最近は6時頃から明るくなってきました。また日中温かいと感じる日も増えてきています。春の息吹を感じ、いい季節ですが、その一方で寒暖の差は自律神経のバランスを乱し、めまいや立ちくらみ、動悸などの症状が起こりやすく、風邪もひきやすい時期でもありますので、皆様ご自愛くださいますようお願いいたします。

 さて、先日認知症サポート医フォローアップ研修という研修会に参加して来ました。認知症サポート医とは、今後急増すると予想される認知症患者さんを地域で支えるために国が考え、養成している資格の一つで、その役割はかかりつけ医を対象とした研修の企画立案、かかりつけ医やケアマネージャー、介護職員へのアドバイザーといきいき支援センターとの連携などです。団塊の世代の方々の高齢化が進み、認知症患者が急増することが予想される中、その方らしい良い状態を長続きさせるためには認知症を早期発見することがとても重要ですし、発見し治療をしていくためには地域全体で支えあっていかなければなりません。地域の役員の方々、介護をされている方、ご家族の方、認知症に関してお困りのことがあれば遠慮なくご相談ください。

この4月に介護報酬の改定が行われる予定です。まだ詳細は承知しておりませんが、単価の引き下げが行われるようです。ただでさえ低い報酬のため、若い方の就労に結びついていない職場なのに、更に引き下げられるとはどういうことでしょう。自分がそのような状況になった時、良質の介護が受けられないかもと、考えるとぞっとします。
 このような制度は政治により決まります。この4月には統一地方選挙が行われ、市会、県会議員が決まります。地方選挙とはいえ、自分たちの声を政治の世界に届けるチャンスですから、この機会を逃さないよう、必ず投票には行きましょう。

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