2000年7月

  高脂血症
 
前回は高脂血症とはどのような病気なのかをお話しました。今回は高脂血症の治療についてお話していきましょう。高脂血症の治療法の主なものとして、【食事療法・運動療法・薬物療法】があります。特に、食事療法や運動療法などの生活の改善は基本になります。

【食べ過ぎない】
 1日にとる食事のエネルギー【カロリー】を適正にとることが大切です。腹八分目程度をめやすにし、肥満にならないよう、肥満の人は痩せるように心がけましょう。

【動物性脂肪・コレステロールをとりすぎない】
 コレステロールを多く含む卵黄、レバー、魚卵はひかえめにしましょう。肉は脂肪の少ない赤身にしたり、皮なしの鶏肉にするなど心がけましょう。また、魚の脂肪や植物油は動脈硬化を防ぐともいわれています。肉の代わりに魚を多めにとるようにしましょう。

【食物繊維を多くとる】
 食物繊維には、コレステロールが体に吸収されるのを抑え、体外に排泄する作用があります。食物繊維を多く含む、野菜・海藻・豆類等を多くとるようにしましょう。また、野菜は生だとかさばってあまり多くの量をとることが出来ません。食物繊維は、熱や水による損失はないので、食べやすく調理し、たくさん食べるようにしましょう。

【禁煙する】
 禁煙は善玉コレステロール【HDL-コレステロール】を上昇させます。たばこは絶対にやめましょう。

【アルコールはほどほどに】
 少量のアルコールはストレスをほぐし、【HDL-コレステロール】をあげると言われていますが、飲み過ぎると全く反対の効果を現しますので注意が必要です。

【運動をしましょう】
 運動は高脂血症に良いだけではなく【肥満・糖尿病・高血圧】に対しても効果があります。日頃、あまり運動をしない人は、【散歩、軽いジョギングなどを、1日20分~30分・週に2、3回以上】続けるようにしましょう。これらのことは、無理せずに根気強く続けることに意味があることを忘れてはいけません。慣れない運動をしたり、好きな食べ物を減らしたりするのは大変つらいことでしょう。ですが、症状をひどくしないためにも、がんばっていきましょう。

生活習慣病のためのクッキング 

 【ブロッコリーの吉野煮】

   レシピ4人分
   {材料}  
   A  塩 3.2g(小さじ1/3)しょうゆ 8g(小さじ11/3)みりん 24g(大さじ11/3)片栗粉6g(小さじ2)生姜少々

ブロッツコリー・・・200g(大1個)
にんじん・・・・・・60g(小1/2本)
ゆでたけのこ・・・・60g(小1個)
カリフラワー・・・・120g(1/2個) えび・・・・・・・・80g(から付き8尾)  
生椎茸・・・・・・・40g(4枚)  
銀杏・・・・・・・・20g(12個)   
だし・・・・・・・・400g(2カップ)

ブロッコリー、カリフラワーは小房に分ける。にんじんは型で抜くか輪切りにする。ゆでたけのこ は縦半分にして薄く切る。生椎茸はそぎ切りにする。 えびは背わた、からをとり、2~3つに切る。銀杏はゆでて薄皮をむく。

鍋にだし、カリフラワー、にんじんをいれて火にかけ、 煮だったら火を弱め、5分間煮る。ゆでたけのこ、ブロッツコリー、生椎茸を入れ、Aで調味し、柔らかくなるまで煮、えび、銀杏を加え、えびの色が変わったら同量の水で溶いた片栗粉でとろみをつける。

 4を器に盛り、卸し生姜をのせる。

 1人分の熱量・・・85キロカロリー
 1人分の塩分・・・1.2g
 1人分のコレステロール・・30㎎

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2000年5月院長より

院長より
 
この4月から介護保険が正式にスタートしましたが、4月も終ろうとしているのにまだ決まっていないことがあったり、変更されたことがあったり、認定プログラムの不備を抱えたままだったりといろいろと問題を残したままでの見切り発車になってしまいました。制度が政治取引に利用されたため、右往左往させられた行政も、突然仕事が増え、困惑している我々医師、いかに皆様のためになるようサービスが提供できるかを考え、実行しようとしているのに決まっていないことが多かったためにやはり困惑していたサービス事業者など、それぞれがそれぞれの立場で苦労しましたが、始まったからには最善のサービスを提供できるようお互いに協力、連携していきますので、どうぞ安心して相談して下さい。

また、この4月には診療報酬の改定が行われました。点数そのものはあんまり変更がありませんでしたから、皆様にお支払いいただく金額はそんなに変りはなかったと思います。しかし、今回の改定の最大のポイントは病院診療所などの医療機関の機能分化をより鮮明にしてきた点です。診療所はかかりつけ医として一般的な病気を治療し、病院は診療所からの紹介を受けてより高度な検査や入院治療を行うという特色を明らかにし、より病診連携を進める形になっています。当院では以前よりそのような考えに従って近隣の病院と病診連携を行い、適切な病院への紹介を行えるような体制を整えております。また在宅医療を行っている方にはより充実した医療が提供できるように近隣の診療所と診診連携も行っております。このように時代に即した形で最良の医療環境を整えるべく努力していますので、疑問点がございましたら遠慮なくお尋ねください。

皆様に対してより多くの情報を提供できるように、現在インターネットのホームページによる情報発信も行っております。ご覧になったら、またご意見を聞かせて下さい。  
ホームページアドレス www.itakura-med.com

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2000年5月

介護保険

いよいよ4月1日より介護保険制度が始まりました。現在日本では、介護が必要な高齢者が急速に増えています。また、介護をしている方の半数は60歳以上の方で、【高齢者が高齢者を介護する】場合が増えています。さらに介護をしている方の85%は女性で、身体的・精神的に大きな負担を負っています。このため、介護疲れの状態がしばしば見られます。介護保険制度とはできるだけ家族の負担を軽くし、介護の問題を社会全体で支え合う仕組みを創ろうというものです。そこで、介護保険についてまだわからない事がある方も多いと思いますのでもう一度簡単にまとめてみました。
介護保険制度が受けられるまで

ここでは介護保険のサービスを受けるためにはどうすればよいかをまとめてみました。

1.介護が必要で困っているということを市町村窓口に相談・申請します。

2.専門の調査員が家庭を訪問し、介護が必要かどうか食事・歩行・入浴などの生活動作を調査します。

3.かかりつけ医師に意見書を作成してもらいます。(医学的な管理等の必要性について)
かかりつけ医師がいない場合、役所からお近くの医療機関を紹介してもらえます。

4.介護認定審査会で訪問調査の結果とかかりつけ医師の意見書をもとに介護の必要な度合い【要介護】を審査・判定します。
*申請のあった日から30日以内に認定されます。

5.要介護認定を受けた方は最寄りの指定居宅介護支援事業者に依頼し、本人の心身の状態や
家族の希望に応じた介護サービス計画【ケアプラン】を作成してもらいます。

6.介護サービス計画【ケアプラン】に基づいて必要なサービスが計画的に受けられます。
こうして介護保険の申請をした方は次のような段階に分けられます。

・自立(非該当)・・介護が必要とは認められず介護保険の給付サービスは 受けられません。
ただし一般福祉サービス等の利用が考えられます。

・要支援・・・・・支援がなければ近い将来に要介護となる状態

・要介護1・・・・生活の一部について部分的介護を要する状態

・要介護2・・・・中度の介護を要する状態

・要介護3・・・・重度の介護を要する状態

・要介護4・・・・最重度の介護を要する状態

・要介護5・・・・過酷な介護を要する状態

*要介護認定を受けた方(利用者)が各種介護サービスや訪問看護を受けた場合、費用の1割を負担します。
(各種介護サービスを受けるためにケアプランをたてるとき、医師が居宅介護支援事業者に意見を言ったり
ケアプランの内容をチェックするので医療機関にも費用の1割を負担します。)

*施設サービスと一部の在宅サービスでは、食事代の一部や日常生活費も利用者が負担します。

*利用者の負担が著しく高額にならないように利用者の負担額には上限が設定されています。

次回はどのようなサービスが受けられるのか具体的にお話しようと思います

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2000年5月心理室より

心理室より  子どもシリーズ1 チック

今回から子どもの気になる癖や症状についてシリーズでお届けします。第1回目はチックについてお話したいと思います。

【チックって何?】
 チックとは、顔や体の筋肉の一部が、本人の意志とは無関係に突然・早く・反復的に動いてしまうものです。
症状としては次のようなものが見られます。いずれも、一時的な癖のようなものだと考えてください。

 ・目をパチパチさせる 手や足をピクピクと動かす
 ・鼻をクスンクスンと鳴らす 意味のない音や奇声を発する
 ・咳払いをする 汚い言葉、人の言葉のまねを繰り返す
 ・ゲップをする
 ・顔をしかめる
 ・口を曲げる
 ・肩をすくめる
 ・頭を振る 
 ・体を揺する

【どんな子に症状が出やすいの?】
年齢的には幼稚園から小学校の低学年くらい、男子に多く見られます。本人の性格としては、落ち着きがない・わがまま・神経質・気が強いなどの特徴が見られることが多いようです。また、アレルギー体質との関連も指摘されています。

【チックの原因は?】
正確な原因はまだ解明されていませんが、抑圧された気持ちが症状という形で表現されるものだと考えられています。

【出てしまったらどうすればいいの?】
無理に止めさせようとせず、そのことを話題にすることも避け、子どもに症状を意識させないようにしましょう。症状そのものを無くすことを考える前に、どんな気持ちをしているのか考え、寛容な態度で受け入れてあげることが大切です。多くは2~3週間で消失しますが、長引いたり症状が強くなってくる場合は医師に相談することをおすすめします。

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