2000年7月院長より

院長より
 
韓国政府が医薬分業の方針を打ち出したことに韓国医師協会が抗議して全国規模のストライキを行ったそうで、実に92%の医療機関が休診し、たらい回しになった患者さんが死亡するなどの事故がおこったそうです。当院はすでに医薬分業を行っており、日本国内の医薬分業率は年々上がってきております。先進諸国の中では医薬分業が当たり前なのですが、日本では慣習として医師が薬を調剤することが行われてきました。漢方医が自家調剤した薬を秘薬としていた流れが大きく影響しているとも言われています。しかし薬剤の専門家として薬剤師という職種があり、膨大な量の薬剤をきちんと薬剤師にもチェックしてもらえることが医薬分業の最大のメリットであることに多くの医療機関が賛同し、推進しているのが現在の流れとなっているわけです。医療機関でも処方した薬剤をチェックし、薬局でも処方された薬剤をチェックするというダブルチェックが患者さん方の健康を守ることに必要だと考えているわけです。そういう意味では、韓国の状況の詳細は知りませんが残念なことだと思います。いろいろな問題が噴出した衆議院選挙が終り、新しい政治が始まりました。今後の日本はどうなっていくのでしょう。皆様の健康を守る医療、福祉制度はどうなっていくのでしょう。
正しい方向に進んでいくようきちんと判断し、見守っていきたいと思います。

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2000年7月

2000年度ヨコ体験グループ参加募集のお知らせ - 不登校傾向の子どもに対する集団心理療法-
 
グループは、学校になじめない子や行けない子たちの為のグループです。スタッフは心理学を専門としている大学院生で、毎月1回の定例会と春と夏にキャンプを行って、子どもたちの心の問題につきあっていきます。同じ悩みを持つ仲間や、スタッフと共に語り合い、楽しい時間を過ごしませんか?

  対象:不登校傾向の中学・高校生
      人間関係に興味のある中学・高校生

  主催:愛知学院大学 心理・臨床教育相談室
      TEL 05617-3-1111 内線(414)平日10:30~17:00土曜9:00~12:00
      随時受付しています

  【サマーキャンプ】
  日程:8月27日(日)~8月30日(水)
  場所:岐阜県揖斐郡春日村【長者の里】
  参加費:2万円程度予定

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2000年7月

介護保険

前回に引き続いて2回目の介護保険ですが、前回は介護保険とはどういう制度なのか要介護認定を受けるにはどうすればいいのかといったことを紹介しました。今回は皆さんが利用することの出来るサービスの種類についてまとめてみました。介護保険のサービスには、【在宅サービス】と【施設サービス】、大きく分けて2つのサービスがあります。

【在宅サービス】・・・訪問・通所サービス

・訪問介護・・・ホームヘルパーが家庭を訪問して介護や家事の援助をします。

・訪問入浴・・・浴槽をつんだ入浴車で家庭を訪問して、入浴介助をします。

・訪問看護・・・かかりつけの医師のもとに、看護婦(士)が家庭を訪問して看護をします。

・訪問リハビリテーション・・・理学療法士や作業療法士などが家庭を訪問して、リハビリテーションを行います。

・通所リハビリテーション・・・理学療法士や作業療法士などが、施設においてリハビリテーションを行います。

・通所介護【デイサービス】・・・デイサービスセンターの施設で、入浴や食事、その他日常生活に必要なお世話をします。

・福祉用具のレンタル・・・車イスやベットなどの福祉用具の貸し出しを行います。

【在宅サービス】・・・短期入所サービス

・短期入所生活介護【ショートステイ】・・・介護の必要な方を短期間、【特別養護老人ホーム】など、
施設に入所させ、介護をします。

・短期入所療養介護【ショートステイ】・・・介護の必要な方を短期間、【老人保健施設】に入所させ、お世話をします。

【その他の在宅サービス】

・痴呆性高齢グループホーム・・・痴呆の高齢者の方が、介護を 受けながら共同生活を営みます

・有料老人ホームなどにおける介護 【特定施設入所者生活介護】・・・有料老人ホームやケアハウスなどに入所している方に、施設が情報提供するサービスです。

・居宅療養管理指導・・・医師・歯科医師・薬剤師などが家庭を訪問し、療養上の管理やアドバイスをします。

・福祉用具の購入・・・入浴または排泄用の福祉用具を購入したときに、その費用の一部を支給します。

・介護サービス計画【ケアプラン】の作成・・・介護支援専門員が、介護を必要とする方や家族の希望を聞きながら利用者に適した介護サービスの計画をたてます。

・住まいの改修・・・手すりなどの取り付けや段差解消などの小規模な住宅改修について、その費用の一部を支給します。

【施設サービス】

・特別養護老人ホーム・・・常に介護が必要で、家族での介護が困難な寝たきりや、痴呆の高齢者に対し介護を行う施設です。

・老人保健施設・・・比較的病状が安定し、入院や治療を必要としない高齢者に対し、介護やリハビリテーション・必要な医療を行う施設です。

・療養型の病院・診療所・・・治療よりも長期にわたる療養が必要な高齢者に対し、医学的管理のもとで介護や必要な医療を行う施設です。

*上記にまとめたものが主なサービスの種類ですが、このサービスを利用することのできる対象は次のようになっています。

【在宅サービス】    【福祉サービス】
↓             ↓
自立       ×             ×

要支援  利用できる           ×

要介護  利用できる       利用できる

*介護の申請をしたが介護が必要と認められなかった【自立と判定された方】は、
在宅サービスや施設サービスを利用することはできませんが、一般福祉サービス等の利用が考えられます。在宅サービスの一部には、給付に限度があります。在宅サービスには介護の必要な度合い【要介護度】に応じて給付に限度がありこの限度額の範囲内で、自由にサービスを選択します。

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2000年7月心理室より

心理室より 子どもシリーズ 抜毛症
 
先回から、子どもの気になる癖や症状についてシリーズでお届けしています。今回は抜毛症についてお話ししたいと思います。

【抜毛症って何?】
子供に見られる心身症の一種で、頭髪・眉毛など体毛を自分で繰り返し抜いてしまうものです。皮膚病などで抜け落ちてしまうものとは違い、ツルツルにならず、生えている部分と抜けている部分の境界がはっきりしないのが特徴です。部位としては、頭頂部や耳の上あたりが多いようです。

【抜毛症の原因は?】
不安定な精神状態や欲求不満が背景にあると考えられ、不安や緊張から注意をそらすための行為として無意識のうちに行うものとされています。 どんな子に多いの?年令としては小学生から思春期にかけて、特に女子に多く、比較的学歴の高い親を持ち、感情を表に出さない大人しい子に多いようです。

【どんな治療をするの?】
【薬】による治療と、【カウンセリング】や【遊戯療法】による精神面のケアが考えられます。場合によっては両者を併用することもあります。

【抜けた髪の毛はもう生えないの?】
 時間はかかりますが、髪の毛を抜くことをやめれば必ず生えてきます。ご安心下さい。

【家族はどんな対応をすればいいの?】
体毛を抜くことで安心感や解放感を得ようとしているので、抜くのをやめさせようと注意したりすることはやめましょう。注意されることで罪悪感や緊張感を高めてしまうことになり、抜くのをやめないばかりか、かえって症状を悪化させることになりかねません。また、抜いた毛を散らかしたままにしていても手を出さず、本人が片付けるまでそのままにしておきましょう。体毛を抜いてしまう行為そのものに目を向けるのではなく、その要因である心に目を向けるようにしましょう。

 *もし、こういった症状でお困りのお子様がいらっしゃれば、早めに医師にご相談下さい。

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