2001年9月

ビタミンB群
 ビタミンB群と呼ばれる中には、ビタミンB1・B2・B6・B12・ビオチン・ナイアシン・パントテン酸・葉酸が含まれます。この8種類のビタミンは構造も異なり、体内での受け持ちも違いますが、B群とよば れるのは、それぞれが一緒になってエネルギーの供給や老廃物の代謝 に欠かせない働きをしているからです。
 例えば、筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が正常に働くためには、これらB群のバランスが大切になります。まずビタミンB1が筋肉や神経を動かすエネルギーをつくり、ビタミンB6が神経伝達物質の生成に働きかけ、ビタミンB12が神経細胞内のたんぱく質などを合成・修復するといったように、互いに協力しあっているので、どのビタミンが不足していても神経は正常に働いてくれません。なので、いろいろなビタミンBをバランスよく毎日の食事をきちんと摂ることがとても大切なのです。特にビタミンB1は糖質が体内でエネルギーに変わるときに必要な栄養素で、日本人はお米を主食とした糖質の多い食生活なので、不足しやすい栄養素と言われています。      
 ビタミンB1の役割は糖質を体内で分解し、エネルギーに変えます。糖質が分解され、エネルギーに変わるときに酵素が働いているのですが、酵素が働くためには補酵素が必要でB1はこの補酵素の役目をしています。脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能を正常に保ちます。

【ビタミンB1が不足すると】
・糖質が分解できなくて、乳酸などの疲労物質がたまり、疲れやすくなる
・肝臓・腎臓の機能が低下する
・消化不良からの便秘・食欲がなくなる
・手足がしびれて、体がむくむ
・精神的に不安定になり、怒りっぽくなって、イライラする

【不足しやすい人は?】
・外食が多い人
・激しい運動や労働する人
・出来合い物や加工食品を食べる人
・甘いものを飲み食べする人・お酒を飲む人 

【ビタミンB1が多い食材】
 
・豚肉 ・大豆
・油あげ ・きな粉
・鮭・豆腐 ・まいたけ
・しめじ ・かつお
・ごま ・えのきだけ
・生しいたけ

  1日の所要量は…成人男性1.1mg
          女性成人0.8mg

 これらの食材を使って料理し、ビタミンを補うようこころがけましょう。                         

 【まいたけと豆腐のうま煮】

材料—2人分              

まいたけ・・・100g
和風だしの素・・・1/3袋(2g)
もめん豆腐・・・1/3丁
塩・こしょう・・・小さじ1/4
小松菜・・・80g
しょうゆ・・・小さじ1
片栗粉・・・小さじ1                                               

 1 まいたけは根元を切り落とし手で裂いて、豆腐は大きめに切る
 2 小松菜はさっとゆでて、長さ4cmくらいに切る
 3 鍋に水1カップを煮立て、和風だしの素、塩こしょう しょうゆを加えて調味する     
 4 3にまいたけ、豆腐、小松菜を入れ煮立て水溶き片栗粉でとろみをつける

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2001年7月院長より

院長より   
近頃精神科疾患と思われる患者さんが事件を起こし、新聞紙上やテレビで取り上げられる事が多くなっています。統計上一般市民が事件を起こす確率と比較して、精神科患者が事件を起こす確率の方が低いと言われているのに、偏見によるものなのか、何故だろうかと考えてしまいます。老人と同様、地域で支えていけば、充分社会生活が可能な方も多いので、これからもこの問題は議論を重ねていく必要があると強く感じています。
 さて、以前より「夕方の診療をもう少し早い時間から始める事は出来ないか」というご意見をちょくちょくお聞きしており、一方午後8時までやっているので会社帰りにもゆっくり来られて良いと言うご意見もありました。また当院の職員には若い女性が多く、帰宅があまり遅い時間になってしまうのも問題があります。
 そこで午後4時から午後6時30分までの診療時間にすると、皆様にもより利用しやすくなるのではないかと考えましたが、やはり利用していただいている皆様方にご意見をいただき、その結果を反映させるのが最も適切だと判断しましたので、ご面倒をおかけしますが、アンケートにお答えいただけますようお願いいたします。
 予定としては7月いっぱいまでアンケートを採らせていただき、変更希望の意見が多ければ、その結果を10月頃には反映していきたいと考えております。
 ご協力のほどよろしくお願いいたします。

*アンケートは来院された方のみを対象に実施しており、インターネット上でのご回答は控えさせて頂いておりますのでご了承ください。

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2001年7月心理室より

心理室より 児童虐待1   
今回から2回に分けて、「児童虐待」についてお話しします。

【児童虐待の現状】

 最近、テレビや新聞などで「虐待」という言葉を目や耳にすることが多くなりました。児童相談所に寄せられる相談件数は年々増え、平成10年度には年間約7000件にのぼっています。しかし、これもごく一部で、実際にはもっと多くの子どもたちが虐待を受けているのではないかと言われています。

【児童虐待ってどんなもの?】 

 子どもへの虐待とは、親(養育者)による子どもへの暴力、養育の拒否、言葉による脅し、性的いやがらせなどで、子どもの心身を傷つけ、生命を脅かし、すこやかな成長・発達を阻害する行為のことをいいます。親がしつけと思っている行為でも、子どもが苦痛を感じる場合は虐待であるという認識が大切であり、子どもの立場でその行為が判断されなければなりません。児童虐待は子どもの心に深い傷を残すばかりでなく、人格形成に大きな影響を与えるものです。また、時には死に至る場合もあります。

児童虐待は4つのタイプに分けられます。
・身体的虐待
身体に傷を負わせたり、命に危険のあるようなことをすること。

・ネグレクト
子どもの健康や発達に必要な衣食住の世話を怠ったり、病気やけがの時に必要な医療を受けさせなかったりすること。

・心理的虐待
親が子どもからの働きかけに応えなかったり、言葉でひどく叱るなどで、子どもの心に不安やおびえを引きおこす行為。
その結果、心身の発達に問題を生じさせること。またはその恐れの大きい状態。
   
・性的虐待
性的ないたずらや嫌がらせ、性的関係を強要すること。

 次回は、児童虐待を防ぐために私たちができることをお話します。

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2001年7月

暑さと汗 
 蒸し暑い日が続きます。これからの季節、暑さもますます本格的になり、汗をかくことも多くなってきます。そこで、今回は汗についてお話をしていこうと思います。
 汗といってもその種類はさまざまです。暑いときに出る汗、カゼをひいたときにでる汗、ヒヤッとしたときに出る汗、辛いものを食べたときに出る汗などです。その中でも、今回は特に暑いときに出る汗についてお話します。

【汗はなぜかくの?】  →  体温調節をしています!

 暑い夏になってくると、少し動いただけなのにというばかりか、じっとしていてもすぐに汗をかきます。肌はベタベタし、不快になることもしばしばです。もし、汗をかかずに快適に過ごせたらどんなにいいだろうと思ったことはありませんか?
 私たちの体温はふつう37度C前後に保たれています。これは、からだの中で絶えずおこっている代謝の際に生み出されるエネルギー(大半が熱)と、その一方で熱を体外に逃がすバランスがとられているからです。熱はその大部分を皮膚から逃がしており、皮膚面に出た汗が蒸発する時に熱を奪うのです。ですから、暑いときに出る汗は、わたしたちの体温を常に一定にしておくために、 さらに付け加えれば、生理的機能を正常に働かせるために必要な冷却機能といえるでしょう。

【熱がにげていかない熱中症】   →   たとえば水をとりながら!  

 暑さがきびしかったり、運動や労働をしたりしたときに、汗はたくさんかいているのに体温が上がるのを防ぎきれない状態になることがあります。また、湿度が高く、蒸し暑いときには、汗が蒸発しにくく、流れ落ちるだけになってしまうことがあります。
 このような汗では、熱を逃がす効果はありません。脱水をおこし、汗がでにくくなり、体温は上昇する一方で、からだに熱がこもってしまいます。これでは、熱中症などの障害を起こしやすくしてしまいます。このようなときには、例えば水をとりながら運動や労働をするようにしましょう。そうすると、汗をかくので体温は上がりにくく、心拍数も上がらないので心臓への負担も少なくなります。

【汗とのかしこいつきあい方】

 衣服   →   快適に過ごせるのが一番!
  
 衣服の素材、形(デザイン)、着方によって、皮膚に触れる部分の温度や湿度、気流が著しく影響され、それによって汗が蒸発する効率が違ってきます。
 暑いときの衣服は、衣服内の温度や湿度をできるだけ上げないものを選びましょう。特に汗が出ているときには、出た汗を蒸発しやすくするために通気性のよいものが適しています。 ポリエステルなどの水を通しにくい繊維は、表面に微少な凝結水ができやすいので、快適感を損ないます。また、木綿などの天然繊維は吸水性は高いのですが、いったん濡れると蒸発が遅く、その後の吸水性が低くなります。最近では、吸水性、速乾性の高い合成繊維が開発されています。そのときの状態や状況によって、快適に過ごせるような衣服を選びましょう。
 裸でいることは、汗を蒸発させるという点ではよいのですが、肌を紫外線から守ったり、太陽の放射熱を遮断したりするためにも衣服を着た方がいいときもあります。しかし、激しい運動をしたときなど、体温が上がって汗がたくさん出ても、着ている衣服がその蒸発を妨げ、熱を衣服内に閉じ込めてしまうことがあります。このようなときには、裸でいる方が効果的といえるでしょう。

 汗をかいた後には・・・・  →   清潔にしましょう!

 たくさんの汗をかいた後には、早めにシャワーを浴びるか、熱すぎない風呂に入って汗を洗い流しましょう。皮膚を清潔にするばかりでなく、疲労回復にも役立ちます。汗をかいてもほうっておくと、次のようなことがおこりやすくなります。

・汗の塩分が濃くなり、ほこりや垢を吸い付けて不潔になりやすい。
・汗の塩分が蒸発の速度を遅らせて、体温の調節効果がおちる。
・汗の始末をしないまま暑い戸外から冷房のきいた室内に急に入ったりすると、体温が急速に下がり、カゼをひいたりする。
・あせもができやすくなる。
・においを強める。

 寝床   →   冷え過ぎに注意!

夏でなくても、睡眠中は汗をよくかきます。そこで、衣服と同様、寝間着や布団などにも通気性の高いものを選びましょう。
また、クーラーや扇風機を強くしすぎないようにし、タイマーを使ったり、強い風が直接あたったりしないように注意しましょう。

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