2008年3月心理室より

子どものうつ
 今回は、子どものうつに気づくためのポイントについてです。

 子どものうつははじめは身体症状(身体のだるさ、食欲不振、頭痛、腹痛など)や行動の問題(不登校など)が主体であったり、他の障害(摂食障害、不安障害、強迫性障害など)と一緒に出てくることが少なくありません。そのため本人の訴えや周囲の注意が、身体症状や行動の問題などに向いてしまい、うつ症状が見えにくくなってしまっていることがあります。

 子どもはこころの状態をどう言って良いかわからないため、自分から大人に伝えることは難しいです。そのため、大人からの適切な質問、問いかけが大切になってきます。

「今楽しいことは?(興味・関心)」<ない。>
「本や漫画は読める?(意欲・気力)」<集中できない。>
「勉強は手に付く?(知的活動能力)」<できない。>
「気分の落ち込みは?(抑うつ気分)」<ある。>
「イライラは?(不安・焦燥)」<ある。>
「夜はよく眠れる?(睡眠障害)」<眠れない。>
「御飯はおしいしい?(食欲)」<おいしくない。>
「だるい?(身体のだるさ)」<だるい。>
「朝と夜どっちが調子いい?(日内変動)」<お昼から少し元気になる。>
「お休みの日も調子悪い?(学校の問題)」<悪い。>

 これらの答えがあるときは、うつ状態を考える必要があります。
 次回は、子どものうつを予防するために家庭でできることについて考えたいと思います。

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