2004年11月院長より

皆様、今年はもうインフルエンザの予防接種はお済みでしょうか?インフルエンザの影響を最小限に抑えるために、予防接種を受けることが推奨されております。予防接種を受けてから抵抗力がつくまでに少し時間がかかることから、できれば11月末までに予防接種をお受けになるようお勧めいたします。

 前回、「混合診療解禁」は「国が定めたスタンダードな医療」と「各医師が自らの信ずるところの自由診療」の混在を認めることであり、「怪しげな民間療法」や「独自の秘薬」など「国が認めない特殊療法」の拡大が懸念されることとこれらのコストは極めて不透明であるため、不明朗な価格が蔓延するおそれがあることから、医師会は「混合診療解禁」に反対していますとお知らせいたしました。

 今回は日本医師会のチラシの解説を追加したいと思います。小泉首相とその周囲で「混合診療解禁」を唱えている方々の真の目的は保険診療の縮小と自由診療部分への民間保険導入です。混合診療が解禁されれば、風邪薬や湿布などの軽費医療は公的医療保険からはずされ、新しい薬や技術も自由診療部分に回され、いつまでたっても公的保険でカバーされませんから、公的医療保険としての国の支出は減り、財務省は大喜びです。一方増大する自由診療部分をカバーする民間医療保険が多数販売され、やむを得ず加入する方が増えますから、民間保険会社も大喜びです。しかし、民間医療保険料分などが増えますから、患者さんの自己負担は大幅に増えます。病気になっても公的医療保険では最適な医療を受けることができず、民間医療保険には高額すぎて入れなかったり、入っていてもカバーしてもらえない病気だったり、あれこれと理由を付けられ、保険金を支払ってもらえなかったりということも増えることが予想されています。つまり、受けられる医療の範囲がお金の有無によって決まってしまい、このままでは国民皆保険制度が成立した以前の状態に戻ってしまいます。このように「混合診療解禁」は国民皆保険制度を形骸化するもので、到底看過することはできません。

 私ども板倉医院や医師会とご一緒に「混合診療解禁」に反対し、「誰でも、いつでも、どこでも安心して平等に医療を受けられる国民皆保険制度」を守りましょう。

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