2002年11月

乾燥肌    
 風も冷たくなり、いよいよ冬の季節の到来です。この季節になると肌の乾燥や荒れが目立ってくるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は肌の乾燥についてお話しします。

【乾燥をひきおこすものは?】
 日本の冬は温度と湿度が低く、乾燥しやすい季節です。また、温度が低くなると皮脂や汗の分泌機能や皮膚の血行、新陳代謝も低下します。そのため、肌の表面の水分が奪われやすくなってしまいます。しかし、それ以外にも肌の乾燥を引き起こす要因はいくつか考えられます。

 ・冷たくて乾いた空気
 ・エアコンの影響(湿度の低い環境)
 ・肌の洗いすぎやこすりすぎ 
 ・化学繊維の使われた衣類での肌への刺激
 ・食生活や睡眠不足など

【どんな状態のことをいうの?】
 健康な肌では、肌のうるおいのバランスが保たれていますが、乾燥肌はこれらのバランスが崩れてしまい、またうまく生成されていないことが原因といわれています。乾燥によって肌のバリア機能が低下すると水分が失われ、さらに乾燥していくという悪循環を繰り返してしまいます。
 乾燥した肌は硬くなり、白く粉をふいたような状態になります。このような状態を“乾皮症”といい、強いかゆみがおこって、寝ている間など知らないうちにかいてしまい、炎症や湿疹を起こすこともあります。また、その部分に色素沈着などが起こることもありますので、美肌の面からも悪化させる前のケアが大切になってきます。 

【ふだんの生活で気をつけられることは?】
・長時間暖房器具にあたらない
電気毛布やこたつ、ストーブ、ファンヒーター等の局所暖房は、肌の水分の蒸発を早めることにもなりますのでほどほどがよいでしょう。
・お風呂で強くこすらない
こすりすぎは肌を傷める原因にもなります。また、熱すぎるお湯は皮脂が必要以上に奪われてしまったりかゆみを強くしてしまうこともあるので、乾燥肌の人にとってはぬるめのお湯がよいでしょう。保湿効果の高い入浴剤を使ったり、入浴後にローションやクリーム等で保湿しましょう。
・衣類をじょうずに着ましょう   
化繊やウールのものは直接着るのではなく、チクチクしない刺激の少ない綿等の下着の上から着るとよいでしょう。
・バランスのとれた食事と十分な睡眠をとりましょう

【ビタミンの力】
ビタミンA:皮脂腺や汗腺の働きをよくして新陳代謝を促す
ビタミンB:皮膚をなめらかにする
ビタミンC:皮膚のもとになるタンパク質を有効に働かせる

アルコール類や刺激物、香辛料、アクの強いものはかゆみを誘発することが多いといわれていますので、控えるのも一つの方法かもしれませんね。
 
 乾燥が気になるこれからの季節。まずは身近なところから工夫してみてはいかがでしょうか?しかし、症状がひどくならないうちのケアは必要です。

 ご心配な時はどうぞご相談ください。

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