2000年9月

 慢性胃炎  
 
胃炎とは、胃の表面を覆っている粘膜が何らかの原因によって炎症を起こした状態をいいますが、慢性胃炎とは、慢性の胃の炎症のことではなく度重なる胃粘膜のただれの後遺症で、胃の粘膜が変化してしまったもので胃の老化ともいえます。

 症状は、【みぞおちの痛み・不快感・圧迫感・胸焼け・胃もたれ・吐き気・食欲不振】などが主なものです。原因には【飲食物・酒・タバコ・刺激物】など外部からの原因と、【体質・栄養状態・感情障害】などの内部からの原因とにあるといわれています。

【ストレスとの関係】
ストレスは、いろいろな病気の原因になると考えられていますが、胃炎や胃潰瘍の発生にも大きく関わっています。心配事があるときなど【胃が痛むような】と言う表現をすることがよくありますが、体の様々な気管の中でも、胃は特にストレスの影響を受けやすい気管だといえるでしょう。

【ストレスが胃炎・胃潰瘍を起こす仕組み】
ストレス→大脳→視床下部→自律神経→交感神経→攻撃因子が強くなる→【胃炎・胃潰瘍】が発生
            ↓
副交感神経→防御因子が強くなる→【胃炎・胃潰瘍】が発生

ストレスを受けると、その刺激は【大脳】を経て、【視床下部】に伝わり、【自律神経】全体に影響を及ぼします。自律神経には、【交感神経】と【副交感神経】があり、交換神経に刺激が伝わると血管の収縮がおこり、胃粘膜の血流量が低下するため、胃の【防御因子】が弱くなります。一方、副交感神経に刺激が伝わると胃液の分泌が活発になるため、胃の【防御因子】が強くなります。こうして防御因子が弱くなり、攻撃因子が強くなると、胃炎や胃潰瘍が発生します。

【日常生活での注意点】

食生活を改善する
・甘いものや脂っこいものは、胃の中にとどまる時間が長いため、避けましょう。
・コーヒーや香辛料などの刺激物は、胃酸を過剰に分泌させるので避けましょう。
・食後は胃酸が分泌されているので、すぐ横になると胃酸が食道に逆流します。寝る直前に食べるのはやめましょう。

 タバコ・アルコールを控える
  ・アルコールは食事中、又は食後に適量を飲むようにしましょう。
  ・タバコは胃酸の逆流を招くため、控えめにしましょう。

 ストレスをためない
  ・疲れていると感じたらゆっくり休み、睡眠時間を十分にとりましょう。
   また【自分の時間をもつ】などストレスをためない工夫をしましょう。

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