2006年1月

みかん
 今回は冬を代表する果物の「みかん」についてお話ししたいと思います。

【みかんの歴史と種類】
 今から2000万年から3000万年前にインドの東部地方でみかん類は生まれました。人類として最初に栽培を始めたのは中国で、今から4200年前の文献にその記述が残されているそうです。日本に入ってきたのは、およそ1900年前と考えられています。古事記(西暦712年)と日本書紀(西暦720年)によると、垂仁天皇 が非実香木実(ときじくのかぐのこのみ)を手に入れるため、丹波の多遅摩毛理(たじまもり)を常世の国に行かせました。その時に持ち帰った「不老長寿の果物、中国の橘(たちばな)」が、現在のみかんの木の原形とされています。

 「日本人が一番多く食べている果物は何か」という総務省の家計調査によると、長い間、第1位に輝いていたのは「みかん」でした。しかし、2004年度の調査によると、ついにバナナがみかんを抜いて1人当たりの年間購入量第1位になったそうです。みかんは、若者にいまひとつ不人気ということで、「薄皮を吐き出さなければならないのが面倒くさい」ということが大きな理由のようです。

ところで、みなさんはみかんをどのように食べていますか?「みかんの食べ方」を大雑把に大別 すると、

① スジも房も気にせず丸ごと食べる人
② 白いスジだけ簡単に取り、房は食べる人
③ 白いスジを丁寧に取り、房は食べる人。
④ 白いスジを丁寧に取り、房も吐き出す人
 の4パターンがあるのではないかという仮説を独断で立ててみました。板倉医院のスタッフ数名に食べ方を尋ねてみると、ほとんどのスタッフが②のスジを簡単にとってそのまま食べると答えました。板倉医院のスタッフはあまり食べ方にはこだわっていないようです。また、スジは健康に良いから食べるという答えも聞きました。しかし、④のスジも取り房も出すというこだわり派も小数ですがいました。
みなさんは、どのようにみかんを食べていますか?

○突然ですが、ここで『みかんクイズ』
 太郎さんと花子さんが、同じ店で同じ種類の同じランクのみかんを買いました。そこから2人は別れて太郎さんは自転車のカゴにみかんを入れて、花子さんは電車でみかんを大事に抱えて家路に着きました。
 では、ココで問題です! 太郎さんの家にあるみかんと、花子さんの家にあるみかんどちらが甘いでしょう?→正解は、「太郎さん」

 理由は、みかんの中に存在する酸は刺激を与えると消えるからです。太郎さんは自転車のカゴに入れて、きっとみかんをゴトゴト揺らしながら家に帰ったのでしょう。

この他にもみかんを甘くする方法があります。
○みかんを揉む
 「甘くなる」というより、酸っぱさ(酸味)が少なくなることで、甘く感じるということです。みかんクイズにもあったように、みかんに衝撃をあたえると、みかん自身がキズを修復するため、すっぱい成分であるクエン酸を修復にあてて消費するので、甘く感じるようになります。ただし、これは食べる直前にやらないと衝撃を受けたみかんは腐りやすくなるので、食べる直前に揉んだり、ポンポンと両手でやさしくキャッチボールするといいかもしれません。

○みかんに日光浴させる
① みかんをビニール袋に入れて口を縛る。
② それを、2~3日日光浴をさせる。
③ 食べる前に1時間ほど冷蔵庫で冷やす。

 みかんをビニールに入れると温度が上がり呼吸が盛んになります。呼吸が盛んになると酸が減り、同じ糖度でも甘く感じるようになるということです。また、果糖は冷やした方が甘みを感じやすくなるので、冷蔵庫で冷やすとさらに甘く感じるようになります。

○みかんを温める
 みかんを40℃のお湯の中に約10分間浸けて食べると甘くなります。もう一つ荒業は、みかんの皮に切れ目を入れて、電子レンジで約30秒加熱します。冷まして食べるとこれまた甘くなります。これは、電子レンジを利用してみかんに運動をさせ、酸を減少させたというわけです。

【みかんの保存方法】 賢い保管法があるようです!!
  風通しが良い冷暗所に置きます。常温の10~20度がみかんの保存の適温です。湿度・温度が高い所は避けるようにして下さい。冷蔵庫には入れないほうが日持ちします。腐っているものを見つけたらすぐに取り除きます。カビが発生すると周囲に移ります。傷んだものは、その都度取り出すようにしましょう。

○箱で買った場合
みかんを全部だして、箱の底に新聞紙を敷きます。風通しをよくするため、重ならないようみかんを1段並べ直します。その上に又新聞紙を敷いてみかんを並べます。これを繰り返し、一番上には新聞紙をかけて、蓋をせずに保管しましょう。そして風通しのいい日陰に置いておきます。

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