2003年7月心理室より

 はげまし技法

 今回は、カウンセリングの諸技法の一つである「はげまし技法」について、紹介したいと思います。「はげまし技法」はカウンセリング諸技法の中の、どの流派にも共通する基本的な技法です。カウンセリングの技法と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれません。しかし普段日常生活でも充分に用いることのできる技法ですし、もうすでに自然と実践している人もいるかもしれません。
具体的には、以下の通りです。

【受容】
 相手の気持ちを批判せず許容的に聴き、「はい」「ええ」「うん」と相づちを打つこと
【単語の繰り返し】
 相手の話の中の重要語句(キーワード)を相手が息継ぎをしたときに入れること
【うながし】
 相手の話に「それで?」「それから?」など、話のさきをうながすこと
【おどろき】
 相手の話に対して「ほう」「へえ」「なるほど」とおどろくような反応をすること
【日本的文化の中のはげまし】
 日本的な風土の中では、謙譲や尊敬的な言い回しが存在します。ときには「いやー」「い いえ」のような否定的な相づちを入れないと文脈がおかしくなることがあります。例えば、「あなたの今日の服、とても素敵ですね」と言われた場合、「いえいえ。ありがとうございます。」などと答えるのがそうです。

 どうでしょうか。カウンセリングの技法とはいえ、意外と普段の会話の中でも自然に用いることができそうではありませんか?
この技法を用いると、話している相手に「あなたの話をきちんと聞いていますよ」というメッセージを送ることが出来ます。ただ、あまりに頻繁に用いすぎると、大げさで不自然な印象を与えてしまいますので、注意して下さい。

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