2003年3月

日光湿疹・日光皮膚炎
まだまだ寒い日が続いていますが、暦の上では『春』を迎え、これから日増しに暖かくなっていきます。そして、春といえば、ポカポカ陽気ですが、春は紫外線量が増えてくる時期でもあります。そこで今回は、紫外線が増えてくるこれからの時期に注意が必要な「日光湿疹・日光皮膚炎」についてのお話です。

【日光湿疹・日光皮膚炎ってなに??】
 長時間の屋外でのスポーツ観戦や夏の海水浴に出かけた後で、皮膚が赤くなったり、ぶつぶつができてしまった!そんな経験はありませんか?
 日光湿疹・日光皮膚炎とは、顔や手足など衣服から露出した日光に当たる部分が赤くなったり、水ぶくれになったり、湿疹ができることをいいます。こういった症状は、長時間、太陽の光に当たった場合に起こると考えられています。冬の間、直射日光を浴びる機会が少なかった春のお肌は、紫外線に対して無防備な状態です。そのため、わずかな紫外線にも過剰に反応し、湿疹やかゆみなど皮膚のトラブルが起こりやすいと考えられます。紫外線の量は夏に多く冬に少ないのですが、3月頃からだんだんと増えていき、5月にピークを迎えます。そのため、これからの季節は、きちんとした紫外線対策が必要になってきます。

【紫外線ってなに??】
 「紫外線」という言葉をよく耳にしますが、そもそも紫外線とは何なのでしょう?太陽光線のうち皮膚に被害を及ぼすのは紫外線です。紫外線はその波長の長さの違いにより次の3つに分けることができます。

  ① UV-A(長波)
  ② UV-B(中波)
  ③ UV-C(短波)

 UV-Cとは殺菌灯などに使われる紫外線で、生物にとっては有害ですが、そのほとんどがオゾン層で吸収され、地表に到達することはありません。そのため、UV-C対策は必要がないと考えられています。これに対し、UV-Bは、皮膚に炎症を起こす有害な紫外線で、強いUV-Bを浴びると3~6時間くらいで皮膚に赤みが生じ、24時間後くらいにそのピークを迎えると考えられています。UV-Aは、UV-Bに比べるとエネルギーが弱く、穏やかな日焼けをするものと考えればよいのですが、浴びすぎは皮膚のたるみ、シミのもとになります。そのため、紫外線対策という場合には、UV-A、UV-Bを皮膚に浴びないようにするということが大切です。

【対策法】 
 強い太陽光、すなわち紫外線を浴びることによってできる日光湿疹・日光皮膚炎は防ぐことができます。その対策方法としては、帽子、日傘、サングラス、紫外線防止生地でできた手袋、長袖シャツ、長ズボンなどで紫外線をカットする。

 太陽光に当たる皮膚には、市販されている日焼け止め剤を使用する。この時、SPF15以上の日焼け止めで、水にとれにくいウォータプルーフタイプのものを選ぶとよいでしょう。SPFとは、SPF=1で約20分間紫外線を防ぐと考えられているもので、その数値が高いほど紫外線を防ぐ時間が長いということになります。近所へ買い物へ出かける、海水浴へ出かける場合など用途に合わせて、自分にあったタイプの日焼け止めを選んでみましょう。女性の方なら、日焼け止めを塗った後、さらにクリームタイプのカバー力の強いファンデーションを顔に塗るとよいでしょう。

 ポカポカ陽気に誘われて、春は外出が増える時期ですが、紹介した紫外線対策や自分なりの対策をおこなって、素敵な春の過ごし方を考えてみてはいかがでしょうか? 

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