リウマチ・膠原病 2
前回は膠原病とはどんな病気かをお話ししました。今回は膠原病に含まれる病気についてお話ししましょう。
【慢性関節リウマチ】
慢性関節リウマチは、全身の関節に炎症が起こることが知られていますが、初期の頃には、倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱といったものがみられます。 その後、朝の手足のこわばり、手指関節の炎症が現れ、さらには全身の関節痛、腫れ、こわばり、しびれなども現れてきます。 「リウマチ」というと”おじいちゃんおばあちゃんの病気”というイメージがありますが自己免疫に起因する難病なのです。
【全身性エリテマトーデス】
典型的な症状に顔面の蝶形紅斑があります。紅斑は全身どこにでもみられますが、特に顔、胸、手足に多く出現します。また、皮膚の病変だけでなく内臓の病変もみられます。よく侵される臓器 は、腎臓、脳、心臓、肺などですが、これらが全て同時に必ず侵されるわけではありません。1つだけのこともありますし、2つ以上侵されることもあります。 また、時期を異にして程度の違った内臓の病変がみられることもあります。
【強皮症】
強皮症とは字のごとく皮膚が硬くなる病気です。手や指がこわばり、つっぱり、曲がって、物がつかめなくなります。 また、少しの傷がなかなか治らない、レイノー現象(手指の色が白色や紫色になる)おこる、顔の皮膚がつっぱり硬くなり表情がなくなる、お腹などの皮膚が硬くなるとや腸や食道や肺や腎臓などにも硬化(機能障害)の症状が現れることもあります。
【多発性筋炎(皮膚筋炎)】
身体の多数の骨格筋に原因不明の炎症が生じ、これに伴い筋肉の力が低下し たり、 筋肉痛を起こす病気です。同時に皮膚症状を伴うと皮膚筋炎と呼ばれます。 病状が進行すると日常生活に際して寝返りや起きあがり動作、歩行、階段昇降などが困難になってきます。
【結節性多発性動脈炎】
中型の動脈と小型の動脈に炎症が生じる疾患で、全身の諸臓器に分布す る血管に 動脈炎を生じることから、多彩な症状を呈する疾患です。症状としては、高熱(38℃以上)、体重減少、関節痛、紫斑、皮膚潰瘍などがあり、重篤なときは、腎機能悪化、脳出血、腸出血、肺出血の症状が現れるこ ともあります。
膠原病には共通性を持ちながらも疾患ごとに様々な症状の違いがあります。さらに、同一の病名でもその症状や経過には患者さんそれぞれに違いがあります。早期に発見し治療するためには、ちょっとした症状の変化を見逃さず、また、定期的な診察と検査を受けることが大切です。