趣味と健康

空が澄み、清々しい秋を感じる頃となりました。みなさんは秋と言えば・・・なんでしょうか。芸術の秋、食の秋、スポーツの秋などたくさんありますね。1年のうちで秋は一番趣味を見つけやすい時期かもしれませんね。東京医科歯科大学などが行った研究では、“多趣味の高齢者ほど死亡リスクが低くなる”という結果が出ています。趣味の数が0個の人に比べて、趣味が2個の人では10%、5個の人では31%死亡リスクが低くなったようです。また、趣味のタイプ別に見てみると、「体を動かす趣味」と「誰かと一緒に行う趣味」が死亡リスクの軽減に特に効果があることが示されたそうです。

 趣味の効果については以下のようなものがあります。

1.リラックス効果

 イギリスの大学の研究によると、6分の読書でストレスの3分の2以上が軽減されるそうです。趣味に没頭することで副交感神経が優位となり、リラックス状態になることができます。逆に趣味がなくストレスを発散できずにいると交感神経が優位となり、緊張状態が続いてしまう可能性が高くあります。

2.孤立を防ぐ

 特に定年退職をした後に急に自分の時間ができた人など、会社中心の生活をしてきた人は、外出頻度が減って人と話す機会が減ってしまいます。退職という大きな環境の変化に加えて、精神的・肉体的な衰えも生じやすくなります。東京都健康長寿医療センター研究所の研究では、日常生活に問題のない健康な高齢者であっても、社会的孤立と閉じこもり傾向が重積している人は、どちらにも該当しない人に比べて、6年後の死亡率が2.2倍高まるという結果が出ているそうです。

3.健康寿命を延ばす

 趣味や生きがいを持つことが健康に良い影響を与えることは多くの研究によって証明されています。趣味を持っていると、身体的活動量が多くなり、ADL(日常生活動作:食事、トイレ、入浴などの日常生活を送るために必要な動作)やIADL(手段的日常生活動作:買い物、炊事洗濯、金銭管理などのADLより複雑な動作)の低下を防ぎ、健康寿命を延ばすという研究結果も出ています。

 現代人は多くのストレスを抱えていると言われています。この秋、心身の健康の為にも自分に合った趣味を見つけてみてはいかがでしょうか。

カテゴリー: 202311, 心理室より パーマリンク