新型コロナウィルスが流行してから早くも2年以上が経過しますが、現在の状況をどのように感じているでしょうか。コロナ禍の生活にすっかり慣れたことにより、ウィルスが蔓延する前と殆ど変わらない生活を送っている人、蔓延するコロナウィルスに対して以前と変わらず脅威を感じ、引き続き自粛を続けている人など、様々であると思われます。また、普段通りの生活を送れないと感じている人でも、事態をそれ程深刻に受け止めずに生活出来ている人もいれば、日々ストレスを抱えながら生活している人もいるのではないでしょうか。
同じ状況であっても、その状況をストレスと感じるかどうかは人によって異なります。特定の状況をストレスと感じうることの主な条件として、①その状況を脅威的に感じるかどうか、②脅威的に感じた状況へ対処する術を身に着けているかどうか、の2点が挙げられます。
引っ越しをして環境がガラッと変わった時のことを想定してみましょう。引っ越しをした人が新しい環境にすぐに慣れ、周囲とも打ち解けられたり、様々な新しい出来事に対して一人で難なく対処できれば、つまり新しい環境をそれほど脅威に感じていなければ、ストレスを引き起こしにくい状況といえます。また、新しい環境をストレスに感じていたとしても、空いた時間に趣味を楽しむなどで気持を紛らわすことができる場合も、引き起こされるストレスはさほど深刻なものとはならないでしょう。しかし、新しい環境に慣れず強いストレスを感じ、かつ対処法が分からない場合に、深刻なストレスを感じるようになります。脅威的に感じる状況は人それぞれですが、それに対する対処法が身についているかどうかは、ストレスになるかどうかを左右するのにとても重要な要素となり得ます。
ストレスの発生する状況への対処法として、間接的に対処する方法と、直接的に対処する方法の2種類が考えられます。上記のように、新しい状況下でも趣味を楽しむなどで気を紛らわすことは間接的な対処であり、問題の根本的な解決にはならないものの、不安な気持を落ち着かせることはできる為ストレスを軽減する効果があります。一方、直接的な対処法として、近所の人と仲良くなる為の手段を考えたり、引っ越しを経験したことのある友人に、より良く生活していける為のアドバイスを求める、等が挙げられ、現実的な問題の解決に近づくことによりストレスが軽減されます。
最も良いのは、どちらかの対処法をのみを使い続けるのではなく、状況に応じてどちらの対処法も使用できるようになることです。直接的な対処のみでは現実と向き合い続けることの疲労が生じる可能性がありますが、間接的な対処のみでは問題の解決には到達しないということから、どのような状況下でも片方の対処法のみを使い続けると、かえって心身に負担がかかってしまうことが考えられます。ストレスを感じる状況下に置かれた時は、是非2つの対処法を使い分け、両方のデメリットを補い合いながら、うまくストレスを軽減していくことを意識してみてください。