2004年3月

 今月は『イチゴ』の特集です。外を吹く風は冷たく春の足音が聞こえてくるにはもう少し時間がかかりそうですが、イチゴを食べて一足早い春気分を味わってみてはいかがでしょうか?

①イチゴはいつ頃が美味か?
 イチゴの味は、とれる時期・天候・樹の栄養状態などに左右されます。夜温の低い冬季、晴天が続き、樹が元気で、栄養過剰でないというような条件の時、そのイチゴの持ち味が最も発揮されると言われています。4月以降の高温期は、糖度はあまり変わりませんが酸味が増してくるので酸っぱく
感じられるようになります。逆に、3月頃までの低温期は酸味が低いためにバランス的に甘く感じられます。従って、12月~3月で比較的晴天の多い時が美味しい時期だと言われています。
②イチゴって何の仲間?
 イチゴはバラ科の植物です。同じバラ科の果物にはリンゴ、桃、梅、梨などがあります。しかし、リンゴなどと違うのは、大きな樹木ではなく野菜のような小型の草本であることです。そのためイチゴは、農学・栽培学上、果樹ではなく野菜に分類されます。
③イチゴの原産地
 世界のイチゴのルーツは、大きく分けてアメリカ系(堅く酸っぱい)とヨーロッパ系(柔らかく甘い)に分かれます。そして、その原産地が北アメリカ東部と南アメリカ南西部にあったそうです。南アメリカには大きめの実をつける野生種もあってインディオ達が栽培もしていたと言うことです。
大航海時代にこれらがヨーロッパに持ち込まれ、交配されて、現在のようなイチゴが出来上がったようです。
④イチゴは実じゃない??
 本当のイチゴの実は、表面に着いているツブツブの種の様なものなのです。皆さんが食べている果肉の部分は、「果たく」と呼ばれるもので、分かりやすく言うとトウモロコシの芯みたいなものです。芯の周りにトウモロコシの実が着いているみたいに、「果たく」の周りに実(種)が着いています。しかし、なぜイチゴがこのような形態になっているのかは、あまり知られていないようです。
⑤イチゴに抗酸化作用?
 イチゴやホウレンソウは体の酸化防止作用が強い、という研究結果が米国(農務省)で報告されたそうです。人間の体内では酸化が起こり、この酸化が癌などの成人病の原因であることが分かってきています。報告によると、40種類の果物や野菜を調べ、イチゴとホウレンソウが最も強い
抗酸化作用持つことを突き止めたそうです。さらに、高齢の女性8人にイチゴかホウレンソウの抽出物から作った飲料を飲んでもらったところ、8人の血液中の酸化防止能力は、平均で約20%高まったということです。

★イチゴの簡単アレンジ★ ~美味しいイチゴを簡単に変身させましょう!~
【イチゴジャム】
 イチゴのヘタを取り除き、そのまま(ミキサーなどでつぶしても良い)鍋に入れ、イチゴの量の8割から10割の砂糖を同時に入れます。最初はやや強火でかき混ぜながら、イチゴの形が崩れるまで煮込み、(この時、アクが出るので何度かすくって捨てるときれいに仕上がります。)その後は弱火にしてやや粘りが出るまでトロトロ煮込みます。冷めると少しかたくなることもあります。砂糖の量は好みで加減します。多いと飴のようにかたくなりますが、長持ちします。少ないとかたくなりませんが、常温で保存しにくくなります。また、砂糖を少し減らして、代わりに水飴を入れると、ツヤがあって低温でも固まりにくいジャムが出来ます。

★イチゴを使ったデザートレシピ★  ~普段とは違うイチゴの食べ方にチャレンジ!~
【イチゴマフィン(Strawberry Muffin)】 イチゴを使ったちょっと珍しいマフィンの作り方を紹介します。
材料 (直径7cmのマフィン型6個分)
A ・薄力粉    130g
  ・ベーキングパウダー 小さじ1
B・粉糖         50g
  ・イチゴ         2~3粒(飾りのアイシング用)
・マーガリン      60g
・グラニュー糖 60g
 ・卵 1個
 ・牛乳 60cc
・イチゴ 130g  

① 始める前の準備としてAの粉類は合わせてふるっておく。オーブンは180℃に温めておく。イチゴは洗ってへたをとり1センチ角に切る。
② ボウルにマーガリンを入れ、ハンドミキサーまたは泡立て器で クリーム状に混ぜ、グラニュー糖を加えてさらによく混ぜる。
③ 卵をときほぐし、②に2~3回に分けて加え、1回ごとによく混ぜる。
④ ③がなめらかになったら、Aの粉類と牛乳を2~3回に分けて交互に加え軽く混ぜる。
⑤ ④に角切りのイチゴを入れて混ぜる。(このとき何粒か残しておいて型に入れた生地の上にのせるときれいです。)
⑥ ⑤を型に分け入れ、オーブンで25~30分焼く。
⑦ Bのイチゴをスプーンでつぶし、果汁を絞る。そこに粉糖を入れてよく混ぜ合わせてアイシングを作る。マフィンが冷めたら上にぬって乾かす。

【イチゴ大福 (Strawberry Daifuku)】
材料(10個分)
・こしあん         200g( 粒餡や白餡でも出来ます)
・イチゴ          10粒
・白玉粉          150g  
・砂糖 70g
・水 200cc
・食紅 ごく少量
・溶き水 ごく少量
・片栗粉 適 量
(下準備)イチゴは、ヘタを取り大きいものは半分に切る。餡は水気が多くて緩いものなら火にかけて水分を飛ばす。 餡を10等分にし、イチゴを餡で包みこむ。
① 耐熱容器に白玉粉、砂糖を入れ、水200ccを少しずつ加えヘラでよく混ぜる。ごく少量の溶き水で溶かした食紅を混ぜ、蓋をして電子レンジで2分かけたら、ヘラでよく混ぜ、もう一度電子レンジで1分かけ、またよくこね練り混 ぜる。加熱後、水分が飛びすぎてボソボソになってしまったら熱湯を少量ずつ、生地がネットリするまでこね混ぜながら加える。
② 生地を片栗粉の上に取り出し、手に片栗粉をつけ10等分する。生地が温 かいうちに、丸く薄く伸ばし、イチゴを包んだ餡を置いて、包み込んでいく。この時、皮の端を少しずつ引き伸ばし、口を閉じて掌で転がして丸める。生地が冷えてしまうと、伸びが悪くなるので手早く作業する。

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