2000年1月

高血圧の合併症

【合併症】
高血圧は多くの場合、特に症状がないため軽く見てしまいがちです。しかし、そのまま放っておくと動脈硬化が進み、色々な合併症を引き起こしてしまいます。今回は高血圧の合併症についてお話ししましょう。高血圧の状態が続くと、血管の壁は厚く、固くなり、弾力性が失われて血管が破れたり、傷つきやすくなります。これを【動脈硬化】といいます。動脈硬化が進むと、次のような様々な病気が起こってきます。

【脳卒中】 
 脳の血管が詰まって起きる【脳梗塞】と脳の血管が破れて起きる【脳出血】があります。どちらも死に至るか、そうでなくても 体の片側が麻痺する、ろれつが回らなくなる、片目が見えなくなるなど、様々な後遺症が現れることがあります。

【狭心症と心筋梗塞】
 心臓に栄養を送っている血管が詰まりかけて起こるのが狭心症、完全に詰まってしまうのが心筋梗塞です。

【腎不全】
 腎臓の機能が完全に失われてしまう病気です。腎不全になると、尿が作られなくなってしまいます。

【大動脈瘤】
 血管が膨れて瘤をつくる疾患です。瘤が破れると大出血が起き、命を失うことになりかねません。かつて、年をとるにつれて血圧が上がるのは、ある程度まで自然な老化現象とされていました。老化して流れが悪くなった血管に十分な血液を送るには、ある程度高い血圧が必要という考え方です。
しかし、今では血圧を下げるほど、脳卒中などの合併症が少なくなることが明らかになってきています。年齢に関わらず、血圧は高くならないようにつとめることが必要なのです。
 *心筋梗塞や脳卒中の発作防止にも気を配りましょう。

 高齢の人、糖尿病・肥満の人、脳卒中や心筋梗塞の経験のある人は、発作を防ぐために次のような注意をしましょう。朝は急に起きないで寝床で30分ほど読書や考え事などをしましょう。軽く手足を動かすのも効果的です。大きな気温差を避けましょう。入浴前、浴槽への給湯にシャワーを使うと浴室全体が温まります。冬は脱衣場やトイレも温めるようにしましょう。

次回は高血圧の治療法 についてお話ししていきます。

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