2000年1月心理室より

心理室より
【うつ病ってどんな病気?】
うつ病は、【心の風邪】と言われており、誰でもかかる可能性のある心の病気です。その数は人口の約5%と言われており、20人に1人がうつ病にかかっているか、かかったことがあるという計算になります。そのくらいポピュラーな病気なのです。症状としては次のようなものがあります。

【主な症状】
・思考力・判断力の低下
・焦り
・憂鬱(特に朝方)
・集中力がない
・睡眠障害
・自分は価値のない人間だと思う
・無気力・生きていても仕方がないと思う
・感動する事が少ない
・理由もなくイライラする
・強い疲労感
・食欲・性欲の低下
・不安・些細なことで申し訳ないと悩む

  【うつ病の原因は何?】

うつ病の原因は、脳中の物質の伝達が一時的に悪くなることだと言われています。これには、体質とストレスが関係していて、性格や、喪失体験がうつ病を引き起こす要因になります。喪失体験とは、身内や大切な人の死・ペットの死・定年・リストラ・単身赴任・離婚・パートナーとの別れなど、何かを失う体験のことをいいます。

【どんな人がうつ病にかかりやすいの?】

生真面目・徹底主義・凝り性・几帳面・正直・正義感が強い・責任感・義務感が強い・趣味がない・人情深い・気が利く・相手の気持ちに敏感・人に同調しやすい・【~しなければ ならないとよく思うなど。周りから見れば、真面目で気の利くいい人がうつ病にかかりや すい人なのです。

  【うつ病になったらどうすればいいの?】

・睡眠を十分に取りましょう。

・寝付きが悪い、途中で目が覚める、熟睡できないなどの症状が続くときは、医師の指示従って一時的に薬の力を借りるようにしましょう。よく、【薬をやめられなくなるのではないか】と心配される方がみえますが、そのようなことはありません。安心してお使い下さい。

・しなければならないことはなるべく減らしましょう。仕事をお持ちの方は休める条件であれば休んだ方が良いでしょう。
当院で診断書【有料】を発行することもできますのでご相談下さい。休むことができなければできるだけ仕事を減らす工夫をしましょう。家事をしてみえる方はできれば家族に代わってもらいましょう。

・休養を取りましょう。今の状態は病気であることを理解して、決して怠けているわけではない ことを理解しましょう。その上でゆっくりと羽を伸ばしましょう。

・重大な決断は延期しましょう。うつ病にかかると判断力が低下する上、悲観的になり勝ちで冷静な判断をすることができな くなってしまいます。後から訂正できないような決定は延期した方がいいでしょう。

【家族はどうしたらいいの?】

絶対にはげましてはいけません。かえってプレッシャーになって、症状を悪化させることがあります。非難したり、自信を失うようなことを言ったりしたりすることも避けましょう。患者さんが自分のペースでゆったりと過ごせるように協力してあげて下さい。

  【どれくらいで治るの?】   通常3ヶ月ほどで治るとされています。早く回復したいという焦りから、無理に動き出したりすると、回復が遅れたり後を引いたりします。症状の回復は、【退屈だ】と感じることが目安となります。退屈感が出てくるまでは、人に任せられることは任せてのんびり過ごしましょう。

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