2006年11月

精神保健福祉手帳が変わります
 平成18年10月1日以降の申請受付分から、精神保健福祉手帳が、ご本人の写真を貼付する様式に変更になりました。9月30日までに新規、更新または再交付の申請をされた方には、旧様式の手帳が交付されます。現在お持ちの手帳(旧様式の手帳)は、そのまま有効期限まで使用できます。(次回更新
時に写真が必要になります)

≪精神障害者保健福祉手帳をご存知ですか?≫                    
 1995年(平成7年)に改正された精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)に規定された手帳制度です。これにより、障害者基本法に規定された身体障害・知的障害・精神障害すべてに手帳制度が整いました。当初、厚生省(当時)としては写真を入れるつもりでありましたが、精神障害者団体の反対により、写真は入れないことになったという経緯があります。これまで、精神障害者保健福祉手帳は写真を添付しないことから民間事業者に対する本人確認手段としての効力が低く、他の障害者手帳に比べて優遇制度が少ないことが問題でした。そして、2006年(平成18年)10月交付分から写真が入ることになりました。今後の、福祉サービスの拡大が期待されています。また、プライバシー保護のため、手帳の表紙には「障害者手帳」とのみ表示され、表紙を見ただけでは精神障害の手帳であることが分からないようになっています。

≪手帳がもらえる対象者はどんな人?≫                       
精神障害のため、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方です。初診から6ヶ月以降でないと手続きができません。

≪障害等級って?≫ 
傷害年金の等級に準拠します。
  申請時の診断書に基づいて審査を行ない、決定されます。
1級…具体的には、入院中の人が該当します。通院中の人は、他人の援助無しには日常生活を送る事が出来ない人が該当します。
2級…例えば、デイケアや作業所等に通う事は出来ても、いつも他人の助言や援助がないと日常生活がうまく過ごせない人が該当します。
3級…一般の事業所等で就労できる人も含まれますが、ときどき他人の援助が必要で、ストレスがかかると不安定になる人が対象になります。

≪手帳を持つことで不利益が生じる事はないですか?≫
ないと考えられます。障害が軽減すれば、手帳を打ち切る事もできますし、手帳を利用したくない時などは、手帳を提示しなければ他の人に手帳を持っていることはわかりません。ただ、下記※印で示したように注意する事は必要です。

≪手帳に基づく優遇措置って?≫
(1)税制の優遇措置
 所 得 税   障害者控除、特別障害者控除、
        配偶者控除及び扶養控除の同居特別障害者加算
        郵便貯金、少額預貯金等の利子所得等の非課税
 相 続 税   相続税の障害者控除
 贈 与 税   特別障害者に対する贈与税の一部非課税
 住 民 税   障害者控除、扶養控除、障害者の非課税限度額
 自動車税等 自動車税、軽自動車税、自動車所得税の減免
(2)医療の優遇措置
 自立支援医療費制度(精神通院)の新規申請にあたって、診断書不要

(3)生活保護の障害者加算
 精神障害者保健福祉手帳の1級または2級の場合においては、生活保護の障害者加算の認定が受けられる場合があります。

(4)その他
 福祉特別乗車券(市バス、地下鉄等)、NTTの電話番号案内料の免除、携帯電話基本料金等の割引、市営・県営住宅の単身入居、生活福祉資金の貸付、美術館・博物館等の公共施設使用料の減免等

※ これらの措置を受けるには、手帳を提示してご自身での申請が必要です。税制上の減免を受けようとする場合、例えば、会社勤めの方であれば、手帳の保持等が、会社に知らされることはありませんが(プライバシーは保護されます)、税金や控除の金額の変更について、会社から問い合わせを受ける可能性はあります。ご自身にとって、今、何が必要かを考えてから、手帳取得の申請をされる事が良いでしょう。
 

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