さくら
まだまだ寒い日が続いており、ちょっと気が早いかもしれませんが、今回は春を代表する花である「桜」についてのお話です。
【桜は何科?】
桜は植物学上、バラ科、サクラ亜科、サクラ属の落葉高木または低木の樹木です。サクラ属はサクラ、ウワミズサクラ、スモモ、モモ、ウメ、ニワウメの6亜属に分けられます。
【桜の分布】
桜は主として北半球の温帯に広く分布していますが、美しい花の咲く種類はアジアに多いそうです。その中心は日本列島で、多くの種類が集中しています。また、中国や朝鮮半島にもかなりの種類があり、日本と共通の種類もあります。その他、中国の奥地やヒマラヤ地方などには、日本のものと種類は異なりますが、ヒマラヤ桜のように美しい花の咲く種類が分布しています。反対にヨ-ロッパには、日本の桜のように花の美しい種類はなく、サクランボ、いわゆるミザクラの類になるそうです。
【木の大きさと樹形】
桜には、ミネザクラ、チシマザクラのように、高さが2m前後の低木から、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンのように20m以上の高木になるものまであります。一般には、丸い平らな樹冠を作り、主な枝は斜上する樹形のものが多いそうです。しかし、枝の垂れるシダレザクラや枝が横に
広がる染井吉野、普賢象、箒状となる天の川、泰山府君など樹形に特徴のあるものもあります。
桜の語源・由来
桜の語源は、動詞「咲く(さく)」に接尾語「ら」が付き、名詞になったものとされます。桜は奈良時代から栽植されましたが、当時は田の神が来臨する花として、「信仰」「占い」のために植えられることが多かったそうです。そのため、桜の「さ」は耕作を意味する古語「さ」、もしくは「神霊」を意味する「さ」を表し、桜の「くら」は「座」を表すといった説もあるそうですが、あまり有力とされていないそうです。
【桜の季節を代表する食べ物?!】
桜の季節には、塩漬けの葉で包まれた「桜餅」が登場します。
【桜餅にも地域差が!】
関東の桜餅といえば、小麦粉を原料とした生地を薄くのばして焼き、こしあんをくるんだ反物風のものが主流です。一方、関西では少しつぶつぶのある生地であんをくるんだ「道明寺」とよばれる菓子をさすのが一般的です。
【桜餅の起源】
その昔、大阪の道明寺という寺で作られていた*1干飯(ほしい)がその起源といわれています。道明寺粉とは、もち米を蒸してから乾燥させ、粉砕して粉にしたもので、他の粉より粒子が荒いのが大きな特徴です。この粉を水に漬け、もどしてから蒸すとつぶつぶの食感を残したままやわらかな生地となります。 *1 その昔、武士が戦に携帯したご飯のこと。
【桜餅の葉は食べる?それとも食べない?】
甘党には大人気の桜餅ですが、さてあなたは、桜餅に巻いてある桜の葉を食べますか?それとも食べませんか?どうしても食べなければいけないというものではありませんが、塩漬けしてあるやわらかい桜の葉は甘いあんにピッタリです。是非一緒に食べてみましょう。
【桜餅の葉について】
桜餅に巻いてある葉は何の桜の葉でしょうか?桜の葉ならばなんでもOKかというと、実はそうではありません。桜餅に使う桜の葉は、オオシマザクラのやわらかい新葉です。オオシマザクラ以外の葉は使用しません。ソメイヨシノの葉はだめなのかという声も聞こえてきそうですが、ダメなんだそうです。残念ながら、ソメイヨシノには香りがほとんどありません。反対に、オオシマザクラには、弱いですが桜独得の甘い香りがあります。ですから、オオシマザクラの伸び始めたばかりのやわらかい葉を塩づけにして、甘い香りをはっきりさせて使用しているんだそうです。
ちなみに同じようにもちに葉を巻く柏餅の葉はかたくて食べられませんので、ご注意下さい。