2002年9月心理室より

心理室より 摂食障害    
最近、ダイエットをした経験がある、または、ダイエットを考えているという人は多いのではないでしょうか?しかし、ダイエットが引き金となり病気になってしまうこともあるのです。特に、痩せたいと願う若い女性に摂食障害という病が急増しているといわれています。
 今回から数回に分け摂食障害についてお話ししたいと思います。

【摂食障害とは】
 自発的に食行動異常をきたすことであり、神経症性食欲不振症(拒食症)と神経症性過食症(過食症)があります。

【神経症性食欲不振症(拒食症)】
 10代、20代の若い女性に多く、強い痩せ願望や肥満に対する強い恐怖による意図的なダイエットの為に、極度の痩せ(標準体重の85%以下)をきたします。しかし、自分では拒食症であるという事に気付かず、落ち込むこともなく、痩せて体力がないにもかかわらず活発に活動することが考えられます。食欲がなく、無月経、自分はまだ太っていると考えることが特徴としてあげられます。

【神経症性過食症(過食症)】
 10代後半から20代の女性に多く、むちゃ食いを頻繁に繰りかえし、体重の増加を防ぐために嘔吐あるいは下剤などを乱用する行動がみられます。むちゃ食いをし嘔吐した後に、気分の落ち込みや、気力の低下があり、過食をやめようと思っていても食欲のコントロールができない状態にあり、自分で異常だと自覚していることもあるようです。

 拒食症と過食症は正反対のようにも思われますが、拒食症だった人が数ヶ月後に過食症症状へ変わったり、逆に過食症の人にも拒食症のような症状が現れることがあります。

 無理なダイエットで食べなかったり、過食をしたりという繰り返しをしていると、脳の満腹中枢、空腹中枢がおかしくなり、それによって満腹感、空腹感を感じなくなり、脳による食欲のコントロールが正常にできなくなります。人間にとって食べるということ、食欲は、基本的な欲求です。それを無理におさえつけようとすることで体だけではなく、こころにも大きな影響があるのです。

 次回は発病状況についてお話ししたいと思います。

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